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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

自分でCPは作れません

作者: 通りがかり

筆者が腐女子ではないのであまり気持ちが乗らなかったのが原因

いい感じに続けれる人がいたらいいのになって願うだけ

突然ですが、転生しました。

前世は普通の女子高生、強いて普通ではない点を挙げるとすれば、腐女子だったくらいでしょうか。

そんな私がある日突然眼が覚めると別の人間になってました。

よくあるタイプの転生ですよ。


しかしながら私は今生では男に生まれていました。しかも美形。

前世の普通っぷりからは考えられない美形さ。

目は凛々しく黒髪、通った鼻筋に少し薄い口。

元が女であれど美形に生まれたなら喜べたかもしれない。

しかしこの顔に見覚えがあった私は困惑します。


乙女ゲームの攻略キャラじゃん?


かつて人気を博した恋愛趣味レーションゲーム「ドキドキスクール生活」、略して「ドキスク」の攻略キャラの1人である玉木梓。

クールキャラのど定番とも言える性格、黒髪黒目はそのキャラをよりわかりやすくしているでしょう。

私が今、その彼になっている。


「あーずさ、何ぼーっとしてんの?」


どすっと背中に覆いかぶさるのは谷山飛鳥、彼もまた攻略キャラの一人だ。

玉木とは正反対の人懐っこいキャラ、攻略キャラの中で中心とも言える人物である。

意見が合わないながらも、玉木梓とは仲が良い……というより彼が玉木に猛アタックすることが多い。


「ねむいんじゃないのー?俺もねむーい。」


あくびをしながら目の前に現れたのは加賀美春馬。一見だらしなさそうに見えるが、全てのことをそつなくこなすタイプ。

そのやる気のなさから玉木が叱ることも多いが、彼に支えられることも多い。


…なぜこんなに玉木との関係性を押すのか。まあ自己紹介の部分とタイトルからお察しであろう。

このゲームでCP組んでました。

玉木総受けで。


それでもこの世界がゲームの世界なら不安などなかったのです。

正直雑食な私ですから、言い方は悪いが主人公と誰かがくっついて残りで妄想するとかできたわけです。

しかし、4月の時点で転校してこない主人公。

そしてゲームともアニメとも少し違う彼らの関係性。

私は察しました。


ここ、同人誌なのでは。

なんだったら、私の……正確には私と友人の合作の世界なのでは?


「あ、そういえば駅前にクレープの移動販売来てるんだ!行こうよ!」


「クレープか……いいな……。」


玉木(私)を見ながら舌なめずりする加賀美に寒気を抱く。

先程も言ったがここは同人誌、玉木総受けの同人誌の世界だ。

つまり今狙われているのは、玉木である私の貞操です。


夢女子なら男になってても迫られたら嬉しいかもしれない。でも私は腐女子。

望むのはキャラたちがキャッキャウフフするのを壁になって覗き見ること。つまりは当事者はお断りなのです。


「あずさもいこーよ!」


肩を掴まれブンブン振られながら神にお祈りします。

異世界転生は構わないし、この世界のままでいいので、せめてモブに変えていただけませんでしょうか?

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