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奇跡の胎動  作者: めい
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2-3


白石真理子は、島での異例の妊娠と自身の体調の変化に戸惑いながらも、専門家の助けを求めるべく東京の大学病院で遺伝子研究をしている小島医師に連絡を取った。


ある夕暮れ、画面越しに初めて顔を合わせた二人。

小島は落ち着いた口調で話を切り出した。


「白石先生、まずは詳細を教えてください。島で起きている妊娠例は、性交渉の経験がない方ということですか?」


白石は頷きながら答えた。

「はい。患者さん本人が強くそう主張しています。検査結果も確かなものです。私自身も妊娠していることが分かりましたが、全く身に覚えがありません」


小島は驚きを隠せない様子で、眉をひそめた。

「通常、妊娠には受精が必要です。性交渉がない場合、自然妊娠は理論上考えにくい。ですが、検査結果が確かなら、何か新しい生物学的な現象が起きている可能性があります。」


白石は少し声を震わせながらも言った。

「島だけでこの現象が起きていることに、何か環境的な要因も関係しているのではないかと疑っています」


小島は静かに頷き、メモを取りながら答えた。

「環境要因、遺伝子の突然変異、未知のウイルスや化学物質の影響…検査と調査を徹底する必要がありますね」


「私もできる限りの協力をします。自分の身体も含めて、詳しい検査を受けるつもりです」


小島は画面越しに力強く頷いた。

「共にこの謎を解明しましょう。白石先生、一人で抱え込まずに連絡をください」


白石は初めて誰かと心から共有できることに安堵し、静かに微笑んだ。



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