【第3話】指切りげんまん
【注意】
・こちらの作品は上海アリス幻樂団様の『東方Project』を原作とした二次創作小説です。
・東方Projectのキャラが登場しますが、その設定やキャライメージについては作者の独自解釈が含まれており、原作にないものが多く含まれます。ご注意下さい。
・誤字や脱字がありましたら、作者にお伝え頂けると嬉しいです。報告を受け次第訂正するようにしております。
次の日も、彼は同じ道を通って家に帰ろうとしていた。
今日は驚かせないようにしなきゃ。
それと、昨日のこと謝らなきゃ。
彼に声をかけようとする。
その刹那、逆に彼から声をかけられる。
名前を聞かれた。
私は小傘、そう答えた。
それからまた謝ろうとしたその途端に彼は言う。
小傘ちゃん、昨日は送り届けてくれてありがとうって。
違うよ、私がそうしなきゃならないきっかけを作ったのに。当たり前なのに。彼が立ち去る前に言わなきゃ。
「昨日は驚かせてごめんなさいね。」
言えた、やっと言えた。
彼は気にしないで、と優しく私に声をかける。
久しぶりに他の人と触れ合えて楽しかった、なんて言う。
なんだろう、この気持ち。
あなたは優しすぎる。ああ、あなたが元の私の持ち主だったら。
あなたが行く前にもう一言だけ。と思ったらまた、あなたが先に言葉を紡ぐ。
僕には友達がいないんだ、もし良かったら僕の友達になってくれないかって。
もちろん。
優しいあなたのことをもっと知りたい。
二つ返事で私は彼の提案を受け入れた。
小指と小指が交差する。
宵の空に、指切りげんまん1つ。
【作者の一言】
謝りたいのに謝りにくい、そんなことってよくありますよね。
このくらい相手がいつも寛容だといいんですけどね…
「あなた」が「私」の持ち主だったら。
徐々に小傘ちゃんは、優しさに包み込まれ…