8話 エルドラドとクインツ
ライル
「エルドラド…?」
ミアナとシャークはライルの方へと駆け寄った
シャーク
「ライル 悪いがこいつには悪の匂いがするぜ」
クインツ
「さすがは止まったら生きられないらしい能力だな
シャーク(鮫猿)よ」
クインツ
「エルドラドは、世界を構築するための世界だ」
エルドラドという世界
そこでメタを改変出来る
クインツ
「私はそこで世界について語りたいのだ
世界の在り方を私は変えたい」
ライル
「そして俺の世界は捨て去った…か…」
ライルはそのままクインツへとレジスタンスソードで攻撃する
蜘蛛の足が何本か切り落とされる
クインツ
「失敗作のこの私は戦闘力が恐るべき程脆弱なのだ
だから私は周りに火力を装備する事にしたのだ」
クインツはレジスタンス軍を召集した
ライル
「おい!お前たちは数々の被害に遭っていた人間だろう!
だとしたらクインツのやろうとしている事は間違っていると気付く…はずだ…」
クインツ
「それを言う途中で分かった…だろ?」
レジスタンス軍は既に死んでいた
操られていたのだ
マリオネット
「そういう事です
しかし、クインツ
さっきは私を本気で刈り取る気でしたね?
あなたの全力の攻撃の殺気が私は気付きましたよ」
ミアナ
「あれで全力だったの?私でも勝てるんじゃないかしら…」
クインツ
「正解だ ミアナみたいな脆弱な女でも私には勝てる それ程脆弱になったのだ
私は失敗作と化したのだ あの時まで強かったこの私がだ」
クインツは脆弱なステータスと化していた
だからこそ世界のメタを望んだ
クインツ
「ドラゴンと死神 エルドラドへと辿り着くための条件だ
アリファ国に何故レジスタンスを置いていたのか
それはエルドラドへの条件を知る為だ」
クインツはマグニファイ失敗により失敗作と化した
そしてエルドラドを望んだ 穢れなき魂がすぐ傍に存在していた
ライル
「幼女ミアナはどこで入手したのだ?
ミアナは戦闘兵士では無いと思うが」
クインツ
「ミアナは…な…ミアナも気付いているはずだ
私はライルをトランスレイドに適応するように鍛えていた
そしてミアナも同じように…な…」
ミアナ
「私は…」
ミアナは退いていた
シャーク
「おい!しっかり気を持て!
あの時に交わした言葉はどこへ行った!」
クラリ戦前で交わしたであろう言葉を思い出させる
マリオネット
「そろそろ死神としての条件を掴めますね」
マリオネットはそのままミアナへと能力発動した
ミアナはそのまま倒れた
ライルは恐る恐る手で触れた
ライル
「初めてミアナを握った…実感できたよ
ミアナ…こいつは死んでいる…」
クインツ
「マリオネットの能力は操る事だ
低レベル人間なら正者でも操れる しかし基本的には死者を操るのだ
そしてミアナは殺されてから操られたのだよ」
ライル
「誰が…殺したのだ」
クインツは笑って見せる
クインツ
「私に決まってるではないか ライルよ」
ライル
「クインツ…今までありがとう そしてさよならだ」
ライルはレジスタンスソードで衝撃斬を発動させる
衝撃の斬りによってクインツは蜘蛛の胴体と手足を切り刻まれる
クインツはそのまま蜘蛛が死ぬように仰向きになっていく
しかし復活した
クインツ
「ミアナ…覚醒したようだな」
ミアナは死神マグニとなっていた
マグニファイの2段階目の進化だった
クインツ
「ミアナの2段階目の進化
それは死神として認識して生きる事
死んだ後に1段階目のマグニファイで死神マグニとして生誕
2段階目は死神マグニとして意識してから更に死ぬ必要があった」
ドラゴンと死神を集めるには条件が必要だった
だからこそマリオネットとクインツは組んでいた
ライル
「リングランド王もろとも許さないからな」
ライルは剣で攻撃するがミアナに漆黒のローブで防がれる
ミアナ
「漆黒のローブは私に寄せられる攻撃を防ぐ能力
だからライルの攻撃は無効化される」
ミアナには意識が無い
ライルの声は届かない
マリオネット
「私が生きている間はミアナは生きられるのです
そして私が死んだら彼女は生きられない
それが分かりますか?」
シャーク
「人質か…なんてやろうだ」
ライル
「俺に何をやらせたいんだ」
マリオネット
「理由は簡単 ドラウンをドラゴンマグニとして進化させなさい
あの子はまだ3段階目までいってはいない」
3段階目の条件はマザードラゴン(母竜)を探す事だ
マリオネット
「マザードラゴンを見つけられた時、彼から3段階目の進化が促されます
彼はリングランド王が見つけたマグニ者です
だからドラウンは平気で人を虐殺出来るのです
最初からそうした生き方をさせてきたのだから」
ライル
「もう分かったよ あんたらは自分達の領域内でしか話をしないってな!」
レジスタンスソードで攻撃しようとするが
マリオネットが身動きを取れなくさせる
マリオネット
「ミアナさんは私達が貰っていきます
ライルさん あなたはミアナさんに救われているはずです」
ファングニール国を破壊されてから
今の今までミアナの笑顔で救われていたからだ
マリオネット
「だからこそ選択する道は分っていますよ^^」
マリオネットとクインツはそのままどこかへと去っていった
そして遠くまでいくと身動きが取れるようになった
シャーク
「どうするんだ?俺はこれからマグニ者からの脅威に対して戦うが…」
ライル
「俺は…」
選択を待つまでもなくシャークはライルと別れた
もう、別々の道を行く事を未来として感じたからだ
そして夜が明けて
朝が来た
ライルはクラリを見つめた
灰と化した所に佇む衣服
衣服の生産地へとライルは向かう事にした
ミアナを救うための旅路へと