ぼすっといっちゃう~え、マジで?~
「羽の理由ですか? ああ、無いと落ちるんですよ」
なんで何でもかんでも羽がついているのか?
その謎の答えはテキトーに入ったアイテムショップの兄ちゃんが教えてくれた。
ちなみに鷹みたいなカッコいい羽の金髪の兄ちゃんだ。
「ここ、下界と違って地面雲じゃないですか。だからこう……時々ぼすっといっちゃう事があるんですよね」
「おっかな!!」
「氷の上を歩いてるようなものか……」
「イメージと違うっす!!」
「まあ、滅多にありませんけど――落ちるときは家丸ごと落ちたりしますから。そこで重要になってくるのが――この羽です!!」
兄ちゃんがさっと掲げて見せたのは――羽。
背中に当たる方は機械仕掛けになっていてメタリックな輝きがのぞいている。
「このタイプでしたら手術も何もなく手軽に飛べますし、お値段も金貨五枚とお手軽です!! カラーバリエーションも豊富ですし!」
「「「「買います」」」」
即決である。
ぼすっといっちゃうとかなにそれ怖すぎるんですけど!!
和んでる場合じゃなかった!!
激ヤバじゃねえか!!
「まあ、緊急用のパラシュートみたいなものだと思ってもらえれば。そこのスイッチ押せばオートで飛べますんで」
「あ、ミュミュ用のってあります?」
「それでしたらこの落下を自動感知するタイプがオススメですね」
「それも買います。おーいツクモ」
「みゃ!」
ぴょんと地面に降り立つツクモ。
「はねーはねー、かっこいいのー」って感じにしっぽを揺らしてご機嫌に二三歩歩いて――
ぽす。
「みゃああああああああああああん!?」
え?
は?
え?
「え、……と」
「は……?」
え、あれ、マジで?
マジですか、ツクモさん?
「落ち、ちゃった……?」
「そ、そうみたいですね……」
はははと兄ちゃんの乾いた笑いが空しく響いた。




