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すろら!!  作者: 的菜何華
四日目~不壊城編~
52/72

にゃんにゃんにゃん~痛いと萌えは紙一重~


「以上三十五人。この三十五人で第一ゲームを開始します」


白い仮面のディーラーが宣言するとともに背後の扉が音を立てて閉まり鍵をかけられた。

大口の賭け用のVIPルーム。

その中にいるのはディーラーをのぞけばNPCが三十人とプレイヤーが五人。

終盤戦ということもあって参加者は少ない。

そりゃゲーム終了間際のこの段階で子猫一匹を巡ってギャンブルしようって奴は多くない。


一人は全身を猫グッズで覆った少女。

当然のように頭上にはネコミミが光っている。

しなやかな黒髪と揃いの黒のネコミミには色とりどりの宝石が飾られている。


一人は白いシルクハットに白いスーツの男。

きらりと光るモノクル。十指全てを飾る指輪。

怪盗紳士を思わせる風貌でくるりと緑の石がはまった黒いステッキを回している。


一人は勇者。そうとしか言いようがない。

勇者の衣。勇者の靴。勇者の剣。――いわゆる勇者シリーズ。

そう言われるレア装備に身を包んだ剣士風の男。


三人とも間違いなく攻略組。


そして、俺とエリオット。三十人のNPC。


この中の一人だけが勝者となる――その運命の第一ゲーム。

白い仮面のディーラーは厳かに告げた。


「第一ゲームはロンリーアンドマジョリティ。勝ち残れるのは五名となります」


 * * * 


1.ゲームは十分間のインターバルと一分間のコールフェイズからなる。

インターバル開始からコールフェイズ終了までをターンをいう。


2.コールフェイズでは参加者は全員席に戻り備え付けのテンキーで1から35までの自然数を一つ入力する。


3.コールフェイズ終了時に同じ数字を選択したものがいなかったものを「ロンリー」と呼ぶ


4.コールフェイズ終了時に同じ数字を選択したものが一番多かったものを「マジョリティ」と呼ぶ。


5.ロンリーが五人以下ならばロンリーが勝ち抜け。


6.ロンリーが六人以上ならばマジョリティが勝ち抜け。


7.これを勝者が五人になるまで繰り返す。


8.ゲームはインターバルから始まる。


――ざっとルールをまとめるとそんな感じ。


淡々とルールを説明した仮面のディーラーは無機質な声で言う。


「それではこれより第一ターンインターバルを開始いたします」


そしてゲームの幕が開く。


 * * * 


「『幸運の星(ラッキースター)』マサムネ、『大当たり(ジャックポット)』エリオット、『怪盗(ファントムシーフ)』モーリス、『愛猫家(キャットラバー)』ラッキーキティ、『勇者(ブレイバー)』アーサー……称号持ちが揃うとそれなりに壮観だねえ」


エリオットはそう言って無精ひげの生えた顎をなでた。


「にゃんにゃんにゃん。ここが『大当たり(ジャックポット)』のホームだとしてもあたしは譲らないにゃん。すろら!!のにゃんこは全部あたしのものにゃん」


痛い語尾で答えるのはネコミミのキティ。

猫柄のスカートの下から猫しっぽが覗いている。


「くっくっく。先日の借りをお返しに来ましたよ『大当たり(ジャックポット)』。おそらくこれが最後の大一番。この勝利は我輩がいただきます。くっくっく」


ステッキをエリオットに突きつけるのはモーリス。

緑色の宝石がシャンデリアの光を反射して煌めいた。


「トラワレのヒメギミをタスケルのはワガシメイ!! ワガセイケンにカケテカノヒメギミはワタシがタスケル!!」


アーサーが不自然な発音とともに抜いた剣がモーリスのステッキと交差する。


「……一応うちのこなんだけど」


そんな感じで。

俺の呟きは誰にも届かず消えた。

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