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すろら!!  作者: 的菜何華
四日目
44/72

アーユーレディガイズ?~ウララでいいよもう~

「ちょ、おま、ま、はえーよ!!」

「ヒャッハー!! イヤッハー!!」

「スピードダウン! ダウン!」

「アーユーレディ? レッツパーリィ!!」

「話聞いてくれええええ!!」


そんな感じで。

マサムネ、ただ今空飛んでいます。


 * * * 


「にゃあむ」

「お帰りなさいませ!!」


すっかり板に付いたスライディング土下座である。

もう、お父様には頭が上がらない。


「にゃむ、にゃむ、にゃあむ」

「……そうですか」

「にゃあ、にゃあ、にゃ」

「……仕方がありませんね」

「にゃ」


……なんのこっちゃさっぱりわからない。

分かるのはずらりと並んだ日常系モンスターがじっと俺の事を見ているということだけだ。


「いいですか。心して聞きなさい」

「にゃあむ」

「……そのような寛大なお言葉このような者には――」

「にゃ」

「……差し出がましいことを。失礼いたしました」


おお、なんかお父様がフォローしてくれてるっぽい。

マジ頭あがんねーぜ。


「我々はどこにでもいます。ゼヘクまでの全てのフィールド・シティのどこにだっています」


相棒として。乗り物として。ペットとして。

町に、野に――文字通りどこにでも。


「その我々が全ネットワークを駆使して探索して――見つからなかった。どう言うことか分かりますか?」

「ノヴァーリアか、別の星にいる……」

「にゃ」

「その通り」


ノヴァーリアや他の星に満ちる悪しき電波は我々には毒です。

ミカヅキは淡々と言う。


「我々はそこにはいけない。――倶利伽羅様の名の下に命じます」

「にゃあむ」

「ただちに彼の地に降り立ちツクモ様を救出しなさい」

「「「「「にゃあ」」」」」


合唱のように揃えられた鳴き声の前に――俺はただ黙って頭を垂れた。


 * * * 


事は急を要する。のたのた歩かれてはたまったもんではない、と言うことで。

用意されたのがこのレッツパーリィさん。

プニルという馬型モンスターの適合者で、自称遅れてきた救世主ヴァイエルフォルト十三世である。

本名はウララである。……こっちの方がセンスいいじゃねえかと思うのは俺だけか?


とにかく、このウララが龍人ヶ原最速モンスターと言うことでお父様はおっしゃった。

「乗ってけ」と。


かくして、俺はこのスピード狂レッツパーリィの背中に乗ることになったのである。


「アーユーレディガイズ? ヤー! ハー!」

「……」

「ゴートゥーヘブン!! オーケィ?」

「……」


最早、無の境地である。

願うのは早くノヴァーリアに着かないかなということだけだった。


 * * * 


そこまで急いだのにも関わらず――着いたのはゼヘクだった。

別に間違えたとかじゃない。

セントラル号の売店で売っている魔法電子銃(マジカルビームガン)――これが一番コスパがいいと判断してのことだ。


このままノヴァーリアとか死ねる。マジ死ねる。

まずは装備を調えなくては。

しかし、金がない。マジ金がないというピンチである。

お財布(ノブナガ)がいないと素寒貧である。


「……といっても、何か依頼を受けてる余裕はないし」


どうしたもんかと空を見上げる。

ムカつくくらいに良い天気だった。


「……ノブナガに頼むか」


ああ、俺マジで格好悪い。

と、頭を抱えつつ連絡を取ろうと――した時。

向こうからメッセが来た。


「……おお?」


まとめると内容は金を渡すからのの字屋まで来いとのこと。

目印として紅龍の瞳を渡せば百万ほど融通すると。


「……おお」


怪しい。

あの守銭奴(ノブナガ)が百万もただでくれると――怪しすぎる。


「……なにを企んでる?、と」


返信はすぐに来た。

曰く、「第六ボス倒したからそのドロップ品の分け前」

曰く、「つーか、百万ごときの端金でぐちゃぐちゃ言うなやボケ」


「……おおう」


倒したのか、第六ボス。

というか百万端金かあ……お財布(ノブナガ)スゲー。

ま、そういうことなら。

行くか、のの字屋。


 * * * 


前言撤回。

百万ごとき端金でした。

すぐ無くなっちゃったぜ、マジで。

ちょっとカスタムパーツ買ったら無くなる無くなる。

まあ、カスタム始めると見境無くなるというSEの性質のせいもあるけど。


「とはいえカスタムしないわけにもいかねえんだよなあ……」


そのままでは未電脳化のデメリットを相殺しきれない。

とにかく発動速度を上げないと戦闘開始と同時にジ・エンドだ。

その他、防御力をちょこちょこ上げてMP上限をちまちま上げる。

もう回避は捨てた。

障壁(シールド)とあわせれば結構止めるし大丈夫だろう。


「……問題は攻撃力か」


魔法電子銃(マジカルビームガン)の威力は魔法攻撃力依存なのでそこそこどうにかなる――はず。

まあ、俺の魔法攻撃力なんかツクモより低いが。

物理よりましではある、が。

――それでも。


「……着いたか」


セントラル号が止まる。

ドアの向こうはノヴァーリア。

無慈悲で無情なサイバーパンク世界である――!

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