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わたし魔王の生まれ変わりなの、と幼馴染みは言った。  作者: 神代創
7章 村人Aは婚姻の儀に乱入する
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4:王女の死 その1

「……なんとか、なったな……」


 走り通して、ようやく用意していた場所に倒れ込んだ俺は一息ついた。

 まあ、近くの納屋に待機していたソーコちゃんの中に駆け込んだだけだが。


「予定と変わった」


 セイルがつぶやいた。いつものように無表情だが、これは不満そうな顔だ。


「まあ、許容範囲内じゃないか?」

「ファミ頑張ったよー、ジェイくん」

「魔王の方がな」

「ずいぶん変更したな」

「予想外のことが色々起こって。あ、ニャオウにも礼を言っとかないとな」

「この格好、なんとかしたいのだが……」


 そう言って血まみれの死体が起き上がった。


「ローネ、お疲れ」

「死体のマネをするのがこれほど辛いとは思わなかったぞ」


 死体以上に疲れ切った様子で、顔色も青い。


「ずっと片腕で抱えられていたからな……。腹が圧迫されて。おまけに走り回られたせいで、酔いが……。馬より酷い……うぷっ……」


 ローネは胸と腹を押さえて呻き、えずく。

 ファミがそれを見て太いため息をついた。


「仕方あるまい。治癒してやる」

「魔王、治癒魔法なんか使えるんだ」

「魔王優しい」

「誤解するでない。ここで吐かれては倉庫が困るからな」

「優しいなぁ」

「優しいわけではない!」

「バミちゃんは優しいもんねー」

「バミちゃん?」

「魔王の愛称」

「ああ! そんな設定あったな! 忘れてたわ」

「ちなみにオレはゼフく――」

「……すまんが、治癒出来るなら早めに頼む……うぶっ……」


 ローネが口を押さえ、魔王は慌てて呪文を詠唱した。


「……なんとか、収まってきた」


 ローネの様子を見て、俺はまだそのままの服を示す。俺の方は甲冑を外しているので楽だが、ローネはそうもいかない。


「動けそうなら、着替えた方がいい。ファミ、セイル、手伝って」

「ジェイくんはやりたくないのー?」

「やるってなにを?」

「ローネちゃんのお着替えー!」

「おれじゃマズいだろ?」

「ジェイくんも見たいでしょ? ローネちゃん、すっごいよ?」

「なにがすっごいんだ?」

「押してもねー、指が弾かれるのー」

「色も綺麗」

「お、おう」

「ジェイト、前屈み」

「おれは腰の悪い爺さんじゃないぞ!」

「じゃあ、あっちでお着替えするねー」

「ジェイト、こっそりのぞく?」

「のぞくか!」

「えー、もったいないなー。こんなに綺麗なのに」

「こ、こら! どこをさわっ――あんっ!」


 奥に引っ込んだ3人はなにをしてるんだか、バタバタと騒々しい。

 しばらくして、用意しておいた服を着て、ローネがやって来る。ファミとセイルが買ってきた服だ。冒険者という感じの軽装の鎧だが、なんだか肌の露出が多い気が……。


「どうだ?」

「甲冑姿じゃないローネも新鮮だな」

「なにを言っている? 夜中に私室に来た時は甲冑ではなかったろう」

「え? あ、そうか」

「見ていなかったのか」

「どうやるかしか考えたなかったからな。それに暗かったし」

「せっかく気を引こうと薄手の物を身にまとっていたというのに……」

「え? なんだって?」

「いや、なんでもない!」


 ローネはなぜか顔を赤くして、慌てた様子で否定すると、脱ぎ捨てた血染めのドレスを示す。


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