意思疎通~キャッキャウフフできると思ったんだよ畜生!!~
「長かった……」
「みゃあ……」
五日目。午前七時。
ついに、俺はみんなと合流した。
長かった……長かったぜ。
一日のはずがなんか一年ぐらいかかった気がする
「おう、マサムネ。『意志疎通』寄越しや『意志疎通』」
「おーホントにカラスっす。うりうり~」
「ギャ! ギャ!」
「ヒャ! ヒャ!」
「「ミャ! ミャ!」」
「……おまえらなあ」
しかしてそんな感慨は向こうには皆無であった。
最早、興味は俺がカジノでゲットしてきた「意志疎通」の木の実とコーヴァスどもにしかなかった……。
あとなにげにツクモがノリノリでコーヴァスに懐いてるのが悲しい……。
「……よし、『意志疎通』加工したらすぐ攻略するで!!」
「「おー!」」
「「「「みゃー!」」」」
「……おお」
そういうことになった。
* * *
意志疎通。
探し求めていた青い鳥は不壊城の景品だったというわけだ。
そう。
これで、ツクモとキャッキャウフフお話しできるぜ! と思った、思ったんだよ畜生!!
「……何だよこの滅茶苦茶な消費MP」
「いや、専業魔法使いなら払えへんほうがおかしいんやからな?」
「くう……! ツクモを優先して育てていたツケがここに来て牙をむいたというのか……!」
「いや、そんなこと言う前にMP上げろ」
「木の実取っておいてあるっす」
そういうわけで。
マサムネ絶賛MP上げ中であった。
一人だけステータスが低すぎて木の実が簡単に加工できてしまうのが悲しい……。
「状況を説明するなら――リョーマの好きな裏口だな」
裏口。
いわゆる攻略法である。
特にリョーマは「これを知らないと攻略できない」ものよりも「これを知ってれば不利な状況を挽回できる」ものを好み――それを裏口と呼んでいた。
「正直――ここまで至ってもノブナガを除き攻略組にはほど遠いからな。ここから先には『意志疎通』とコーヴァスが必要になってくる、らしい」
「あいつらがあ?」
ぶっちゃけコーヴァスはそこまで強いモンスターではない。
機動力と偵察能力が売りの雑魚モンスターといっても過言ではない。
テイムも簡単だし。
もしあいつ等が必要だというならもうとっくに攻略組にバレてるんじゃないか?
「そうでもないんだ。コーヴァスのテイム難易度は電脳化したか否かでかなり違う。一回電脳化してしまうとエンカウントする事自体できなくなるらしい」
「あー……だから裏口か」
電脳化は戦闘においてかなり大きなファクターだ。
非電脳化時には不可能だった高速戦闘が可能になるってだけでも大きいのに使えるスキルや魔法がぐんと増える。
その一方で生産や調教を主眼におくとかなりコストパフォーマンスが悪くなる。
手術費用がかなり高額なうえ生産に使える要素が少ない。
テイムにいたってはマイナスでしかない。
「そのための救済策だな。戦闘系だけしか先に進めないようなゲームをあいつが作る訳なかった」
「……戦闘系がその裏口使うって可能性もあるんじゃね?」
「それはないだろう」
ドーザンはゆるりと首を振る。
「コーヴァス単体だけならともかく――『意志疎通』が必要だからな。カジノでひたすらギャンブルするぐらいなら電脳化してごり押ししたほうが手っ取り早い」
「ああ、そういえば『意志疎通』何に使うんだ?」
「それは――」
といった所で。
「今度の敵の弱点は魔法防御と硬直のバステ!! 注意すべきは吹き飛ばし魔法攻撃と睡眠のバステ!! 総員用意せい!!」
ノブナガのお帰りだった。




