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女王が薔薇をすっかり植え替えるまで

※※※※



 赤、赤、赤、赤、赤、

 ――――――――ええ、なぜかといいますとですね、おじょうさん、ここにあるのは、ほんとは赤いバラの木のはずだったんですがね、あっしらがまちがえて白いのをうえちまったんですわ。それを女王さまがめっけたら、みーんなくびをちょん切られちまいますからね。


 赤赤、赤、赤、赤、赤、赤赤赤赤赤、赤、赤、赤……


 うふふ、きゃはは、うきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃあーはっはっはっはっは……


 ――――――その首をちょん切っておしまい !


「そうね、そうするべきだわ。だって、孤独と退屈はヒトを殺せるのだって言うでしょう ? ただ望まれる働きのできない兵士はいらないわ。いいえ、貴方たちは薔薇ね。その地面の養分を吸って咲く薔薇よ。ねぇ、私が欲しいのは赤い薔薇で、白じゃないのよ。わかる?女王様は、このFってお庭に赤い薔薇が欲しかったのに、白い薔薇が咲いてたの。この失望感!わかる?…うふふ、そう、あなたいらない子なのよ。貴方を捨てて私は赤い薔薇を植えるわ。枯れた貴方を養分にして、真っ赤な薔薇を咲かせるの。私の薔薇よ、あなたの…おじい様の、白い、白い、純白の薔薇じゃない。血の通った赤い花。貴方より大きな花。私なら咲かせるわ、ね、そうでしょう?そうでしょう?」


「アリス、アリス、許しておくれ。私はお前を愛しているよ、お前の欲しいものを私があげよう。お前が望むものを私は用意しよう。与えよう。私のアリス、愛しているよ。お前のために、お前のために私は…」


「あらおじい様、わたしが欲しいのは貴方じゃご用意できないわ。だって、だって、わたしは貴方から貰ったものなんて、この命以外は欲しくないもの。わたし、欲しいものがどんなに高いところにあったとしても、自分で取ってくれるくらいには大きくなったのよ ? 知らないでしょう ? ねぇ知らないでしょう ? ああ、なんて浅はかで馬鹿な人。貴方の部下は言われたことしかできないくせに、野心ばかりがあってつまらない薔薇だったわ・・・・。…ああ、馬鹿なおじい様。アリスはアリスの国を創りますわ」


「アリス!おいアリス!許さんぞ!そのようなことは…っ ! 」


「あらうるさい薔薇ね…そうだ、そこの首切り女王様?この下賤な野草を刈り取って、わたしのお部屋の花瓶に飾らせていただけないでしょうか ? 」


「あらよろしいですわね。いいでしょう。わたくし、アリスのためならこの汚い野草を、この赤い水で綺麗に洗って差し上げますわ」


「あら、なんて素敵」












 うふふ、きゃはは、うきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃあーはっはっはっはっは……










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