第4話 ボクの秘密=即バレる
結局、ボクたちが入れ替わったことは一晩でお互いの家族にばれてしまった。
そりゃあそうだよね? 17年間ずっと一緒に暮らしてきた家族なんだもん。バレない方がおかしい訳ですよ! で、お互いの家族が話し合った結果、高校卒業するまでお互いの家族を交換した状態で過ごそうって話になった。世間体あるししかたないよね?
もっとも、ボクと真清以外の全員は、「高校卒業した後はもう同棲とかしちゃえば良いじゃない。どうせ結婚するんでしょ?」と考えてるらしい……。と言うか、ボクの母さんと真清の母さんが口をそろえてボクたちふたりに言って来た。気が早すぎるんだよ! まったく……。
学校の方は今まで通りだった。
クラスは同じでお互いフォローできるってのもあったし、真清もボクも『小さい頃からいつも一緒に行動する幼馴染』なんて存在もいなかったから怪しむような人も出なかった。
いや、変だな? と思った人もいたみたいだけど、真清の場合は『身を挺して真清を救ったことが原因で一皮むけて逞しくなった』という評価だし、ボクに至っては『直に命を助けられてとうとうデレた!』という不名誉な評価。ていうかデレってなんだよ! デレって! ボクよりも真清の方が男らしいって評価されるなんて……とほほ~……。
「なにしょぼくれてるんだよ? 真清」
「しょ、しょぼくれてなんかない……わよ! 良い? そんな変な妄想は頭から追い出しなさいよ!?」
「全く……真清は笑ってる方が可愛いのに……。ほら、笑顔笑顔!」
そう言って、ボクを抱き寄せる真清……。
「って、教室の中で抱き付くの禁止! 禁止なんだからぁぁぁあああ!!!!」
クラスメイトからの好奇の視線と黄色い声に囲まれたボクは思わず真清の腕から無理やり逃げて叫んだ。