五面ダイス~五面体……作れるか?~
30人のNPCは手を組んでくるだろうというのがエリオットの見立てだった。
「マジョリティねらいってことにゃ?」
「多分ね。……五人、かな。多分五人がこっちに張り付いてオンリーを妨害。残りの25人は一点賭けってところかな」
「……アリエナイとはイイキレンな」
「くっくっく。野良ネズミが彷徨いているようですなあ?」
そう言ったモーリスの足下を本当に子ネズミが駆けていく。
人数外。
日常系モンスターの持つ特性は不壊城のVIPルームの中ですら威力を発揮する。
「まあマウぐらいはフツーにゃ。イイ子を育てるまでが駆け引きの一環にゃ」
そう言ったキティの懐から三毛猫が飛び出した。
真っ白な子ネズミを蹴散らしていく。
「まあ、相談して数字がかぶらないようにするってのはこの手のゲームじゃ必勝法だけど」
「くっくっく。インターバルからスタートするというルール自体、相談してくれと言ってるようなものですからな。くっくっく」
「モンダイはオマエがウラギラナイかトイウコトだ!!」
モーリスのステッキとアーサーの剣がエリオットに突きつけられる。
キティは無言ですべての指に黒猫を象った指輪をはめる。
騙し騙されしてきた間柄、ね……。
「まあ、心配はごもっとも。――そこでこんなものを用意した」
じゃらりと。
エリオットが取り出したのは六面ダイス。
「新春ビンゴ大会の景品のダイスセットにゃ?」
「そ。その中の五面ダイスセット」
「くっくっく。六面ダイスの一面が塗りつぶされている……。なるほど。これを振って決めようと言うわけですか」
一から五。六から十。十一から十五……。
五刻みで刻まれた七個のダイス。
「乗る気があるなら一人一個とってくれ。入力する直前に見えないように振れば問題ないだろう」
「選ぶ数字が自分にすら分からなければ……不正のしようがないということにゃ?」
「このダイスにシカケがナケレバのハナシだがな!!」
「鑑定スキルは好きに使ってくれ。それで騙されたとしても――自己責任、だろ?」
その瞬間。
四人全員が無言で鑑定スキルを起動する。
真相看破、罠探査、罠撤去、物品鑑定、偽装消去、真実探求……。
無数の鑑定スキルが乱舞する。
「……じゃあ、俺六から十」
「……私、十一から十五にゃ」
「くっくっく。我輩は一から五ですな」
「ニジュウイチからニジュウゴだな!」
最後にエリオットが一つのダイスをつまみ上げた時――インターバルは終了のブザーが鳴る。
五人の運命は五つのダイスに託された。




