種明かし~ツクモ大活躍の巻~
「……こちらの負けですわね」
地に落ちた首を拾い上げ元に戻しながら半透明な少女は言う。
胴体と頭の接合部分を狙ったクリティカルヒット。
……うん、上手くいって良かった。
「よしよし。もう出てきていいぞ」
もう一人の俺――ふわふわと漂っていた方は着地。
ざざっと砂嵐のようなノイズが走り――幻影が解ける。
外付け式のサイバーアームにジャンクパーツを付け足して作った即席の人型ユニットだ。
「みにゃあ……」
人型ユニットの操縦席(!)からよじよじと這いだしてきたのは我が相棒ツクモ。
注目がこそばゆいのかしきりと顔を洗っている。
「……っ!?」
黒服達に――驚愕が走る。
それもまた――計算通り。
* * *
突入前の作戦会議。
「ドーザンには囮になってもらう」
ノブナガは真面目な顔でそう言った。
「防御ガン上げしたドーザンなら一撃で沈むってことはないやろ。思いっきし騒いで注意引きつけい」
「了解」
「セイメイはドーザンが挟撃くらったらフォローに行きい」
「了解っす」
「ウチは適当なタイミングで真正面から正々堂々入っていく。――その隙にマサムネが一撃や」
そこまで言って――ノブナガはそれを見る。
ドーザンの外付けサイバーアームにジャンクパーツをくっつけて人の形っぽくしたもの。
操るのは――黒い子猫。
「みゃあ♪」
上機嫌のツクモのしっぽが揺れた。
* * *
結局の所。
まともに撃ち合ったら相手の方が強い。
こちらの発動速度はその辺のチンピラと比べても遅いのだ。
ならば。
不意打ちしかない。
囮としてドーザンに扉ぶち破らせた後――迷彩系スキルで身を隠した俺が室内に侵入。
そのまま壁沿いに少女の背後をとる。
例のジャンクパーツの塊には重量軽減をかけてツクモに屋根の上まで運ばせる。
コイツには俺に見えるよう幻影をはっつけ――わざと緩くした迷彩をかける。
あと、レコーダーをセットしてスイッチ一つで俺の声が再生できるようにしておいて準備完了。
あとはジャンクを俺だと思って攻撃してきた所を――俺がクリティカル狙いで一撃。
この一撃で沈まなかったら……かなりヤバかった。
* * *
「……これほどの資産がありながら」
「ツクモは資産じゃねえ。相棒だ」
「みにゃあ!」
どうだ、まいったかと胸をはるツクモ。可愛い。
まあ。
そこも狙った。
ノヴァーリアではミュミュは高級品だ。
適合者とならばなおさら。
最低でも五億スタート。
あんなボロい船買ってた奴がこんなもの持ってるなんて思いもしないだろう。
ましてや囮に使うなど。
……龍人ヶ原行けばうじゃうじゃいるんだがな。
「……実力は申し分無いようですね」
「合格かい?」
「ええ、良いでしょう。こちらもそこまで贅沢言える身分でもありませんし」
とりあえずはこれで。
半透明の少女はそう言って礼をした。




