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目覚めたら記憶喪失でした  作者: じゅり
― 番外編 ―
36/43

36.たとえ足跡が消えたとしても(後)

 さて。今日も今日とて、ケーキを餌に釣り上げられた社長に連れられて行ったのは社長が集まる豪勢な交流会だ。立食形式のお料理とは言えど、どれもこれも有名シェフによるものらしい。美味しそうだ。うん、あのケーキは絶対食べたい。……いや、そうじゃない。まったく世の社長閣下はどれだけ交流会すれば気が済むのだと考えていると、可愛らしい声で晴子様と声を掛けられた。優華さんだ。


「こんにちは、優華さん」

「ご機嫌よう」

「こんにちは」

「お疲れー」


 次々声を掛けられるのはいつものメンバー。


「あなたたちも来ていたのね」

「まあな……。正直、毎回毎回面倒だけど、世襲制がまだ色濃く残っている所があって、後継者の顔見せの部分もあるからな」


 何だか疲れた様子の松宮君。なるほど、社長もそうなのですね。私は社長を見上げると目をそらされた。……何でしょうか。やましい事でもあるのですか。


「わたくしたちも同じですわ。以前からこういう集まりはございましたが、卒業以来は特に頻繁です。後継者育成の一環ですし、仕方がないことですけど」

「まあ、必要だと分かっていても本当に疲れるね」


 同士よ。ここにも働いている人たちがいる。そう思うと心が強くなれる気がした。……あれ、何か一曲作れそう。


「ああ、そうですわ! もうすぐわたくしたちも夏休みですし、一度どこかに遊びに参りませんか?」


 優華さんは自分たちにもご褒美が必要ですものねと微笑まれますが、なつやすみとは……何ぞや。


「何ソレ、オイシイノ……?」

「そりゃ、もち――」

「よせ二宮。もう燃え尽きて灰になってる。これ以上油を注いでやるな……」


 松宮君が悠貴さんの肩にポンと手を載せるのが目に入った。


「お兄様、晴子様の正当な休みを要求致しますわ!」


 そうだそうだ! もっと言ってやって!


「まあまあ、優華。貴之さんにも事情があるから」


 悠貴さん、止めンナーっ! と言うか事情って、どうせ自分が動いている時に部下が休んでいると嫌な気持ちになるとかでしょ、と振り返り社長を見上げてみると側にいない。あれ? 辺りを見回すと、社長は一人の男性と話していた。平静を装っているが、社長は目の前の男性をどうも認識していない様子だ。確かあの方は……。


「ちょっとごめんね」


 私は彼らの側を離れて、社長の元へと近づいた。


「お話の途中、失礼いたします、水原社長」

「ん? ああ、君は瀬野社長の秘書だったね」

「はい。木津川でございます。水原社長、本日はお召し物が普段と違いますからどちら様かと思いました。いつものお召し物も渋くて素敵ですけれど、今日は一段と華やかですね」

「そ、そうかね? 実は孫娘が選んでくれたものでねぇ」


 水原社長は途端に破顔する。


「まだ中学生になられたばかりではございませんでしたか? とても美的センスのある方なのですね」

「そう思うかね! いやー実は芸術の道に進みたいと言っているんだよー」

「まあ! どうりで。ご自慢の孫娘さまですね」


 いやー、ははは、親馬鹿でねぇ、いやジィジ馬鹿かなと水原社長は豪快に笑う。すると。


「水原社長!」


 顔なじみの社長に呼ばれたようだ。


「ああ、すみません。では瀬野社長、失礼致しますな。木津川君も」

「はい。ご歓談お楽しみ下さいませ」


 水原社長はありがとうと笑顔のまま去って行った。


「……あの、すみません。営業のクセが抜けなくて」


 私は社長の顔を窺うように見上げる。秘書なのに出しゃばりすぎた自覚はある。


「いや、助かった。誰だか思い出せなかった」


 それなら良かったのですが。


「すごいな、お前。もしかしてこの会場にいる人、全部覚えているのか?」


 松宮君が尋ねてくる。いつの間にか彼らは私たちに近づいて来ていたようだ。


「フフフ。私の部屋に来てみる? ありとあらゆる会社社長の顔写真が壁中に貼ってあるから」


 物覚え悪いから、簡単なプロフィールを書いた写真を毎日眺めているのよ。どうよこの愛社精神。


「うわぁ、暑苦……息苦しそうな部屋だね」

「お前は指名手配犯の顔写真を部屋中貼っている熱血刑事か」

「さすがお姉様ですわ!」


 各々感想を伝えてくれますが、優華さん、お姉様って何でしょう。


「と言うか、男を簡単に部屋に誘うな」


 最後のセリフはため息と共に上から降ってきた。社長である。……ん? ああ、そうか。松宮君に失礼だったわね。


「松宮君、ごめんね。そういう意味じゃないのよ。あなたはいい男だと思うわ」

「……は?」

「多分、私の今までの人生の中で一番いい男だと思う。本当よ」

「誉められて悪い気はしないが、全くもってそういう問題じゃ無いと思うぞ」


 松宮君はなぜか困ったような、呆れたような顔で言った。


「間違っても冷淡とか腹黒の人間にならないでね。お願いね」

「晴子さんの環境、悪いんだね」


 いや、何自分を棚上げしているのですか。あなたも含まれているのですよ、悠貴さん。


「……ふっ。晴子様はまだいいですわ。わたくしなど血縁関係と後の配偶者ですからね」


 た、確かにそれは不憫だ!


「優華さん、お気の毒さまです!」

「晴子様!」


 二人、ひしっと抱き合う。


「ところで晴子様。晴子様もわたくしのお仲間になりませんか?」

「いえ、それはちょっと何言っているか分かりません」


 私は優華さんからそっと離れる。……すると。


「あら、貴之!」


 女性の甘く華やかな声が背後から聞こえた。貴之って社長の名前だよね? 呼び捨て……。


「……玲子?」


 自然と視線がそちらに向くと、そこには人の目を惹きつけて止まないオーラを纏う品格を持ちつつも艶めいた女性が立っていた。それは磨かれた人間だけが持つ身体から発する光。そして優華さんたちや社長たちが持つ存在感と同じ色でもある。なまじ優華さんたちが身近な存在なだけに普段は気付かないが、こういう女性を見ると次元が違う、住む世界が違うと痛感させられてしまう。


 側に寄って話す社長と彼女から目を離せない私に優華さんは肩に手を置く。


「晴子様、どう思われます、彼女」


 ん? どう? ……どうって。


「……ボンキュッボン?」


 一番気になっていたであろう事を思わず呟いた私に、優華さんがスタイルの事ではなくて! と訴える。


「お兄様との関係をです」


 ああ、そちらのお話ですか……。


「お、お似合い、ね?」


 これで正解かなと優華さんの顔色を窺うと、ふくれっ面された。いいなぁ、可愛い子は何やっても可愛いですね。


「お兄様の元カノですのよっ!」

「元彼女さん……でしたか」

「ヨリを戻したのかしら」


 ……ふーん、そうですか。お似合いですもんね。あ、さっき自分で言ったか。ああ、じゃあ彼女が物を贈る相手だった訳ですね。ふーん。


「わたくし、わたくし、彼女は絶対嫌ですからねっ!」


 え? ……って、い、痛い痛い痛いっ! 優華さん、私の肩に置いていた指がめり込んでいますからっ!


 私の現状に気付いた悠貴さんが優華さんを慌てて引き離してくれた。何となく振り解くわけにもいかなかったから助かりました。そうしている内に社長がこちらに戻って来た。


「木津川君、部屋を一室とディナー二人分を予約してくれるか」

「あ、はい、承知いたし――」

「お兄様、見損ないましたわっ!」


 私の言葉を遮って優華さんが目を吊り上げる。……え。


「お前は何を考えている。泊まるのは彼女だけだ」

「あ、あら。そうですの。わたくしったら……」


 あ、ああ! そういう意味でしたか。……いや、何で私こんなに反応が鈍いの? 本気で疲れているみたいだわ。


「木津川君」

「は、はい!」


 声を掛けられてびくっとすると、社長は一瞬穿つようにこちらを見た。


「これからの時間は自由にしてくれていい」

「承知……いたしました」


 やったー、一日拘束かと思われた私の休みが半日戻って来たよバンザーイ! ……の反応でいいんだよね。うん、嬉しいはずなんだけど、飛び上がる程ではないのはなぜか。社長の側に寄り沿う女性がこちらに艶然とした笑みを見せるのが何とも……ん? 何だろ? もやもやする。


「木津――っ」

「まあ! それでしたらわたくしのお家に来ませんこと? お見せしたい物がございますの」


 社長が何か言おうとした瞬間、優華さんがドンと社長を押しやって私の手を取った。すごいな優華さん、力持ち。


「あ、じゃあ僕も帰ろ――」

「二宮、お前は俺と残れ。お前だけ逃げんな」

「分かったよ……」


 そして肩を落とす悠貴さんと何も言わないまま踵を返した社長を置いて、私たちは会場を後にした。




「優華さんのお家、お久しぶりね」


 居間に通された私は高級ソファーに座りながら辺りを見回した。うん、物を壊した時の賠償金を考えると一歩も動けない緊張感は相変わらずです。本日は奥様や大奥様『お祖母様』は外出中との事で、ちょっとほっとしている事は内緒だ。


「早紀子さんとも最近、全然会っていないわ。元気にしているかしら」

「お元気ですわよ。お付き合いされている先生ともうまくいっているみたいです」


 リア充め。爆ぜろ! 爆ぜろー! 爆ぜろぉーっ!


「さ、殺気がすごいのですけど……」

「気のせいですわおほほほ」

「そ、そうですわ。見せたい物がありますので取って参ります」


 優華さんはそそくさと立つと、すぐにアルバムを手に戻って来た。


「クラスメートとの写真ですの」

「へぇ!」


 優華さんは私の隣に座って、写真の説明をしてくれる。優華さんのぎこちない笑顔がページを進めるにつれて楽しそうな笑顔に変わっていく様子に、こちらまで笑みになっていた。


「不思議。私も古い友人に会ったみたい。……あ、私、何言っているんだろうね。学園で過ごした時間は短かったのに」

「晴子様のご友人でもありますわ」


 私は微笑むと首を振った。


「いいえ。やっぱり優華さんだけのご友人だわ。写真を一緒に撮るまで仲良くなったのはやっぱり優華さん自身の努力だもの。その中に『私』はいなくていいの」


 そう、それがきっと正解なんだ。


「晴子様……。もう一つ見て頂きたいものがあるのです」


 そう言って立ち上がると、優華さんはある部屋に案内してくれた。


「絵画の、主に人物画の部屋です」


 ということは風景画や抽象画部屋があるというのだろうか。さすが……。少し遠い目をしていると、こちらですと手を引かれた。あの、壁にずらりと並べられた価値の高そうな絵画は無視でオッケーなのですか?


「こちらの絵画ですわ」


 連れられて目の前に立たされたその絵画、それは幸せに満ちあふれて優しげに微笑んでいる優華さんの姿だった。


「わぁ……」


 この笑顔にフォーリンラブです。


「佐々木さんに婚約披露パーティーの数日後に頂いたのです。間に合わなくてすみませんと」

「ああ。有村さんの彼! そうなんだ。さすがね、優華さんに一目惚れしました」

「あら、うふふ、晴子様ったら。そしてこちらは有村さんからですわ」


 それは卒業パーティーだろうか。悠貴さんの手を取って今にもターンしそうなくらい躍動感のある優華さんの姿が描かれている。彼女らしい相変わらずパワフルな絵だ。


「すごい。エネルギーを感じるわ」


 優華さんはふふと笑う。わたくしこんな表情で躍っていたのかしらと。うん、本当に楽しそう。


「そして最後が沢口さんです」

「沢口さん?」


 明るくて友人思いでイケメン好きの沢口さん。彼女は一体どんな絵を描いたのかし――っ!?


「こ、れ……」


 そこに描かれていたのは、優華さんが男子生徒を勇猛果敢に取り押さえ込む姿だった。


「沢口さんの『瀬野優華像』はその姿のようですわ」


 彼女はその時の姿を見ていたはず……ないのに。


「わたくしの中に晴子様がいなくなっても、人々の記憶の中には『晴子様だった瀬野優華』は今もきっといるはずです」


 ああ、恥ずかしい。気付かれていたのか。私がいた痕跡はどこにもなくなってしまった寂しさに。これからも彼らと交流していく事ができる優華さんに感じた嫉妬に。本来得られるはずのない、ほんの束の間の夢だと分かっていたのに。……でもこれでようやくこの気持ちを整理できる。たとえ私がいた証がなくなったとしても、覚えてくれている人がいるのだから。


「優華さん、ありがとう。……情けない私でごめんね」

「見損なわないで頂きたいわ。わたくしは強い晴子様が好きなのではないのです。晴子様が『晴子様』だから大好きなのですよ」


 私って、本当に周りを見る事ができていないのね。目の前にはこんなに私を思ってくれる人がいるのに。本当に私はいつまでも成長しないな。


「私には優華さんたちがいる。とても幸せ者だわ。これからもよろしくね」

「ええ! もちろんですわ」


 でも、首元にがしりと抱きついてきて、むしろ逃がしませんわよと低く囁くのはお止め下さい。急にホラーになって怖いです。


「ところで晴子様」


 身体を離すと、私の肩に両手を置く優華さん。


「兄の事をどう思われますか」


 え? いきなり何でしょう!?


「そ、尊敬……して、おります?」


 あら、仕事以外で尊敬する所があったかしらと呟く優華さん、黒いですよ。


「では、男としてどうですか?」

「え、えーと。す、すて、素敵、ですね?」

「そうですか! では、晴子様の恋愛相手としてはいかがですか!」


 瞳をキラキラさせて前のめりになる優華さんに圧倒されてしまう。


「えっ!? な、ないですね?」

「そ、そんなっ。なぜっ!? なぜですか晴子様! 確かに無愛想で不器用で口数少ないから冷淡に見えますし、威圧感半端ないですし、無表情に人の事を引っかき回して引っ張り回しますし、あれ……いい所が無い、いえ、多分少しくらいはどこかに優しい所が落ちているはずですのよっ!」


 両肩をがくがくと揺らさないでー。落ち着いて優華さん。社長の扱いが酷いです、フルボッコですよ!


「えーっと。『社長の愛人』は駄目だというのがうちの家訓なので」

「…………は?」

「うちの家訓、もとい父の教訓なんだけどね」

「……何ですか、そのお父様の呪いの言葉は」


 呪いの言葉って大袈裟だなぁ。


「小さい頃、私が『社長の愛人になる』とか言って父を泣かせちゃって。それ以来、父が家訓にしたの、身に染みついちゃって。あははは」

「あはははではございません!」


 何か怒られた! ごめんなさい。


「あ、でも待って下さいな。愛人ではなくて恋人や結婚相手ならよろしいのではないでしょうか?」


 私と優華さんは見つめ合って、数秒間。


「……え、そうだったの?」

「そ、そうですわよ!」

「そっか。いえ私ね、交流の場で若い社長さん方がいても、家訓に従って素敵だなって気持ちを自制していたみたい。そっかー、別にいいんだ?」

「え!? い、いえ。そう、そうではなくてですねっ」

「ありがとう。目の前の霧が晴れて、何かちょっとだけ希望の光が見えた」


 私は優華さんの手を取ってぶんぶん振った。


「ま、待って! 待って聞いて下さい、うちの兄も『社長』なのですーっ!」


 日曜日の仕事も少しは気持ちが晴れるわ。ありがとう、優華さん。




 次の日。


「おはようございます、社長」

「おはよう」


 部屋に入ってきた社長に朝の挨拶をする。そして社長が椅子に座ろうと通り過ぎる時に何気を装ってチェック。昨日と違う服。香りに変化無し。あとは――。


「……何をしている?」


 はっ。背伸びしている私に気付いた社長が不審そうに足を止めてこちらを見た。……ホント私、何しているんだろ。


「い、いえ、何でもございません」


 私はもやもやした疑問を抱えつつも踵を下ろした。そして少し、ほんの少しだけ気になっていた事を聞いてみた。


「あ、そ、そうだ、社長。プレゼント、喜ばれました?」

「何の話だ?」


 社長は眉を顰める。


「で、ですから彼女さんにプレゼント」

「彼女?」

「え。だから、女性への贈り物」

「……ああ、それか」


 社長は口角を上げる。


「喜んで犬になると言っていたな」

「……そうですか。それは良かったで……ん?」


 それって私の事ですが、犬になることを喜んでいた訳じゃ……ではなくて、昨日の彼女さんとヨリを戻す為のプレゼントではなかった? じゃあ、あの昨日の女性は。


 ――はっ! 私、今何を聞こうとしていた!?


『相手の事を知りたくなったらそれは恋かも?』


 ふいにそんなフレーズが頭に浮かんだ。……いやいやいや。ナイナイナイ。手を振って打ち消す。優華さんが昨日、余計な事を言うから、思わず社長に当てはめてしまったじゃないか。もう、優華さんったらお茶目さん。


「友人だ」


 果たして元カレ元カノの間に友情は成り立つのか。そう言えば、友人が以前、話していたなぁ。『自分が振った相手なら相談相手くらいなってやってもいいわよ。けど振られた相手なら冗談じゃないわっ!』などと随分勝手な事を言っていた。うんうん。


 ……って今、超どうでもいい話です。そ、それより社長、『友人』って言いました? と、という事は私、まさか口に出していましたっ!?


「それより木津川君。そのスイーツ脳で身を滅ぼさないよう、せいぜい気を付けるんだな」


 挑戦的に笑う社長にどきりと胸が高鳴った。…………は? どきりって何なのだ。ヤバイ。本当に糖分の摂りすぎでおかしくなってるのかも。うん、社長の言う通りだ。しばらくケーキ禁止令を自分に課すことにしよう。


 そう決意しながら、私はいつものように業務に戻ったのだった。



(終)



「大体、お兄様が不甲斐ないのが悪いのですわ!」

「優華、何しているの」


 悠貴が覗き込むと、ぷんぷん怒りながら優華自ら箱詰めしているのはお見合い写真。


「お祖母様が用意したこのお兄様のお見合い写真、わたくしがずっと止めていたのですけど、もうお兄様の社長室に送りつけてやりますっ! 晴子様も少しはヤキモキされればいいのだわ!」

「……優華、応援したいの? 足、引っ張りたいの? まあ、それで晴子さんが気にしてくれるかどうか分からないけどね」


 悠貴は苦笑した。だが、優華の行動が功を奏するのは、もう間もなくの事……かもしれない。

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