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異世界恋愛書きが「迎賓館 赤坂離宮」に行ってみた件

作者: 琥珀

 琥珀と申します。

 金髪縦ロールの公爵令嬢カタリナが「王立歌劇場で大発生☆した密室?毒殺事件」やら「色々あかん男爵が、頭ぱっくり割られて死んでた事件」なんぞを、高笑いしながら力技で解決していく異世界恋愛ミステリを「なろう」のすみっこで投稿させていただいております。

 他にも、超絶美形だけどちょいぽんこつな「王太子アルフォンスが雑な扱いを受ける」シリーズなど、基本、異世界恋愛系ばかり書いているのですが──


 書けば書くほど、「宮殿とか行ったことないので、雑なイメージだけで書いちゃってる問題」というのが否めなく……

 さらっと、ステキ情景描写入れたりしたいんですがねええええ。

 映画やら紀行番組なんかの記憶を元に、脳みそ絞り出そうとしても、なかなかなかなか難しい。


 もともと、歴史的建造物を見るのが好きで、「明治村」とか、東京近辺の洋館(旧前田家本邸[駒場]・旧岩崎邸庭園[上野]・旧古河庭園[駒込]・アールデコ風の庭園美術館[目黒])あたりは行ったことがあるのですが、このへんって家族と暮らす私邸なので、舞踏室とかそういうのはないんですよね。

 そもそも、たくさんの人が住み込みで働くような規模ではないので、スケール感が根本的に違うのです。


 やはり、ここは一回、ヴェルサイユ宮殿なりバッキンガム宮殿なり見に行くべきなのか? いうて、そんな長期休みなかなか取れないし、円安にサーチャージ高騰がアレすぎてあばばばばばば……と、ずっと心にかかっていたのですが。


 よく考えたら、国内に一箇所だけ、ネオ・バロック様式による宮殿建築があるのです。


挿絵(By みてみん)

※筆者撮影


 国宝 迎賓館赤坂離宮様ーーー!!!


 というわけで、2025年2月に行ってきたのですが、レポるのを完全に忘れてたので、半年以上経ってからご紹介!エッセイ!なのです。




 て、そもそもどういうところかと言いますと……


<歴史>

・1899年:大正天皇のご成婚に向けて東宮御所として建設

 ジョサイア・コンドルの弟子、片山東熊の指揮のもと、国の総力上げて建設

 全体はネオ・バロック様式

 〜関東大震災とか戦争負けましたとか色々発生〜

・1974年:6年かけて改修し、迎賓館に

・2009年:国宝指定

・2016年:通年一般公開を開始


 いやー、私、昔、京都の「修学院離宮」に行ったことあるんですが、予約とるのマジめんどかったので、そっち系の建物は、見学できても予約めんどいんやろ??ってずっと思い込んでいたんですよ。

 10年前から一般公開しとったんかいーー!ってなりました。

 和風別館とかは事前予約制なんですが、本館&庭園はへろっと行ったらへろっと見られるのです。

 国賓来てて、迎賓館を使う時の前後は見学できないので、事前に公式サイト要チェックですが。


 そんで、見学のためのアレコレは…


<基本情報>

・最寄り駅はJR四ツ谷駅(公式は徒歩7分…って言ってるけど、大きい道路渡るので、10分くらいみといた方がいいかもです)

 地方勢の方は、四ツ谷駅?どこ?ってなるかもですが、東京駅と新宿駅の中間なので、東京のど真ん中。

 東京駅から中央線で9分なので、新幹線降りる→中央線に乗り換える→四ツ谷駅の赤坂口から徒歩…と考えると、最速30分ちょい、まぁ1時間はかからないかと思います。

 ちなみに、↑の写真の正門からじゃなくて、西門から入るのでご注意!

 私は思いっきり間違えました……

 まぁでも、一回正面から見ると、スケール感把握しやすいので、それから入館するのも良い気もします。

・参観料:大人1500円

・定休日:毎週水曜。

 今(2025.10.12)、見てみたら、10月下旬に未定マークがずらずらっと。

 トランプさん来るんで、もしかしたら使うかも?てことなんですかね。

 11月は、通常営業って感じです。

・開館時間:10:00〜17:00(最終受付16:00)

・所要時間:1時間〜1時間30分程度(公式サイトの想定)

・手荷物検査あり[飛行機乗る時みたいな感じ。飲みかけのペットボトルは飲んで見せる系だったっけ…もう忘れてる]


 建物だけで大人1500円!? 高ッ!?て思った方。

 判型小さめですが、36ページの美麗お写真&解説つきパンフレットがもらえるので、実質500円かな??て感じです。

 ちなみに、敷地内のショップでは、解説多め版ガイドブックと写真大盛り版ガイドブックを1500円で売っておりました。

 私は解説多め版を買ったのですが、写真大盛り版も買えばよかった…


<注意事項>

・建物内部は撮影禁止

 撮影アリなら、みんな撮るのに夢中になって、2時間3時間当たり前になっちゃいますからね…

・建物内は飲食NG

 寄木細工の床とか、超最高級絨毯とかあるのでででで……

 庭では飲み物OKなので、建物に入る前に水分補給しときましょう

 お手洗いも建物に入る手前にあったはず

・敷地内全面禁煙

 四ツ谷駅から西門へ向かう道を、もうちょっと行ったところにある「みなみもと町公園」内に喫煙所がございますのでそちらで…


 というわけで、撮影禁止なので、写真は外から撮った↑くらいしかなく。

 具体的な見どころは適宜、公式サイトをご確認いただくとして、いやー、ほんと行ってよかったです。


 なにが良かったかというと……


1)ずがーんと吹き抜け!な正面玄関・大ホール!!!

 公式サイトの写真もパンフレットの写真も、スケール感うまく出せてないというか、写真じゃこういう空間の凄さを伝えるのは無理なのかも??なのですが、超ゴージャスなんですよ。

 吹き抜けなので、めちゃめちゃ広くて天井高くて、シャンデリアとか壁灯とかキラキラ……キラキラ……!

 紫っぽい模様が綺麗なイタリア産大理石の円柱あるんですが、ものっそ存在感あるし。

 でかいいいいい!とか、情報量多すぎて脳が灼かれるうううう!という感覚は、写真や映像とかではなかなかわからんので、ここを見れただけでもほんと良かったです。

 ま、それが自分の作品に反映されたかと言えば、あんまされてないですが\(^o^)/


2)ルネサンス・ロココ末期?・古典主義・アンピール+ムーリッシュと多様な様式が見られる!


 ◆朝日の間(要人の表敬訪問に使用)

  ルイ16世様式

  ロココ(曲線多用のコテコテフェミニン。いわゆる『ベルばら』世界観)だけど、終わり際なので、すっきり典雅な感じ


 ◆彩鸞の間(首相の首脳会談などに使用)

  アンピール様式(帝政様式とも)

  ナポレオン関係のモチーフ多くて、ギラギラ感強め


 ◆花鳥の間(晩餐会)

  アンリ2世(16世紀なかば/ルネサンス後期)様式

  ここだけ床&壁が板張りで、めっちゃ重厚な感じ


 ◆羽衣の間(舞踏室)

  古典主義様式(ギリシャ回帰とか流行ってたので、すっきり)

  フランス直輸入の800kgのシャンデリアが3つ、どーん!どーん!どーん!とぶら下がっとります


 ◆東の間(かつては喫煙室。現在は控室)

  ムーリッシュ様式(こってこてのアラベスク文様)

  イスラム教のムーア文化がスペインに入って、エキゾチックで素敵やん〜と他の国でも流行ったやつ


 どの部屋も、浮き彫りに金箔貼ったやつとか、彫刻とかなんやらかんやらめちゃくちゃゴージャスなしつらえ&鬼高い天井には美麗天井画どーん!でございました。

 あと、暖炉でかい。

 自分の中のイメージの3倍くらい大きかったです。

 そんで色大理石にきんきら装飾も施されていますので、これまた超ゴージャス!


 個人的に印象に残ったのは、やっぱり舞踏室の「羽衣の間」。

 みんな大好き婚約破棄☆とか、舞台が王宮なら、普通は舞踏会でやるやつですしね!

 こちらのお部屋は300平方メートル。

 ChatGPT先生に聞いたら、面積としては、バレーボールのコート2面分、テニスコートよりちょい広いくらいだけど、天井高かなりあるので、小学校の体育館の半分くらいというのがイメージしやすいんちゃうか言うてました。

 ちなみに、ヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」が70m*10mで、700平方メートル。

 半分よりちょい狭いくらい、といったところでしょうか。

 元が東宮御所だし、ままま、本場の大宮殿より小さめなのは仕方ない。


 そんでこの舞踏室、突き当りの壁?が上下に分割されてて、上半分・下半分が違う空間になってるんです。

 赤坂離宮、廊下も天井がめちゃくちゃ高いので、感覚バグってよくわからんかったですが、どの部屋も2階分以上、吹き抜けになってるくらいの感じなので、下の空間も上の空間も、一般的な居室より高さあるかも?なんですが。

 そんで、上の部分に楽団が入って、ワルツやらなにやら演奏するものなんだそうです。

 以前、イギリスの社交場の舞踏室の絵を見たら、部屋の中にバルコニーがあり、そこで楽団が演奏していてびっくりしたのですが、やっぱり上に演奏するところを作るんだ…ってなりました。

 ちなみに、現在は舞踏会はしないので、晩餐会前に食前酒を振る舞う場として使われたり、演奏会をしたりするそうです。

 ちょっともったいない気もしますが、皇族方はとにかく、政治家でさらっと社交ダンス踊れそうな人は、なかなかいないでしょうし、しゃーないですね。




 異世界恋愛は、だいたい19世紀っぽい雰囲気の作品が多いと思うのですが、国によって、やたら武張った国とか、文化が発達した国とか色々あるわけで、複数の国が出てくる作品なら、宮殿の内装の違いで描くというのもアリかな……と思いました。

 その意味で、異なる様式で作られた空間を一気に5つも体験できるって、お得すぎ!


 というわけで、ようやくお出かけしやすい季節になりましたし、書き書きされている方も、読み専の方もぜひぜひ!おすすめでございます!

 読むにしても、書くにしても、解像度が色々と一気に上ると思います。


 四ツ谷駅から行くと、敷地の手前にカフェ(迎賓館赤坂離宮前休憩所)があるのですが、席数そんなにないので、空いてるかどうかは運次第。

 異世界恋愛系のオフ会とかなら、別途どこか予約された方がよいかも…

 四ツ谷駅まで行けば色々ありますし、ご予算に余裕があれば、ホテルニューオータニも近いので、ついでに華麗にお茶をキメるのもよろしいかもかもです!


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― 新着の感想 ―
赤坂離宮いいですよね。 私も平成が終わるタイミングのときに行きました。 天井画から床の絨毯にかけて絵が連動してて、物語性のある造りに感動した覚えがあります。(天井画に描かれた花の花びらが床の絨毯に描か…
明治期の洋風建築には趣があって良いですよね。 赤坂離宮、西洋風の異世界恋愛は勿論ですが明治大正期の日本の華族をテーマに何か書くときにもイメージを膨らますのに良さそうです。
 いいところですよね迎賓館。  噴水の周りで休憩していると周りビルだらけで凄い違和感がありましたがw  あの時代、これだけのものを作って諸外国の技術と文化を取り入れようと必死だったんだなあと感慨にふけ…
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