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わたし魔王の生まれ変わりなの、と幼馴染みは言った。  作者: 神代創
7章 村人Aは婚姻の儀に乱入する
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2:決行の日 その2

 王都メディーナ教会の周辺はすでに人だかりが出来ていた。

 近衛兵と教会兵が警護にあたり、招待客以外は近づけないようにしていた。近衛兵は王室を、教会兵は教会と神官の警護だ。


「メディーナ教って兵士もいるんだな」

「ふん、昔からそうだ。魔王だの魔族だのは神の敵だと問答無用で殺しにかかる。勇者の方がマシなくらいだ」

「勇者の方がマシって?」

「少なくとも、勇者は話が出来たからな」

「そうなのか?」

「そういえば、何か話した記憶はあるな。なんだっけ?」


 セイルこと勇者が1000年前の記憶を思い出している間に魔王に訊く。


「ところで、魔王って教会に入っても問題ないのか?」

「この前入ったであろうが」

「いや、神の前に立つと苦しいとかないの?」

「神といっても本体が来るわけでもない。本体でも問題ないだろうがな」

「本当にいるんだ」

「見たわけではないがな」


 魔王はふんと吐き捨てた。忌々しいのは確からしい。


「おおっ!」


 いきなりセイルが低い叫びを上げて、周囲の視線を集めた。慌てて咳払いをして誤魔化したところを見ると、声を上げたのは勇者だろう。


「なんだよ? セイルが恥ずかしがってるだろうが」

「すまんすまん。いや、魔王と話したって話だが、確かになんか話した記憶はあるんだが、はっきりしないんだよな。他にもうひとりいたような記憶もあるんだが」

「む……そういえば、そうよな。誰だったか……」

「耄碌だけはしたくねぇな」

「年のせいではない!」


 今度はファミがダミ声で叫んで、周囲の視線を集める。慌ててけふんけふんと咳をする。


「ファミ、年じゃないもん!」

「それはわかってる。おまえがバアさんなら俺はもうゾンビだ。で、なに? 魔王は忘れっぽいのか?」

「うむ、我としたことが記憶に封印をされているとしか思えぬ」

「は? 誰かが魔王と勇者の記憶をいじったってことか?」

「そうとしか考えられぬ」

「ヤベーな、それ。そんなヤツがこの世界にいるってことかよ。神ってヤツ?」

「いや、それはないだろう。俺まで封印される理由がわからん」

「まあ、勇者って神寄りだよな」


 と、そこで教会に動きがあった。参列者を中に入れるようだ。


「お、そろそろだ。打合せどおり頼む」

「わかったー!」

「了解、ジェイト」


 ファミとセイルが教会に向かっていくのを確認すると、俺は荷物を担いで歩き出した。

 ふたりはローネに手配してもらった一般向けの参列者として教会に入る。まあ、最後列だけど。

 さて、俺も用意しないとな。

 教会前から離れて、隣にある尖塔に向かう。この辺りにある教会よりも高い建物はあれしかないからだ。

 先に調べて塔の鍵は開けておいた。見られていないか確かめてからこっそり中に入る。後はひたすら螺旋階段を上る。まあこの程度の階段など村で鍛えた俺にはたいした行程じゃない。

 ちょっとだけ息が切れたがな!


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