調査
「おばさん、少し席を外していただけませんか」
宮田は、おばさんに何事もなかったような顔でそう言った。おばさんは、思ってもなかったようなことを言われてしばし動揺している。
「試したいことがあるので。」
宮田のやつ何を試す気なんだ全く。こいつが何を考えてるかなんて、さっぱりわからん。
すると、おばさんは何かを確信したかのように涙を拭って廊下に出ていった。
「宮田、お前何を試す気なん」
「前橋、なずちゃんの幽霊っぽいのはどこからか出てきたはずなんだから、どこかに入口があるはずなのよ。」
何だ、どうしたんだコイツ。とりあえず乗っとくか。
「そうだな、って言ってもどうやって入口なんて探すんだ。」
「簡単でしょ、服を脱がして探すのよ」
「春ちゃん、それじゃあわた」
菜津奈がいきなり喋ったのでそれを遮るかのように、宮田は言った。
「あっ、なずちゃん喋れるんだ、嬉しいな久しぶりになずちゃんの声聴いたきがするよぉ」
「なぁ、宮田俺ここから出た方がいいんじゃないか」
「ん?なんで?」
宮田もしかして自分の言ったことに気づいてないのか。見ろよ菜津奈顔真っ赤で、ゲームの敵モンスターがキレてる時みたいに頭から湯気が出てるじゃないか。まぁこれは羞恥だと思うけど。
「春ちゃんの馬鹿ぁッ、もうあさくんは出てって。」
俺は追い出された。うむ、見たかったなんて言えない。まぁ、病院の中でもふらふらするか。
俺はそう思って自販機のジュースを買いに行った。
「もぉ、春ちゃんは馬鹿なの?お馬鹿さんなの?なんでわからないの、お医者さんに見てもらう?」
「あっ、そうかなずちゃんの裸を前橋に見せるなんて、もったいなさすぎるもんね。」
「違うよ!!」
「え、違うの?」
春ちゃんはほんとダメだな、でもあさくんになら見られてもよかった…かも
「まぁ、いいけど服脱がしてくねぇ」
「いいよー、ちゃんとここのカーテン閉めてねぇ」
「わかったわ」
宮田はカーテンを閉めて、菜津奈の服を脱がせ、入口があるか探したがやはり、見つかることはなかった。