腐った鎖
「腐った!腐った!!」
あぁなんだってそんなに騒げるのかね。
「あーマジうるせー。で、何が?」
一応聞いてみてやる。
「ほら見て。これおそろいで買ったペンダント!腐ってるの!!」
差し出してきたペンダントは確かに俺とおんなじ形だったりして。
「・・・いつおそろいで買ったんだっけ?お前がマネしてきただけだろ」
とりあえず気になったことを聞いてみる。
「・・・うっさいな、細かいこと気にするなよ。あんたA型だろ?」
まぁA型ですけどね。
「っていうか腐ってねーし。これ錆びてるだけ」
そもそもペンダント、生ものじゃねーし。くさんねーし。
「え?そうなの??そうなんだ、よかった!」
・・・立ち直りの早い奴だな、マジで。
「で、どうすんだ?錆びてんのそのままか?」
一応聞いてみてやる。
「うーん。汚いから捨てるよ」
・・・・おそろいを簡単に捨てるのかよ!
「あ、そうかいそうかい」
別にどうでもいいけど、気にしてなんてないぞ、気にしてなんか。
「そんな悲しそうな顔しないでよぉ」
してません!断じてしてませんとも!!
「だから捨てちゃえばいいじゃん!」
そういうと馬鹿なお前は俺のペンダントをむしりとり(し、死ぬ!)川に放り投げた。
迷いなく。
なんの迷いもなく。
ってふざけるなぁ!!
「おいおい、ちょっと君、君、何勝手に捨ててんだ!?」
川の流れはとても速くドラマみたいに探す気になんてとてもなれやしない。
寒いの嫌いだし。
風邪引きたくねーし。
「まぁいいじゃん、いいじゃん。」
笑顔の馬鹿は。
「それよか超可愛いの見つけたんだよねぇ~」
とはしゃいでみせる。
「へーそれで?」
まぁ一応聞いてみてやる。
「僕それ買うからさ。おそろいで買えばいいじゃん?」
「へぇー」
なんだ、そりゃ?
「逆輸入みたいな?」
意味分からんし。
「じゃあ今からいこーね!」
今からかよ!
引っ張られてるし!!
なんだかもうめんどくせーから。
なんでもいいか。
どんどん引っ張ってくれよ。
しっかりついてってやるからさ。
ぐわって自由に騒げるのっていいなぁと。