実はノブナガは高知出身~ごちゃまぜ世界観~
連日修羅場。
「hospital」制作現場にはその言葉がよく似合う。
なにせ人手がどんどん減っていくのだ。
もう、自分の専門がどうとか分担がどうとか言ってられない。
手があいてる奴がやるしかない。
ソースコードを見たことすら無かったセイメイやリョーマが最終的にはガンガンコード書き出すとかフツーだった。
そんな中。
ノブナガが得意としたのが対外交渉だった。
あのわざとらしい大阪弁で煙に巻く煙に巻く。
最終的な「hospital」の諸権利の取りまとめもアイツがやったはず。
そしてその弁舌はゲーム内でも有効である。
* * *
「――『すろら!!』が終わる前にエンディング見たない?って掲示板に書き込んだんや」
「その結果がこのアイテムの山か……」
元々ノブナガのプレイスタイルは市街非戦闘員。
NPCからのアイテム供与にボーナスが入る。
加えて――
「凄まじいな。『交易商人』」
「伊達にやりこんでおらんよ」
「称号スキルえげつなー……」
称号「交易商人」。
三つ以上のエリアで店を構えた者に贈られる称号である。
効果は自分の持ち店とのアイテムのやりとり。
これを活かして自分の店に寄付させたアイテムを取り寄せまくったらしい。
……お前はどこまで関西弁を極めるんだ!?
お前高知出身だろ!? じゃけえって言えよ!?
そんな東京人のさもしい思いこみはさておき。
「ミスリルブレードにミスリルプレート……これはドーザン向けやね」
「いや、俺はこっちのスマートアックスが良い」
「斧系が良いならこの致命の大斧の方が良くないっすか? クリティカル率アップっすよ」
「クリティカルなんぞハナから狙わん。男なら、火力」
「すんませんっした!!」
――アイテムの配分ほど悩ましいものは無い。
* * *
「とりあえず投擲武器系はセイメイが全部持ってってええよ」
「うっす。……重さ考えるとクナイ系がコスパ良いっすね」
「木の実は回避系はセイメイとして……」
「物攻と物防が欲しい。最優先は物攻だが」
「ドーザンはそうやね……とすると防御は装備で上げるんが吉か」
「魔命と魔攻はノブナガと俺で折半だろ?」
「んー。マサムネこの天使の杖装備できる?」
「ステータス足りねえな……お、八ミリカメラあんじゃん。ツクモの成長期を撮ろう。そして映画館で拝観料取る」
「なら俺はこのキラメキ眼鏡と不思議の絵巻を貰う」
「……ネタの前に装備見直しいよ」
わいわい、がやがや。
ここはゼヘクのノブナガの持ち店「のの字屋 ゼヘク店」。
町並から浮きまくった越後屋感漂う和風建築だ。
リセットかかるだろうしどうせなら……と皆さんがお寄せくださったアイテムの配分中です、はい。
ちらっと掲示板見た感じでは他にもラスボス狙いのパーティーはいるようだが……ノブナガの弁舌が勝った。
ぶっちゃけ俺らが最後尾なんだがな。
他は攻略組パーティーばっか。もう先頭は第六エリアに入ってるらしいし。
「――こんなもんやろ。後はツクモちゃんをどうするかやね……」
この中では一番弱いのがツクモ。回復防御の手数が増えるのはメリットだが――逆に防御の手が取られることにもなりかねない。
ツクモにもそれなりに回避能力はあるのだが……あくまでも、それなり。
「みゃうん……」
ツクモは。
耳をぺたんとさせてうるうるとノブナガを見上げる。
置いてかないでというように。
「連れてこか」
即決だった。
あれ? 意外とちょろいんですね。ノブナガさん?
「回復役が一人増えるんは大きい。的も散らせるし」
いや、ノブナガはノブナガだった。
さすがの第六天魔王。
「ただ、戦闘以外では出さんほうがええね」
「なんでだよ?」
「次のエリア――ノヴァーリアではミュミュめっちゃ高値らしいねん」
「サイバーパンク世界……でしたっけ」
サイバーパンク世界――ノヴァーリア。
そこでは雑魚すらサイバネ化した魔境であるという。
生身の生物――人間も含む――はとても貴重であるのだとか。
「つーか、スチームパンクときてサイバーパンクか。らしいっちゃらしいな」
「その次がスペースオペラ世界らしいで」
「あーリョーマ先輩そういう人でしたよね。ごっちゃまぜか純粋かの二択」
「『錬金術で何でも解決できるとおもうなあ!!』『通信手段をオリジナル生物にするぐらいの芸を見せろ!!』」
「似てるっす!」
どっと笑って。
荷物をまとめる。
「――ほな、行こか」
「了解」
「オッケっす!」
「ああ、行こう」
目指すはサイバーパンク世界ノヴァーリアへの玄関口――ゼヘクセントラル駅である。
でんでんはアレです。
リョーマはでんでんファン。
……………ってこの書き方で大丈夫か? ドキドキ。
この小説はフィクションです!!実在の人物・団体とは関係ありません!!(平伏
8/9でんでん周り修正いたしました




