1:温泉街へ その1
間空きすぎでまだ読んでくださる方がいればいいなーっと祈りつつ行きます。
「勇者の湯がある村はこっちでいいのか?」
色街シュノバで食料や水を買い集め、早々に出発したところで、俺は一角娘に尋ねた。
「で、お前の名前はなんだっけ?」
「今さらそれ!? あんだけあたしの体を好き放題しといて!」
一角娘は生意気に俺を非難する。ファミとセイルが俺を見る目つきが怖いが無視する。ただの冤罪だし。
「うん、バタバタしてて忘れてたな。面倒だし、イッカにしとこう」
「面倒だからって名前つけられた!?」
「いーなー、ジェイくんに名前もらったー。ファミも欲しい!」
「ファミはファミで充分だろ」
「そうでなくても魔王が憑いてるんだから、それ以上名前はいらねーだろ」
「我は憑いているわけではない!」
「ボクは勇者に憑かれてる」
「憑いてないぞ!」
「……イッカでいいか」
周りがバタバタしてる中、一角娘はあっさり答えると、どこか嬉しそうにニヘッと笑った。切り替えが早いのはいいぞ。
「で、こっちでいいんだな?」
「うん。あそこに山があるでしょ? あの麓に村があって、そこから山の中に入ったところにあるんだ」
「山奥の秘湯か」
「山奥じゃないし、隠してもいないから!」
「風情がないヤツだな」
「求めるものが違うんじゃないかな」
「俺が主人に改めさせてやる」
「温泉改革しなくていいから!」
「ふん、どうせひなびて傾いた温泉宿だろう」
「違うもん!」
なおも抵抗するイッカをいなしながら、俺たちは一路山奥の村に向かった。
「だーかーらーっ! 山奥のひなびた温泉宿じゃないって!」
まだうるさいヤツがいるが無視だ無視!




