名探偵マサムネ~押しゃあどうにかなる~
「にゃんにゃんにゃん♪」
「みゃんみゃんみゃん♪」
「「「カァカァカァカァ! カァカァカァカァ!」」」
「……」
くるくると息のあった踊りを見せる白と黒の子猫。
そしてその前で息のあったオタ芸を見せる三羽ガラス。
そしてそれを撮影しながらMP上げに励む俺。
――二匹と三羽と一人、お留守番だった。
* * *
要は戦力外通告が来たわけだ。
むしろおまえはアイテム鑑定Ⅴをとっとと取得しろと。
……よくそんな木の実もってんなあ。アイテム鑑定Ⅴが必要になる状況なんざかなり特殊だぞ?
「これの話も出来てないしなあ……」
取り出すのは「腕」の写真。
どっからどう見ても――リョーマの腕。
「みゃあみゃあ!!」
「にゃあにゃあ!!」
撮影を終えた白黒の子猫が飛びついてきた。
なんかやけに切迫してるような……?
すまぬ。俺のMPでは意志疎通がまだ使えんのだよ……。
「コレ! ミタ!」
「ノブナガ! モッテタ!」
「ツクモ! イッテル!」
「おおう!?」
え? え? え?
お前等ツクモと会話できんの?
俺ですらできないのに!?
……いや、そこは置いといて。
「ノブナガが持ってたとツクモが言ってる?」
「「「ソウ! ソウ!」」」
うおう……。
コーヴァスどもに通訳される屈辱……。
じゃなくて。
ノブナガもこれを持ってた、だと?
「…………いや、まあ、フツーにあり得るか」
なんか様子変だったしなあ……。
案外全ユーザーに送られて……はいないだろうが。
さすがにそれだったら俺も気付くし。
……気付くよな?
……ん?
じゃあ、何か?
送り主はリョーマに縁のある奴だけに送ってんのか?
個人情報ダダ漏れ? いや、会話ログをずっと追いかけて……いや。
クロックアップ中である以上人力で追いかけるには無理がある。
とすれば、送り主はあらかじめこちらの個人情報を知っていた、のだろう。
……ふむ。「hospital」に関わる何かだったりするのかね?
あるいは単純に金銭目的か。
「hospital」の権利は俺ら五人が持ってるから……俺ら結構金持ちなのよ?
「すろら!!」をやってること自体はSNSかなんかで上げた記憶がある。
多分それはほか三人も同じだ。見た記憶がなんとなくある。
「hospital」の一件で名の売れた俺たちには結構な数のフォロワーがついてるし。
ならば俺ら四人がここにいる可能性自体は知ってる奴は結構いたわけで――
「……で、だからどうなんだよっ!!」
名探偵マサムネここが限界だった。
「あーもう、大人しくノブナガに聞こう」
本日の教訓。
別にSEだからって論理的思考力が高い訳じゃない。
* * *
「そういうわけでネタはあがってる! キリキリ白状しろ!」
「なぜに取調室風やねん……」
「誰かカツ丼もってこい!」
「なんでや!」
まあ。
俺の看破能力とノブナガの隠匿能力だったらノブナガに軍配があがるので、もしノブナガが本気で隠そうとしたら俺に見抜くことは出来ない。
それが「様子がおかしい」ことが分かったということはノブナガに迷いがあるということなので……押しゃあどうにかなるだろって話である。
「どっから話したらええかな……」
「お前がそういうことで迷うとは珍しいな」
「僕も迷ってるんよ」
らしくもなく迷い迷い吐き出した言葉。
それは――
「――多分リョーマ犯人に捕まっとるんやないかと思う」




