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すろら!!  作者: 的菜何華
四日目
33/72

パワーレべリング~なんかフラグっぽいけど回収されるかは微妙~

「まあ、クエストをクリアしたんは良いんやけど……正直このままではアカンと思うねん」


無事レーヴェ社のコロニーにウロボロス正規船五隻を引き渡し――ノブナガが重い顔で呟いた。


「ああ……正直ステータス不足が深刻だな」


ドーザンも重々しく呟く。


「特にマサムネ先輩っすよね……」


セイメイも沈鬱な顔で呟く。


「「「まさか、木の実を全部ツクモに与えていたとは……」」」


見事なハモリだったが男の声がハモっても嬉しくない。

というか。


「全部じゃねえし」

「じゃあ、何対何や?」

「……ろ、六対四?」

「そうかそうか~。…………で、ホンマは?」

「八対二です」


どごん。

ぐしゃ。

べしゃ。

……みんな、ツッコミが激しすぎじゃないか?


「とりあえず、地面なめときや?」

「……はい」


そんなこんなで。

とりあえず本星に戻ることになった。


 * * * 


「いやいや違うんだよ。ミュミュのステータスをアップする為には通常より多くの木の実が必要になるんだよ」

「やったらよけい自分にまわさんかい!!」

「それじゃツクモがかわいそうだろ!!」


何はともあれ。

戻ってきましたゼヘク「のの字屋」。

絶賛アイテム収集中であった。


とはいえ、ゼヘクあたりのプレイヤーからの提供となるとこの先のエリアで通じるような大した物がない。

使える物は木の実ぐらいということで――


「マサムネ、口開けい」

「……へい」


ドバドバドバ。

ごくごくごく。


「よーし、次や」

「……へーい」


いわゆる一つの――パワーレベリングであった。


 * * * 


「みぃ……」

「ツクモちゃん、大丈夫っすか?」


それはそれとして最早戦力の一角となったツクモを強化しようということでツクモも木の実を食べた。

結果としてバタンキューである。それでも大分耐性ついてきたんだが……。


「みぃ……みぃ……」

「いたいのいたいのとんでけ~っす。……もう、マサムネ先輩じゃなくて俺のとこ来ないっすか?」

「みぃっ!」

「ぎゃ!!」


かぷりとツクモの小さな口がセイメイの手を噛んでいた。

ぷいっと顔を背けてよたよたと立ち上がり俺のとこへ来る。


「みぃ~……」


俺の背にもたれて安心したように横になるツクモ。

うん。セイメイには渡せないな。うちの子うちの子。


「ミュミュは忠誠心高いんだよ。横取りはムリだぜ」

「む~、俺ももふもふした相棒が欲しいっす。可愛いの欲しいっす」

「自分でテイムして来いよ」


とは言ったものの。

荒野系戦闘員(フィールドファイター)であるセイメイは日常系モンスターからの魅力(カリスマ)がかなり低い。

かなり厳しい結果になるだろう。


「え~ん。マサムネ先輩がいじめるっす!!」

「みぃっ!!」

「ツクモちゃんがにらんでくるっす……」

「……」


男の泣き真似とか、マジうぜえ。

もう無視してやれ。ツクモ。


「……二人ともどうしてるかなあ」

「……上手くやってんじゃないっすか? ノブナガ先輩とドーザン先輩っすよ?」

「……だなあ」


ノブナガ。

ドーザン。

うん。まあ。あれだ。

心配ないよなあ。


 * * * 


かつり。かつり。

昼でも薄暗いノヴァーリア危険地帯(レッドタウン)の裏路地。


ざりざり。ざりざり。

響くは地面と刃がこすれる音。


きききき。きききき。

サイバーアームの駆動音が幽かになって――。


その男は刃を振り上げる。


ドルルルルルルルッッッッッ!!

ギャギャギャギャギャギャッッッッッ!!


吠え声を上げるのは――断罪の鋸歯(ギルティソウ)

()は――呟く。


「さあ、裁かれたいのは――どいつだ?」


 * * * 


「――って感じじゃね?」

「想像かよ!!」

「みぃっ!!」


セイメイが後輩口調も忘れてツッコんだ。

ツクモも短い前足でてしっとツッコんだ。


ああ、ツッコむツクモも可愛い。

ツクモにならいくらでもツッコまれても良いかも……はふう。


それはさておき。


ドーザンはノヴァーリアへ戻った。

ノヴァーリアこそ市街戦闘員(シティファイター)の戦場。

うごめく闇はどこまでも深く――マフィアとギャングが火花を散らす。


レッドエリアの闇の中に潜む悪を討ち――お宝(レアアイテム)をゲットするべくドーザンは単身ノヴァーリアへと戻ったのだ。


あと、鮮血の剣(ブラッドカッター)がどうしても欲しいらしい。

『ブラッドカッタアアアアアアアアア!!』って叫んでました。

……マシロちゃんに悪影響が無いと良いんだが。


「……やっぱついてった方が良かったかなあ」

「んー、大丈夫じゃないすっかね? マシロちゃんがいるし」

「みぃっ!!」


あの子なら大丈夫!とツクモが一声鳴いた。

確かに、大火力重装甲のドーザンと回復役のマシロちゃんの相性はいい。


「なら、大丈夫か……」

「大丈夫っすよ」

「みゃ」


そんな。

なんか実にフラグっぽいことを――俺ら三人は思った。

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