件名:君に話したいことがあるんだ
遅筆なので随時更新していきます
1.
突然呼び出したりしてすまない、驚いただろう?
君にこんな告白をしようと思ったのは、やっぱり誰かに僕の気持ちと意見を主張したかったのかもしれない
すこし長い話になるかもしれないが、まぁ話半分にでも聞いてくれれば嬉しい
なぜなら僕は今から話す内容に意見を求めているわけではないんだ、ただ、やっぱり単純に聞いて欲しかったんだ、誰かに
僕は姉さんが好きだ
あの艶のある黒い髪も
ずるくて少し意地悪な性格も
ぱっちりとした二重や長い睫毛も
僕の前では少し雑でズボラなところや僕に優しくないところも
趣味や味覚が似ているところも
姉さんの全部が好きなんだ
姉さんが僕と血の繋がりがなければここまで好きにならなかったと思う
だって客観的に見ると嫌な奴だろう?僕の姉さんって
でも僕は姉さん以上に好きになれる人間なんていないんだ
僕にとっては姉さんが全てだし姉さんが誰かのものになってしまうなんて嫌だ
きっとこんなに好きなのは、この世界中で僕に環境も存在も一番近しい他人が姉さんだからかな
血の繋がりがあって、同じ親から生まれ、同じものを食べ、同じものを見て、でも心や考え方は同じじゃない、
こんなにも近しいのに一番大切なところはちっとも同じになれない、なれないから
たまらなく愛しいんだ
僕の家は君も知っての通り放任主義だろう?
それに僕は姉さんと違ってみんなに好かれるような性格をしていなかったし、心の底から誰かを信じる事が容易にできない捻くれた人間だったから、僕には姉さんしかいなかったんだ
昔から天才肌で人に好かれやすかった姉さんは本当に羨ましかったし、自慢の姉だった
だから僕は姉さんに憧れ憎み崇拝しているんだ
え?そうかな?
でも、これは行き過ぎた家族愛と呼ぶには汚れすぎているよ
僕は姉さんの華奢な背中を見ると抱きしめたくなるし、あのかわいらしい唇に官能的なキスをしたいし、僕に向けてくれた笑顔を見ると押し倒して組み敷きたくなるからね
性欲を伴ってしまったら家族愛とは呼べないだろう?
僕は正直なところこの僕の歪な愛は最も完成された愛だと思うんだ
血の繋がりがあるからこそ僕の姉さんへの愛は尽きる事はないし、姉さんも僕から離れられない
僕達の関係は永遠なんだ
道端にいるカップルの終わりのある恋なんかと比較にもならないほど永続的で美しいと思わないかい!
僕は姉さんの前ではこの先もずっと普通の弟で居続けるよ
そして僕は永遠に姉さんの唯一の弟であり続けるんだ
そろそろ姉さんが帰って来る時間かな、聞いてくれてありがとう
君は僕を軽蔑するかい?
そうか、君が理解のある友人でよかったよ
もし姉さんが死んでしまったら?そうだなぁ…
死んでしまったら僕の姉さんはいなくなってしまうことになるから、今度は姉さんを女として愛していくよ