図書室の魔女
私がこれを思い付いたのは、脳味噌が10%しか使われていない事について深く考えてしまったからです。
何故そこからこれが生まれたのかはいまいち理解できていませんが、とにもかくにも、これを書くにあたって途中で投げ出す事だけはしたくないです。
そういう決意表明を最初に。
因みに、まだ題名の方がしっかり決まっている訳ではないので、(仮)とつけさせて頂きました。
また決まりましたら変わるかと思います。
話の区切り区切りで数字を入れてあるのですが、これは西尾維新さんの真似です。
この方が読みやすいのではと思いましたし、何しろ書きやすかったので。
もしこの事について咎められたら、と思い一応としてここに書かせて頂きました。
その辺りをご了承の上で、どうぞお読み下さい。
何だか上からの前置きになってしまいましたが、楽しんで頂けると幸いです。
01
読書、というのが、人に対してどのような影響を与えるのか。
受ける影響は多種多様なのだろうが、共通していることが一つある。
それは――知識を得る、という事だ。
それがプラスになろうと、マイナスになろうと、読んだ分だけ知識となって脳味噌に蓄えられる。
実際に得た知識を日常生活において活用する時があるか否かは、それこそ人それぞれなのだろうが。
しかし、人というものは本当に賢く、そして哀れだ。
人は脳味噌の10%しか使われていないというが、上限が決まっている訳ではないのだ。
200%かもしれないし、はたまた300%かもしれない。
数字が大きくなるにつれて使用されている部分が減るだけなのだが、もしも100%の内の10%ではなく200%の内の10%だとしたなら、それはとても、勿体無い事だと思う。
勿体無いどころではない。哀れだ。可哀想だ。
脳味噌がぎっしり詰まっている人ならば尚更だ。
何しろ10%しか使用されていないのだから、残りの脳味噌の価値ときたら。
それこそとんでもないものなのだろう。
S○ECじゃないのだから、超能力が開花とか、そういう話では無いのだけれど。
私が思うに、進化と退化を同時進行している人類が残りの脳味噌全てを使用し、活用することが出来たのならば、宇宙でも深海でもどこでも行けるのではないだろうか。
だからと言ってどうこうする訳では無いのだけど。
まず私にどうこう出来る訳が無いのだ。
という訳で、随分と長かったそこまで意味の無い前置きはここまでにして、そろそろ私の自己紹介といこう。
02
えー、改めまして初めまして、自称文学少女、針木結笑と申し上げておきましょう。
本名が何なのかって? それを教えてしまっては楽しみが一つ減ってしまいます。
なので私は黙秘権を行使します。ですが普通に針木結笑で通して下さって結構です。
年齢ですか? 女子ともあろう私に何て事を……。体重を聞くのと同じくらい失礼にあたりますよ。
え? 年齢くらいどうって事ない? ちっちっ。
今の情報社会なめてんじゃねえですよ。
個人情報を一つでも晒せば個人特定されるような世の中なんですから。
極端に言えば、ですけれど。
まあでもそんな事を言っても、誰が見るか、もしかしたら誰も見ないかも知れないような小説なのですし、仕方無いです。
個人情報ですから扱いには気を付けてくださいねと一応念を押しておきます。はい。
高校生です。嘘です。あ、いえ本当です。言ってみただけです。
……私は思います。私のような小娘の年齢なんてどうでもいいと、心底思います。
高校生ってだけでも興奮できる大人はいくらでもいるというのに、はっきりとした年齢まで教えてしまっては、より一層気持ち悪い大人の餌食になってしまうではありませんか。
と、思春期特有の反抗期というのを演じつつ、実年齢を上手く誤魔化す事に成功したところで。
自己紹介の続きです。
続いて、通っている学校です。
それくらい言ったとしても、1000人近く生徒がいるようなマンモス高校です。
私なんかすぐに埋もれてしまいます。個人特定云々の話じゃないです。
さっさと言え、ですね。言われなくとも言います。
錦野川東高校です。長いです。
漢字だからコンパクトに収まっていますが、にしきのがわひがしこうこうです。
長いです。おつむの外し方も分からない屑のように馬鹿で長いです。
馬鹿の高校です。嘘です。半端ないエリート高校です。
進学率97%です。本当に、有り得ないくらいの数字ですよね。
実際そうなのかは知りませんが。というか有り得ないのかさえも知らないです。
知らない事は知らない。興味が無ければそれまでの事です。
おっと、本日何度目かの脱線。
どうやら私は自己紹介がとても苦手なようです。
さて。
自己紹介でお話全てが終わってしまいそうな勢いなので、ここまでに留めて置きましょう。
知りたいことがまだある? そんな事どうだって良いです。
私は嫌と言う程自分の事を知っていますし、それに私は気分屋で毒舌で、我儘なんです。
気が変わりでもしない限り、質問に答える気はないです。放置です。
放置プレイはお好きでしたか? 好きじゃない? 残念です。貴方実は構ってちゃんだったんですね。
図書委員長さん。
03
俺と彼女以外誰もいない図書室。
そう言えば聞こえは良いが(どう良いというのだろうか)、実際は全然、全くと言っていい程に良くない。
この状況は。とても良くない。
いつの間にやら文中に強制参加させられていた俺、図書委員長こと桐川肇は、これまでの自己紹介、否、質疑応答において質問をしたのが全て俺と決め付けられてしまっている現状に、とても不機嫌である。
針木結笑という人物が相当に性格が悪い事は知っているし、先程まで行っていた自己紹介も全て自作自演していた事も俺は知っている。
要するに俺は自分が無実であることを主張したいだけだ。
やってもいない罪を擦り付けられるだなんて、理不尽かつ屈辱的過ぎる。
ただ用事を思い出して図書室に入っただけなのだから、そう思うのは極々当たり前の事だ。
弁解などせずとも大丈夫だとは思うのだけれど、念には念をと昔から言われているのだし、そういう事は実践しておくべきだと思う。
針木結笑に対してならば尚更。
彼女はこの高校において、最も注意すべき要注意人物なのだから。
04
要注意人物、というのは言葉の通り、彼女が本当に危険な人物であるという事だ。
決して暴力的とか、そういう意味での危険ではなく。
見かけが危険という意味でもなく。(見かけが危険って何だ?)
彼女の行動が、彼女の存在自体が既に"危険"なのである。
正直な話、彼女に触れさえしなければ、全くの無害と言って良いのだが(害は無くても不快にはさせそうだ)、体の何処かが触れてしまえばそれだけでもう、駄目なのだ。
要注意までとは行かずとも、注意人物くらいにはなってしまう。
わーい、格上げだ! なんて喜ばしい事ではない。
過去に彼女に触れてしまった生徒は皆、地下行きだ。
格下げだ。どーんと格下げだ。格上げどころじゃない。
しかし正直なところ、地下がどうなっているか、一般の生徒には分からない。
つまり、地下に降りればそこには、きらびやかで豪華な世界が広がっているかも知れない。
一方で厳しい労働生活が待っているのかも知れない。
お前たちはもう人ではない! 家畜だ! 奴隷だ! とか言われて。
ああ、嫌だなあ。
彼女に触れてしまえばもうそれだけで人生終わりかもしれない。
華麗なる俺の人生設計が。壊れてしまう。ぼろぼろに、破壊されてしまう。
それだけは避けたい。
だって俺は、いつも通り、涼しい顔をして図書委員長をやっていたいのだから。
05
先程から何度も『彼女に触れてはいけない』といった事を言っているが、何故触れてはいけないのか、触れるとどうなってしまうのか、気になるだろう。
散々引っ張ってきたのだから、そう思うのも当然だ。
そろそろ言っても良い頃合と見計らって、言わせて頂こう。
彼女、針木結笑は――魔女だ。
魔女と言っても、触れてはいけないだけの存在。
何故なら彼女は、触れた所から徐々に体を侵食し、やがては不死身にさせてしまうという、そんな恐ろしい魔法を使うからだ。
性格も恐ろしいだけに。
不死身になるには勿論それなりにリスクは伴うし、死んでしまう可能性だって大いにある。
それに、不死身になってしまえば、それは己の死という事になる。
体が根本から作り替えられるのだから、精神だってまるきりの別人になってしまう。
つまり今までの自分の『死』だ。
少々リスクとしては大きい。大き過ぎる。
それでも不死身になりたいと自ら彼女に触れたがる人もいたが、彼女はそれを拒み、逃げ続けた。
そりゃ勿論、他人に体をべたべた触られたくは無いだろう。
そういう事では無いのだろうが。
『馬鹿か。お前達は馬鹿なのか。不死身の辛さを知らぬ癖に本当に馬鹿だな。よし、今決めた。私はこの人なら不死身にしても良いと思える人にしか触れない事にする。良いな』
そう彼女は言ったのだ。少し前の朝会で。大勢の前で。気分屋で我儘で自分勝手な彼女が。
とても優しい魔女であると、これで大丈夫だと、今まで彼女を恐れていた生徒からの株急上昇だ。
だが、彼女が危険である事には変わりない。
知らぬ間に誰かと接触しているのかも知れないのだから。
そして俺は今、その魔女とばったり偶然、対峙してしまっているのだが。
最近はファンタジーに走る事が多く、現実逃避したいのかな、と自分で思います。
確かに昨今はとても忙しい日々を送らせていただいておりますけど。
正直小説書いてる暇なんてこれっぽっちもありません。
でも書かないと頭が可笑しくなってしまうので書きます。
矛盾してます。もう頭既に可笑しいですね…。
一応、ここに読み方の方困ったらあれですので、名前の読み方書いておきます。
針木結笑→はりきゆえ
桐川肇→きりかわはじめ
それではまたリアルの方が一段落着いてから。
もし良ければ何かコメント下さると嬉しいです。
次回も良ければ宜しくお願いします。