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わたし魔王の生まれ変わりなの、と幼馴染みは言った。  作者: 神代創
6章 村人Aは王都を満喫する
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3:悪事の準備 その2

 冒険者ギルドにも顔を出しておいた方がいいかなってことで、ギルドの場所を探して向かう。まあ、まだ1回しか仕事してないし、それも大失敗したので、冒険者と名乗ってもいいのかどうか。ランクも最低のFのままだし。

 さすが王都のギルドだけあって、表通りに近いいい場所にあった。大きさも豪邸レベル。


「ちょっと依頼がないか見てくるか」


 そんな軽いノリで中に入る。

 今は昼休みも終わって暇な時間帯なんだろうか。5つも窓口がある受付には4人組だけ。

 あれ、なんか見覚えがあるな、あのパーティ。

 えーっと、確か全員Aランカーの《炎のなんとか》だったな。


「お? 町で見た顔だな」

「その節はお世話になりました、《炎の鴉》さん」

「《炎の鷹》だ!」

「ジェイト、記憶力ない。馬鹿」


 殺気立ったパーティがセイルの一言で落ち着いた。


「嬢ちゃん、もっと言ってやれ。全員Aランカーのパーティ名も覚えられないで冒険者名乗ってんじゃねぇってな」

「次までに頭改良しておく」

「おう、頼んだぜ!」

「いや、もう覚えたし!」


 セイルの本気か冗談かわからない台詞に《炎の鷹》の連中が笑い、俺は苦笑するしかない。

 と、ここで思い出した。こいつら魔王を倒すとか息巻いてたっけ。意趣返しのつもりで突いてみる。


「そういや、魔王を退治するって言ってましたね」

「ああ、退治する前に王国の討伐隊が殺っちまったんで出番はなし! 残念だったなぁ」

「タイミングが悪かったんですね」

「どうも上手くいかねぇんだよな。魔王倒しとけば名声が上がってSランクに上がれたのに」


 ランク上げのための便利道具になってるぞ、魔王。

 ここで思いついたことがある。上手く行くと面白いことになるし、こいつらにとっても悪い話じゃないだろう。


「でも、噂聞きました?」

「なんの?」

「王女が倒した魔王は身代わりだって」

「なんだと?」

「従軍した兵士から聞いたんですけど、その魔王って猫くらいの大きさで、弱かったっていうんですよ」

「なんだそりゃぁ?」

「だから、偽物か身代わりなんじゃないかって話で」

「はっはっはっ! だろうな! そんなこったろうと思ったぜ。やっぱりオレたちが倒す運命なのさ!」


 乗りやすい奴でよかったよ。


「で、4日後に王女の結婚式でしょ?」

「ああ、それでオレたちも久しぶりに王都に来たんだ。それがなんだ?」

「いや~、俺が魔王なら結婚式なんて打ってつけだなーなんて思うんですよね」

「なるほどな。式を襲撃して魔王の汚名をそそぐってことか。こりゃひょっとするかもしれんな」


 リーダーは真剣に考えてる。ホントに乗りやすいな。


「でも、なんで俺に教えるんだ?」

「ただの思いつきだし、本当に魔王が来たら俺じゃ無理だし」

「違いない! ようし。どうせ式典まで王都にいるんだし、万全の準備してやる。来なけりゃドラゴンでも倒しに行くぜ」


 上機嫌で俺の背中をドンと叩くと、《炎の鷹》はギルドを出ていった。

 仕込みはひとつ終わった。次はローネだな。


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