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テーマ詩集:さよなら

いっぱい さよならしよう

作者: 歌川 詩季

 さよなら、苦手ですが。

 ちっぽけなカバン はりさけるまで

 あれもだいじで これもだいじ

 そんなことやってたら あがらないジッパー

 困り顔のねこのぬいぐるみが 顔を出す


 いっぱい さよならしよう

 たくさん さよならしよう

 たくさん ありがとうしたあとで

 あたらしい おはようをするためには

 ちっぽけなカバンに すきまをあけときたい


 いっぱい さよならしよう

 たくさん さよならしよう

 きっと たくさん 泣いちゃうんだろうけど

 あたらしい おはようがなきゃあ だめなんだ

 このままじゃ

 いつまでも あたらしい あしたにはなれないし

 いつまでも あたらしい あたしにもなれないもん

 

 だから ありがとう でも これからも

 いっぱい さよならするね



 でっかい段ボール つみあがるまで

 あれもほしいし これもほしい

 そんなこと言ってたら 床の抜けたお部屋

 呆れ顔のくまのぬいぐるみが 溺れてる


 いっぱい さよならしよう

 たくさん さよならしよう

 たくさん ごめんねをしたあとで

 あたらしい よろしくをするためには

 本棚か引き出し ひとつはあけときたい


 いっぱい さよならしよう

 たくさん さよならしよう

 もっと たくさん たいせつにしたいのに

 あたらしい よろしくのせいで だめなんだ

 どうしても

 いつからか あたらしい あしたがやってきて

 いつからか あたらしい あたしにもなっちゃから


 だから ごめんね だけど このさきも

 いっぱい さよならさせて

 捨てるときは、ひどいくらいに捨てます。

 あ、対人の話ではなくて(汗)

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― 新着の感想 ―
[一言] なんか切ない。 手にもてる量は限られているから、古いものを捨てるか、新しいものを諦めるかどちらかを選ばないと、選び続けないと…と。 うちの車は32年もの… 古いものを持ち続けるのもなかなか…
[一言] 私はさよならは基本せずに、常によろしくばかりしているものですから、物が多く溢れております。 よろしくは簡単なのに、さよならは難しいです。
[良い点]  さよならすること。いいも悪いも状況と本人により、でしょうね。  なにと、にもよるのでしょうし。  いつ、というのもあるのかもしれない。  すてたもの。すてられないもの。すてたくなかっ…
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