表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

適星間距離 2

作者: 八月一日

 今となっては昔の事。星空に浮かび上がる白銀色の天体、月が蒼星の地球とたもとを分かつまでの話。

 一つの星に二つの命。まだ、蒼くも白銀でもなかった宇宙に浮かぶ何の変哲もない惑星だった頃の事。何物にも邪魔されず、一つの星に宿った二つの命は気兼ねなく、くるくると回りながら宇宙を漂っていました。互いに奪い合う事もせず、一つの命のようにくるくると。

 そんなある日のこと。何者にも邪魔されることなくくるくると回っていた所に招かれざるよそ者がやってきました。

 赤い、赤い線を描きながらまっすぐに近づいてくるそれはゆっくりと、けれど確実にぶつかるのを免れない所まで迫っていました。

 そして、ついに赤い線を描きながら直撃したそれは何の変哲もなかった惑星を大きくえぐり、二つに立ち割ってしまいました。

 一つの星に二つの命。ずっと、このままでいいと思っていたのにある日突然二つに割られ、一緒だった命も別れた星に一つずつになってしまいました。

 二つに別れても傍に居続けようとしましたが、どうして引き寄せてしまうのかあの赤い邪魔ものが幾度となく襲ってきました。目の前で、お互いを削られて行くのを目の当たりにして行くうちの片割れが決断しました。

 この赤い邪魔ものを全部引き受けようと。これ以上削られる事がないように、全部。

 そしてお互いが色づいて蒼い星、白銀の星になった今でもゆっくりと少しずつ距離を開けて行いっています。

 ずっと一緒だと思っていた蒼い星が赤い邪魔ものに壊されないよう。たくさんのクレーターを負いながらも蒼い星を守るために全てを引き受けて離れていく白銀の星。

 蒼く色づいてたくさんの命をはぐくんでいる様を見ながら、今日も蒼星の周りをくるくると回っています。


前に書いた適星間距離の違う星ver。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ