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わたし魔王の生まれ変わりなの、と幼馴染みは言った。  作者: 神代創
11章 村人Aは本山に乗り込む
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1:総本山は魔王城 その3

「はははっ! 思い知ったか、メディアの使徒どもめ! 魔王を甘く見るからだ!」


 気を失った信者たちを前に魔王が大見得を切った。

 信者3人は物陰に入った瞬間に魔王が放った電撃で失神である。よほど腹に据えかねていたのだろう。魔王にしてはよく我慢した方だ。セイルが抑えていたせいだけど。


「ただの人間相手に魔王がやるこっちゃないよなぁ。大人げないというか魔王げないというか」

「これでも我慢してやった上に手加減したのだ。ワレの寛大な心に感謝せよ」

「魔王のくせに気が短いな」

「魔王であっても一瞬一瞬は人間と同じだ。長い時間の感じ方が違うだけでな」

「よくわからんが、そうなのか。よし、じゃあ、脱がすか」


 腕まくりをして言うと、ファミとセイルがショックを受けたように声を上げる。


「ジェイくん、ファミじゃ満足できないからってこんなオジサンオバサンで……」

「ジェイト、趣味が悪い」

「あ?」


 何を言われてるのかわからずにふたりを凝視する。


「ダンニャダンニャ、気味悪い勘違いされてるにゃ」

「何を言ってるんだ? 巡礼服を剥いで、変装するのに使うんだ。ほら、とっとと脱がせろ」

「ジェイくんがおかしな道に行かないでよかったよー」

「うん、ホッとした」


 おかしな事を言うふたりに首を傾げながら、3人の信者から服を剥ぎ取る。


「しっかし、こいつら女神を絶対的に信じてんだな」

「それがアヤツの手だ。見た目に左右されおって」

「ああ、魔王って外見がグチャグチャなんだっけ?」

「グチャグチャ言うな! ワレの宇宙の真理たる崇高なる姿に対して失礼極まるわ!」

「まあ、見ただけで発狂するなら信者もいないよなぁ」

「せいぜいオレだけだからな。いや、もうひとりいたっけ」

「へえ、物好きなヤツもいるんだな」

「ううむ、誰だったか……」

「わからぬな。思い出せん……」


 魔王と勇者が唸って思い出そうとしている。

 と、信者のひとりが意識を取り戻した。


「……んんっ……なにが……あなたたち、これは……?」


 そして、巡礼服を脱がされたと気づいた瞬間、豹変した。


「こっ、この魔王に魅入られた者どもめ!」


 憎しみのこもった叫びに他のふたりが起こされて、俺たちを罵り始めた。


「こんな姿にして何をしようと!? この獣め!」

「大司祭を堕落させたように私たちを堕とす気でしょう!?」

「そんな事は無駄です! 私たちにはメディア様の加護を受けているのですから!」

「そうです! 魔王の眷属どもめ! メディア様の力を知るがいい!」

「ああ、さえずりよるわ! ワレは眷属などではないわっ! 黙るがよい!!」


 魔王の一喝で信者たちは再び静かになった。今度は魔法も使っていない。単に魔王の放った魔力の波動というか威圧というか気の塊というか、そんなものに意識を吹っ飛ばされたらしい。


「なんか、洗脳されてるみたいだな。ますます怪しい」

「大司教が魔王に堕落させられたとか言ってたな。何かやったのか?」

「大司教ねぇ……覚えがないぞ」

「そんな偉い人なら覚えてそうなもんだが」

「わからぬ」

「なるほどー! わかりましたよ!」

「なんだ、ファミ?」

「教団は魔王に乗っ取られているのですよー!」

「おまえが魔王だろ!」

「あれー?」


 ファミが首を傾げる。


「じゃあ、他の魔王だよー」

「ニャオウ?」

「魔族にそんな頭があったら、今頃人間より繁栄してると思うな」

「そうだねー!」

「そう思う」

「ひどい言い方だにゃ! しかし、反論できにゃい……」

「よし、行くぞ」


 悔しそうに地面にネコパンチをかますニャオウに声をかける。

 そうして、巡礼服を着た俺たちは元魔王城へ向かって巡礼の旅を始めた。


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