第五話「暇つぶし裁判」
※注:これは、授業中に聞いた人の話に干渉されて考えたものである。
〈前書き〉
――……ねぇ、四男
四「何だよ?」
――お前、人(?)殺しててよく捕まんないよね
四「まあな」
――……じゃあさ、今回裁判で行ってみる?
四「はぁ?」
――よしっ、決まりね!
四「ち、ちょっと待て」
――それじゃぁ、始まり始まりー!
四「貴様っ! 冗談じゃねえ――……!」
〈お話〉
うるさい四男はほっといて、
ここは四男の家。
「いっこらせっと」
四男は今日も趣味の金儲け精を出していました。
と、そこへ……
「四男、殺豚etcの罪で逮捕する!」
警察官は、四男に逮捕状を突き付けながら言いました。
四男は、警察官に物体Xという賄賂を取り出して、こう囁きました。
「小切手、好きにしな」
差し出した物体Xには、(伏字)円の文字。
「そっ、それは……」
四男は、更に〇を一つ書き込むと、警察官に言いました。
「今回はさぁ、賄賂で手打ってくんない?」
「う……う、ううぅ……」
揺れる警察官に、四男はもう一つ〇を書きました。
「ううう……」
そして、ついに警察官は、
「はい! ご苦労さまです! 今日もいいてんきですたっ!」
と、意味と文法の判らない言葉を言って、帰って行きました。
こうして、四男は警察官を追い返し、幸せに暮らしま……
――……って、何ハッピーエンド(?)なわけ?
四「良いじゃん、別に」
――サブタイトルに「裁判」って入ってるんだよ?
四「嫌だよ、そんなこと」
――ダメじゃん。私を嘘つきにする気?
四「知らねぇよ」
――警察来た所からやり直し!
四「何でそのルビなんだよ。教育に良くないだろ?」
――お前に言われたくないね!
四「俺はやらねぇ!」
――黙りな!
四「ふざけんなぁ!」
◇ ◇ ◇
―時間を戻します―
「殺人など、二十九の罪で逮捕しますです」
警察官は、四男に逮捕状を突き出しました。
「賄賂、好きにしな」
四男は、前のように物体Xを差し出しました。
しかし、
「受け取りませんです。あなたを逮捕しますです。」
――な、何ぃ……
はっはっは。そいつは新人で使命感が強いんだ。何やっても無駄さ。
――くそっ!
「皆さんやって下さい」
新人警察官が言うと、どこからかたくさんの先輩が出てきて、四男を取り押さえました。
――こうなったら俺の発明で……
無駄だ。発明品は既に処分してある。
――くっ……こうなったら呪いで……
呪いも対応済みだ。今回では使えん。私は作者だ。はっはっは!
――……。
四男は抵抗空しく、警察の留置場に連行されて行きました。そして、あっと言う間に一ヶ月が経ち、起訴された四男は裁判にかけられました。(諸事情により、裁判の様子は省きます。……何か文句ある?)
◇ ◇ ◇
裁判最終日。判決が言い渡されるようです。
「判決は……」
裁判長が判決を言い渡すというのに、四男は余裕な表情であくびまでしています。
「判決は……―――無罪」
その後も、裁判長が理由云々を話していましたが、四男は今度こそ完全に興味がなくなったようで、そろそろ寝ようかと、目を閉じました。
四男は、今までにオオカミ一匹と、義理の兄三匹を殺しています。その他にも、詐欺やら何やらの悪事をしています。
それなのに、何故無罪?
四「無茶話、こっちだって対策済みだ。裁判長の懐見てみろよ」
――物体Xのこと?
四
「裁判長だけじゃない。ここに居る全てのヤツは買収済みだ。作者のことだから、いつかはこんなことになるんじゃないかとは思ってたんだ。何せ作者だし……で、気が済んだか?」
――もち! きりもいいし、これで終わりということで。
四
「もう二度と巻き込むなよ……」
―めでたし、めでたし(?)―