第五話 葛藤
僕は、トワノさんに呼び出された。約束した場所に着くと、そこは昔エリナと子供の頃に怪我した山だ。
何でそんな所に呼び出されたんだ?
そう思いながら、トワノさんの所へ向かう
トワノ「よく来たね、待ってたよ」
健「急にどうしたんですかね」
トワノ「彼女を解放してやってくれ」
健「えっ」
トワノ「頼む、彼女を解放してやってくれ、頼む・・・頼む」
トワノさんは、ずっとそう言いながら涙を流した。
健「トワノさん、でも別れさせる理由聞いてもいいですか?」
トワノ「がんが転移していろんな所に負荷がかかっていて、もう限界みたいで余命も一年だったのが8ヶ月に・・・・」
トワノ「抗がん剤はどうだと言っても・・・・・、拒否するし」
トワノ「エリナはどうしたいんだ、俺にはよくわからないよ・・・・」
健「トワノさん、その件僕に任せてもらえませんか?」
健には、何か策があるらしく次の日学校終わってエリナの見舞いを言ったとき
健「エリナ話があるんだけど」
エリナ「何?」
健「抗がん剤治療する気はないか?」
エリナは手が止まった
エリナ「本気で言ってんの」
健「あぁ、君が生き残るのが最優先だけどね」
エリナ「この君が大好きな銀のような髪ともおさらばだけどいいんだね?」
健「いつそう言ったよ」
エリナ「冗談、わかった受けるよ抗がん剤治療」
そして、エリナは抗がん剤治療を始めた。
日に日に綺麗な髪がどんどん抜けていき、気づけば髪はなくなってしまった。
顔色も悪く話すのも辛そうだ。
エリナ「見舞い・・・来てくれたんゴホゴホッ」
健「大丈夫か!?」
エリナ「大丈夫に見える?」
エリナ「どうして私なの・・・」
エリナ「どうして私だけこんな目に遭わなきゃいけないの」
エリナは泣き始めた
エリナ「がんが転移して今度子宮、リンパに、何でなの!?」
健「エリナ、僕が付いているから心配はいらないよ」
エリナ「心配だよ!!健は病気がないから・・・・」
健「僕は記憶がないからね、子供の頃に君と遊んだ記憶がないんだ。嫌だよ・・・君との遊んだ大切な記憶がないなんて・・・」
健も泣いた
そしてエリナは健を優しく抱く
エリナ「大丈夫だよ・・・、今から作って行けばいい」
ううぅぅぅ
健はすごい泣いた、久しぶりに泣いた。
面会時間が終わり帰ろうとした時、トワノさんに会った。
トワノ「説得してくれてありがとう」
トワノ「君には感謝しかない、これなら転移や進行を止められそうだと先生が」
健「なら、よかった」
そう言いながら健はうちに帰って行った
僕はこの選択でよかったのだろうか?僕は葛藤していた。
そして、季節は春から夏へ変わろうとしていた。




