インターバル~まあ、そりゃそうだよね~
「とりあえず、共同戦線といかないかい?」
「くっくっく。そう言うと思っていましたよ『大当たり』」
「?? どういうことにゃ? 説明するにゃ!」
「フラグガタッタとイウコトだ!! 『愛猫家《ラバーキャット》』!!」
PC五人集まってーーエリオットが切り出したのは同盟の誘いである。
というか他の面子キャラが濃すぎて俺が俺が空気だ。
……まあ、顔見知りっぽいし。
ーー攻略組に匹敵する実力があるのにノヴァーリアに引きこもっているエリオットと顔見知り。
それはつまり攻略よりも優先する事象があったということ。
例えば己のスタイルを貫くことだったり。
ロールプレイ重視のプレイヤー。
海外では珍しくないと言うが、直接みるとインパクトあるな……。
「『勇者』の言った通りさ。ーーフラグが立った。この状況はそう見るべきだと思うねえ」
「……どういうことにゃ?」
「くっくっく。NPCとPCの人数比ということでしょうな」
モーリスはくるくるとステッキを回して会場を見渡す。
五人のPCと――三十人のNPC。
「我輩の記憶にある限りこのVIPルームでの賭で――PCよりNPCが多かったことなぞ無かったはずですな。くっくっく」
「……それがフラグにゃ?」
「コンカイはNPCドモがイママデとチガウウゴキをスルとミタホウがイイとイウコトだ!!」
「……」
すごくどうでも良いが。
なんでこいつらは称号で呼び合っているんだろうか?
俺の『幸運の星』はともかく他のは別にユニーク称号とかじゃなかったはずだが……。
単なるロールプレイなのか。
それとも何かの引っかけなのか。
「ついでにいえばロンリーアンドマジョリティという形式も初めて」
「いつもはロンリーロンリーにゃ!!」
「くっくっく。これもフラグということでしょうな。NPCのPCに対する反乱!! 実に心躍らせてくれる。くっくっく」
「……みなさん知り合って長いの?」
ぐりん。
四人の顔が俺の方に向く。
「いや、悪い詮索することじゃなかったな。失言だった――」
「――そうにゃ」
愛想笑いを張り付けて謝る俺の声をキティが遮った。
「トイッテモ、ネジロもスタイルもバラバラダガナ!!」
「くっくっく。ロールプレイヤーの集いという奴ですな。流石の慧眼。流石は『幸運の星』。くっくっく」
「まあ、隠すことじゃないからね」
「……ふうん」
俺以外全員知り合いの中での同盟か。
眉に唾付けといた方が良さそうである。
「だからって気にすることないにゃ。『騙し騙されは自己責任』『騙されても文句は言わない』のが私たちのルールにゃ。今まで何度も騙してきたし騙されてきたにゃ」
「くっくっく。顔見知りだからといって手加減する間柄では最早ありませんなあ」
「ムシロ、コイツラだからヨウシャしない!!」
「いや、気が合いすぎっしょ……」
まあ、それはさておき。
「……で、共同戦線ってどんな?」
四人がぎらりとエリオットを見た。
「騙し騙されは自己責任」、か。
ならば騙しあいはすでに始まっていると思うべきだろう。
「数字、かぶらないようにしようか」
エリオットはにっこり笑ってあっさりと言った。




