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奇跡の胎動  作者: めい
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初めての投稿です

よろしくお願いいたします


妊娠、出産、流産などの話が含まれています。

読む際はご注意ください。



 自分の中に、もう一つの鼓動がある――。

 そのことを瑞希は、診察室の薄暗い光の中で知った。


 「妊娠しています」

 医師の口から放たれたその言葉は、乾いた空気の中で重く沈み、瑞希の耳を鈍く打った。


 頭の奥で、理性が否定を繰り返す。

 ありえない。

 私は……そんなこと、していない。


 椅子の背にもたれたまま、呼吸が浅くなる。医師はカルテを閉じ、同情とも困惑ともつかない目で瑞希を見つめていた。

 「間違いじゃないんですか」

 やっとの思いで口を開くと、医師は静かに首を振った。

 「血液検査も超音波も、すべて一致しています」


 その瞬間、窓の外で海鳥が甲高く鳴いた。

 瑞希は目を閉じた――。

 なぜ、こんなことが起こるのか。

 この鼓動の正体は、何なのか。



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