【第2話】うらめしや
【注意】
・こちらの作品は上海アリス幻樂団様の『東方Project』を原作とした二次創作小説です。
・東方Projectのキャラが登場しますが、その設定やキャライメージについては作者の独自解釈が含まれており、原作にないものが多く含まれます。ご注意下さい。
・誤字や脱字がありましたら、作者にお伝え頂けると嬉しいです。報告を受け次第訂正するようにしております。
私は忘れ傘の付喪神、多々良小傘。
食べることではなく、人を驚かせることでお腹を満たす妖怪。
今日も道の陰に隠れて、
「うらめしや〜!」
と飛び出していく。
でも何故だろう、誰も驚いてくれない。
驚かせ方が悪いのかな?
どうやれば驚いてくれるかなんて分からない。
それでも私は何度も、何度も。
次は上手くいくかな?
「うらめしや〜!」
彼は驚いて尻もちをついた。
やっと驚いてくれた。
嬉しくて頬が知らず知らずのうちに緩む。
が。
彼の様子がどこかおかしい。
なかなか立ち上がらないのである。
腰が抜けちゃったのかとも考えてみたがそうではないらしい。
緩まった頬を引き締め、声をかける。
「大丈夫?」
彼は驚いて足をくじいてしまったらしい。
悪いことをしたなと、罪悪感が心を支配する。
その日私は、彼を家まで送り届けた。
【作者の一言】
第2話では、小傘ちゃんらしい一面を描いてみました。
このパートはつなぎの部分なので特に言いたいことはありません。
次のパートから物語は動きます。