表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】モブの俺。クラスで1番のビッチギャルに告白される。警戒されても勝手にフォーリンラブでチョロい(挿絵ありVer)  作者: 白井 緒望


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/107

第22話 そんな彼女の期末試験。

 

 「そこまでっ」


 担任の声で、皆、ペンを机に置いた。

 一学期の期末テストが終わった。


 ……後は、一歌と旅行に行くだけか。

 あ、水着とか買いにいかないと。


 一歌、胸大きいし、水着姿が楽しみすぎる。


 数席離れた一歌を見ていると、俺の視線に気づいた一歌が、ベーっと舌を出した。


 やばい。

 ヘラヘラしてるのバレたかな


 あとで「エロい目で見るな!!」とか、クレーム言われそうだ。


 スマホをみると、着信で画面が光っていた。

 一歌からのメッセージだった。


 「皆の前で、そういうの恥ずかしいから。そういうのは2人きりの時にして欲しい……」


 えっ!?

 2人きりならいいの?


 これって、海に行く前に、部屋で水着鑑賞会とかさせてくれる展開?


 四つん這いにさせたりして。

 最高すぎるんだけど。


 すると、また一歌からメッセージがきた。


 「目つきがエロすぎる。ヨダレでてるし。蒼は、変態ロリ男だから、やっぱダメ!!」


 ……エロすぎはダメらしい。



 パンッ。


 音のした教卓の方を見ると、先生が出席簿をもって、こっちを見ていた。


 「藍良君!! まだ説明は終わってませんよ」


 先生は続ける。


 「明日と明後日は、自宅学習で休み。休み明けは、答案返却と解説をします。赤点をとった者は、再試験。それに合格するまで、夏休みも学校に来ることになるから、そのつもりでいてください」


 俺は隆に聞いた。

 「な、隆。赤点って何点からだっけ?」


 「39点以下。なに、お前、ヤバいの?」


 「いや、そんなことはないんだけど……」


 (再試験とか、夏休みの登校は大変すぎるし、下手したら旅行の日程に被るかも……。一歌。大丈夫かな)


 ちなみに俺は、モブらしく中の下くらいの成績だ。優はつかないが、不可にもならないバランス感覚。数学は苦手だが、現代文は得意なので、それにいつも救われている。まあ、万が一、数学で落ちても、得意科目の余剰点を考慮してくれるらしいし、大丈夫だろう。


 帰り道、一歌と帰る。

 心なしか、一歌に元気がない気がする。


 「どした? 一歌」


 「試験、わたし。現代文苦手なんだ。大丈夫かな……」


 すごく、しおらしい。

 そんなに旅行を楽しみにしてくれてるのか。


 ま、受けてしまった試験の結果は変えられないし、なにか気分転換はないかな。


 「あ、一歌。帰り道に、スポーツ用品店につきあってくれない? おれ、水着もってなくてさ」


 「うん。いく!!」


 スポーツ用品店にいくと、夏が近いこともあり、水着フェアをしていた。


 男女の水着をペアで買うと、2着目を無料にしてくれるらしい。つまり、男の水着を買えば、女の子の水着はタダなのだ。


 すごいサービスだ。


 「一歌、せっかくのフェアだし、水着を選びなよ。俺が買えば、水着もらえるよ」


 「え。わるいし」


 「いや、全く悪く無いよ。俺の金額は変わらないし、むしろ、貰わない方が損っていうか」


 「そっか。ありがとう!! 蒼からプレゼント。うれしい♡」


 一歌は、はしゃいでいる。

 少しは元気でたかな? 喜んでくれてよかった。


 いつものことだが、男の水着選びは、すごくつまらない。


 ……消去法なのだ。


 予算内のいくつかの選択肢から、不要な枝を切り捨てていく。そして、「ま、これでいいか」という妥協の結果で、自動的に決まる。  


 中には、少しくらい「いいな」という物もあったりはするが、あくまで誤差の範囲内で、予算の壁を突き破るような物ではない。そして、たまに凄く気に入るのがあると、異様に高い。


 そんな訳で、決まるのは早いが、感動はない。


 物を買って、こんなにときめかないことってあるんだろうか……。よく母さんが「男の子は、服を選ぶ楽しみがなくて、つまらない」と言ってたが、今は、その気持ちが分かる。


 「どしたの? 蒼? なんか遠く見てるよ?」


 俺が諦観ていかんしていると、一歌に声をかけられた。


 一歌は何着か水着を持っている。


 「どれが好き?」


 「一歌の好みで選びなよ」


 「蒼が好きなのじゃないと意味ないし」


 「ん。でも、水着だけじゃイメージわかないよ」


 「なら、試着するね!!」


 それから、何着か試着してくれた。

 白いの、青いの、スカートみたいなのがついてるの。


 正直、どれも似合い過ぎていて、決められない。ワンピースの時は、色白の子に目がいってしまったが、水着に関しては、健康的な小麦色は、最強だと思う。


 「今のなら、どれでも良いと思うよ」


 一歌はむくれた。


 「わたしの水着なんて関心ない?」


 「いや、どれも似合い過ぎてて分からないんだよ。99点と100点を比べてるみたいで難しい」


 「そっか」

  

 一歌はシュンとした。


 「でも、その中でも、さっきの白いのがいいかな。スカートみたいなのが付いてたヤツ。他の男に一歌の裸を見せたく無いし……」 

 

 すると、一歌は分かりやすく笑顔になった。


 「そっか。蒼はわたしの裸を独占したいのか♡」


 なんか、やや卑猥な意味に誤変換されてる気が、まあ、間違ってはいないか。


 レジで会計をしてもらう。


 すると、レジを打っていた店長さんが、一歌の水着を持って首を傾げた。


 「うーん。ごめんね。これは、フェア対象外なんだよね……」


 案内の説明文を見返してみると「〜ただし、フェア対象は、10,000円の商品まで」と書いてあった。


 一歌の水着は、それを500円ほど超えていた。


 「そうですか。他の選びます」


 一歌は、肩を落としている。

 今にも泣きそうだ。

 

 「あの。差額の500円を払いますので、なんとかなりませんか?」


 俺がそういうと、店長さんはパンッと手を打った。


 「おじさんも、女の子泣かせたくないし、お嬢ちゃん可愛いから、特別サービス!! いいよ。それ無料で。さっきは悲しませてごめんね。これオマケ」


 店長さんの裁量で、追加料金も不要になった。しかも、オマケでシュシュまでもらった。


 「ありがとうございます♡」


 一歌は大きくお辞儀をすると、店長さんに手を振って店を出た。


 「えへへ。シュシュもらっちゃった。これカワイイ」


 一歌がもらったシュシュを見せてくれた。

 たしかに、リボンやビーズみたいなのが編み込まれて、凝っている。


 あれ。

 値札がついているぞ……?


 ん。 

 2,500円!?



 「マジか……」

 衝撃で思わず声に出てしまった。



 美人は得って、どうやら本当のことらしい。


 ま、イケメンも得なのかもしれないが、平凡な俺には確かめる術がない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ランキングサイトに登録しました。 面白いと思っていただけたら、クリックいただけますと幸いです。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ