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【完結済】モブの俺。クラスで1番のビッチギャルに告白される。警戒されても勝手にフォーリンラブでチョロい(挿絵ありVer)  作者: 白井 緒望


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第65話 そんな彼女のパパのきもち。

 「え?」


 どうしてそうなる?

 意味がわからないよ。


 「もう一度いうよ。一歌と別れなさい」


 「……イヤです」


 そんなこと考えられない。

 一歌パパ(片瀬さん)の命令でも、それは無理だ。


 「り、理由を聞かせてください」


 片瀬さんは乗り出した。


 「理由があれば別れるのかい?」

 

 「いや、別れないです。別れるとしたら、一歌さんがそう希望した場合だけです」


 「もし、君の両親や親戚が反対したら?」


 「別れません。できるだけ、理解をしてもらう努力をします」


 「じゃあ……、ってオイオイ。泣かないでくれよ」


 俺は泣いてしまった。

 涙の理由は自分でも分からなかった。


 でも、なんだか悔しくて。


 目の前では、片瀬さんが狼狽ろうばいしている。


 「ごめん、やりすぎた。あのね、もし私がいなくても、ちゃんと一歌を守れる男か確かめたかったんだ」


 やばい。

 涙が止まらない。


 「はい……」


 「あ、ス、ステーキ食べるかい? この最高級の……」

 

 そういう片瀬さんの顔が真っ青になった。

 俺の斜め上のあたりをみて、口をパクパクさせている。


 俺の背後から仄暗い声が聞こえた。  

 振り返ると、一歌がいた。


 「パパ、何、蒼くんを泣かしてるのっ!! さいてー。パパ嫌い!!」


 一歌は走り去った。


 「蒼くん、ここにお金置いとくから会計しといて。一歌ぁぁぁ!!」


 片瀬さんは、一歌を追いかけていなくなった。



 「はぁー」

  

 特大のため息が出た。


 父親は娘に弱いと聞いたことがあるが、ほんと、やれやれだぜ。



 さて、俺も帰るか。


 

 帰り道を歩いていると、隆からメッセージが入った。


 こんな時間に珍しいな。


 「な、藍良。美桜が浮気してるみたいなんだけど」


 「いや、美桜に限ってそんなことは」


 ちょっと込み入った話になりそうだ。

 家に帰ってから、じっくり話を聞くことにした。


 それにしても、美桜が浮気?

 考えにくい。


 隆はイケメンではないが、悪い奴ではない。それに、美桜は、妹を助けられた一件で、隆に惚れ込んでいるはずだ。


 裏切ることなんて、あるのだろうか。

 家につくなり、隆にビデオトークを投げた。


 隆が反応する間、ベッドで待っている訳なのだが、いま、この部屋に異物が混入している。


 「…………ってか、愛紗。お前、なんでここにいるの?」


 「ん? 女子の意見もあった方が有意義だと思うがの」


 「いや、いらんでしょ」

 

 「隆とやらに、聞いてみるがよい」


 隆とやら、とか言ってる段階で、ほぼ他人同士。絶対に役に立たないと思うのだが。


 隆がトークを承認した。


 「隆、大変だったな。ところで、妹の愛紗が相談に乗りたいとかいってるんだが、いらんよな?」


 愛紗がカメラに向かって手を振っている。


 「ん。藍良の妹? あ、その子が愛紗ちゃんね。はじめまして♡ 可愛い子は大歓迎。いいよ」


 おいおい…。

 愛紗は、マサさんをトークだけでほふった猛者だぞ? たぶん、隆、泣かされるぞ……。


 正直、愛紗に比べれば、一歌の口の悪さなんて天使だよ。


 ってか、隆のやつ、思ったより元気そうなんだが。実は、ただの隆の被害妄想なのかもな。


 「んで、隆。どうしたんだよ」


 隆の声のトーンが下がった。

 やはり、それなりに落ち込んでいるらしい。


 「実は、美桜が他の男とラブホに入っていくのを、カケルが見たっていうんだよ」

 

 「いや、見間違いか何かじゃないの……?」


 「俺もそう思いたいんだけどさ。これ」


 隆から一枚の写真が送られてきた。


 それは、美桜と思われる女の子と、身長の高いイケメン男子が、手を繋いでラブホテルに入る写真だった。


 これは……。


 愛紗も写真を覗き込む。

 そして、ボソッと呟いた。


 「あー、これ初めてじゃないよ。既に2、3回はヤッてるな」

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