表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】モブの俺。クラスで1番のビッチギャルに告白される。警戒されても勝手にフォーリンラブでチョロい(挿絵ありVer)  作者: 白井 緒望


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/107

第58話 そんな彼女の心配事。

 

 パァン!!


 いきなりの破裂音にビクッとなった。

 反射的に、俺と愛は身体を離した。



 「はいっ、そこまで。僕もそこまで野暮じゃないんで、十分です。続きは他でやってください」


 その声は空さんだった。

 空さんは、無感情を装っているように見えた。


 「……少なくとも、愛さんが、その人のこと好きなのは分かりました。もういいです。僕は帰ります」


 愛は何か反論しようとして、言葉をとめた。


 

 やばかった。

 空さんに救われた。


 まだドキドキしている。


 空さんは、愛が俺を好きだって言っていたけど、あり得るのだろうか。俺はただの彼氏役。確かに嫌われてはいないと思うが……。



 空さんが去ったのを確認して、愛に言った。


 「とりあえず、諦めてくれたみたいで良かったじゃん。んじゃあ、俺の役割は終わったみたいだし、俺、帰るわ」



 「わかった。今日は、付き合ってくれてありがと、でも……」


 愛は何か言いかけたが、言葉をとめた。



 俺は一歌の家に走った。

 インターフォンを鳴らす。



 ドアが開くと、一歌が飛び出してきた。

 両手で、俺の頭を抱きしめると、人目をはばかることもなく、キスしてきた。


 まるで不安を払拭するように。

 とても情熱的だった。


 そして、キスの嵐が収まると、部屋に通された。オレンジ色の多い、いい匂いの部屋。


 ベッドも整えられている。  


 一歌がお茶を淹れてくれている間、俺はキョロキョロしながら、部屋の中で待った。


 (おれ、今日、この部屋で童貞卒業するのかな)


 一歌が戻ってきた。目が腫れている。

 その表情をみて、俺は自分の妄想がどれだけ能天気だったのか気づいた。


 そうだよな。

 彼氏が他の女といて、何も感じないハズがない。


 (でも、なんでそんな思いをしてまで、俺に頼んだんだろう)


 一歌はカップをテーブルに置くと言った。


 「それで、今日のお話を聞かせて欲しいです」


 一歌は何も知らないハズだ。

 だから、何も言わない方が得策なのだろう。


 でも、俺は、今日のことを全部話した。

 

 買い物に行ったこと。

 腕を組まれて、キスされそうになったこと。


 なんでか分からない。

 でも、傷つけないために打算的であることは、優しさと違うって思った。


 すると、一歌は笑った。

 口は笑ってるけど、目は悲しそうだ。


 「蒼くんにお願いしたの、わたしだし。ちょっとは仕方ないって思ってたんだ。でも、嘘はイヤだったの」


 胸がチクチクする。

 ごめん、一歌。

 

 俺は一歌が思ってくれるほど、善人じゃない。


 ファーストキスのこと。

 言うべきって分かってるのに、一歌を失うのが怖くて、言えないんだ。



 一歌は続ける。


 「あのね。実は、沙也加ちゃんが蒼くんを見かけたらしくて、その時の様子を教えてくれたんだ」


 あの時の声。

 沙也加、いたのか。


 それにしても、下手に嘘をついたらヤバかった。


 「もし、嘘つかれたら? 浮気されたら? 俺のことイヤになる?」


 すると、一歌は微笑んだ。


 「わたし、決めてるんだよ。蒼くんとずっと一緒にいるって。だから、別れたり、嫌いになることはない……かな」


 静かだけど、強い決心だと思った。


 今後、俺の人生で。

 彼女以上に俺を想ってくれる人はいないだろう。


 「うん」


 「でもね、そんなことになったら。きっと、いっぱい泣いちゃうから。……しないで欲しいかな」


 「そっか」


 一歌はやっぱり龍の鱗みたいだ。

 強くて美しい。


 その中の果汁は。

 砂漠の過酷な環境で熟成されて、甘くて。


 でも、痛みを知っていて。

 鮮血のように赤い。




 一歌は俺の頭を撫でた。


 「蒼くん」


 「ん?」


 「わたしのこと、好き?」


 「あぁ。世界一好きだよ」


 「そっか♡ 約束のご褒美あげる」


 ごくり。

 俺は唾を飲み込んだ。


 一歌は恥ずかしそうに続けた。


 「ベッドに寝て」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ランキングサイトに登録しました。 面白いと思っていただけたら、クリックいただけますと幸いです。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ