確証
「なぁ、委員長もしかしてお前も見え…」
それを遮るかのように少し顔を膨らませてゆで蛸みたいになった委員長は、
「前橋、君ねここは学校じゃないんだよ。わかるかい?学校じゃない場所で委員長、委員長呼ばれるのは勘弁なんだよ。」
「お、そうかそれは悪かったな。」
なんだ、ゆで蛸みたいに赤いからなんか照れてたりして興奮する展開始まるかと思ったのに、しかし照れることなんかないだろうわ。
「えっーと、済まないが俺お前の名前知らないんだけど…」
「は?ふざけるな馬鹿ぁッ」
「おい、大声出すなよここ病院の中だぞ」
「あっ…人ひとりの名前も覚えれないなんて前橋はほんと馬鹿ね、じゃあ改めて私は宮田春よ。宮田って呼んでちょうだい。」
「わかった、宮田それじゃあ本題に入るけどさ、宮田も見えてたりもするのか、その菜津奈の幽霊みたいなの」
「あぁ私にも見えるわ。なぜ見えるかわからないけど。」
「そうか、宮田にも見えて俺にも見えるか理由か、まぁ共通点と言えば菜津奈と仲がいいとかそのへんしか思いつかないが。」
「まぁ、一旦そう考える方が手っ取り早そうね。お母さんには見えてなさそうだし。」
「何?見えてないのか、あいつお母さんと結構仲いいはずなのにな。もしかして、成人してたら見えないとかいうのも視野に入るんじゃないか?」
「まぁ、見える理由なんて今は正直どうでもいいわ。菜津奈が幽霊として出てるということは、どこからか出てきたということを考えれば、入れるはずよ。」
「そうだな。まぁほんとに菜津奈か確かめよう。」
宮田は相槌だけをうち、菜津奈の病室に戻った。
それより、菜津奈みたいなやつ本体は意識不明の重体なのになんであんなニコニコしてんだよ。状況理解出来てないのか、それだったら俺より馬鹿だって宮田に怒られろ。