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第三話 宇宙(そら)へ 3

 那々たちが病院に近づくと、霞の携帯のベルが鳴る。

「もしもし、杷月さん、もう少しで着くよ」

『事前に飯綱を潜入させて調べておいたわ。強い妖気は地下から一階にかけて残ってる。元凶は一階より上には行っていないようね。病院の方には連絡して、全員二階に避難するように指示しておいたわ』

「さすが杷月さん、やる事が素早い。で、わたしたちはどうする?」

『マリエットは二階に待機して、もし悪霊が来たら患者を守るように、霞は地下の手術室にいって悪霊を引き寄せている元凶を断ちなさい』

「了解!」

 三人が病院に着く頃には、夜の帳が下りていた。病院は一階の一部屋を残して全ての電気が消えていた。

「急がないとまずそうだ!」

 少女達が病院に足を踏み入れた瞬間、異様に冷たい空気が包み込む。空間が明らかに変質していた。霞は中に入ると即座に言った。

「マリエットは上」

「はい」

「あのぅ、わたしは?」

「那々はわたしと一緒に除霊体験第二弾さ」

「はいっ!」

「クーちゃんを連れて行って下さい」

 マリエットの頭から那々の頭の上にクーちゃんは飛び移った。それからマリエットは暗い中で二階に繋がる階段を上っていった。

「わたし達は地下だ」

「ちょっと待って下さい。向こうに電気が付いてる部屋がありますよ」

 那々はその部屋に向かって走った。そして、明かりに近づくにつれて那々は確信した。そこは梨奈の部屋だった。那々が部屋の扉を開けると、一人の医師と三人の看護婦が集まっていた。

「なにしてるのさ、ここは危険だよ! 早く二階に非難して!」

 霞がまくしたてると、医者は首を横に振った。

「この子は先ほど容態が急変して、意識不明の重体なんだ。動かすことは出来ないよ。さっき突然病院内の電源がおちてしまって、今は何とか予備の電源で機材を動かしている。もし予備電源まで落ちたら、この子は確実に死にます」

「梨奈ちゃん…」

 那々は酸素マスクを付けている梨奈の姿を見て胸が張り裂けるような思いがした。

「なるべく早く片を付けるしかないわね。行くよ、那々!」

「はい!」

 二人は闇の中を地下室に向かって走った。

『上から来るぞ!』

 クーちゃんが騒ぎ出すと、霞は二振りの刀の鞘を捨て、銀の刀身が露となって光る。

「見せてあげるよ、わたしの霊術!」

 霞の刀に淡い光が宿った。同時に上から二体の悪霊が襲ってくる。霞は跳躍して、それらをまとめて斬り上げて真っ二つにした。悪霊共はたちどころに消滅する。

「ふわあ、消えた」

「わたしはあらゆる武器に霊力を宿す事が出来るんだ。その武器で攻撃された悪霊は浄化されるのさ」

「すごいですねぇ。ところで、その背中のものがすごく気になってるんですけど」

 霞はいつの間にか、黒い布で覆われた長物を背中に付けていた。

「ああ、これ、御守みたいなものだから、気にしないで」

「御守なんですか!? ずいぶん大きいんですね。形も変わってるし、御守も日々進化しているという事ですね」

「…言っとくけど、あんたが想像してるような神社の御守とは違うからね」

「そうでしたか~、何かおかしいとは思いました」

「そんなの見りゃ分かるでしょ!」

 その御守は、霞が杷月の目を盗んで持ってきたものだった。

『来るぞ、前!』

 クーちゃんが言うと、多くの悪霊が姿を現す。顔と体の崩れた人の形をしたものが、一様に生者を呪う呻きをあげてぞろぞろと近づいてきた。ホラー映画差ながらの光景に、さすがの那々も腰が引けた。一方、霞は高揚して弦月のような笑みを浮かべ、身を屈めると矢を打ち出すような勢いで突進する。

「悪霊退散!」

 無数の銀光が闇夜を走る。十体近い悪霊が胴や胸から寸断されて、那々の前に転がった。霊体故に血が吹き出る事はないが、切断部から露になった内臓を、那々は直視して震えた。

「こ、こ、怖いですぅ……」

「あんた、慣れてるんじゃなかったの?」

「こんなリアルスプラッターハウスな状況には慣れていません」

「なによそれ?」

 霞が言った瞬間に、那々はこれ以上ない驚きで目を丸くして、とても信じられないという顔をする。

「えええぇーーーっ!!? 知らないんですか!!?」

「し、知らないわよ。悪かったわね」

 霞は最近の映画のタイトルか何かかと思い、考えてみたが、スプラッターハウスなんて聞いた事もなかった。

「今から20年以上前に流行った有名なホラーゲームですよ」

「んなもん分かるかボケっ!!」

「知らないなんて驚きです」

「わたしより年下のあんたがそれを知っている事の方が驚きだよ!」

「名作ですよ」

「もういいから! 先に進むよ!」

 霞は次々と襲ってくる悪霊をぶった斬って先へ進む。そして地下への入り口まで来たところで、携帯が鳴った。

「杷月さん、どうしたの?」

『元凶の正体が分かったわ。あなたは地下が戦前からあると思っていたみたいだけど、那由多医大が建築されたのは戦後の事よ。地下の施設も十年前までは使われていたわ』

「なんだって? じゃあ前に見た日本兵の幽霊は?」

『それはたまたま引き寄せられてそこにいただけよ。恐らく地下に潜んでいるのは、元々はこの病院の医者だった者よ。地下の施設はね、十年前に起こった陰惨な事件の後に封印されたの』

「陰惨な事件って?」

『狂った医者がいて、手術をすると称し、地下の施設で五人もの患者を殺害したわ。殺害方法は加害者の臓器を一つずつ切り取っていくという残酷なものよ。その上、切り取った内臓まで解剖していたという話よ。その男の死刑が一ヶ月ほど前に施行されてる』

「そいつが幽霊になって、ここに戻ってきたって訳か」

『そういうことね。そのマッドドクターの悪霊を見つけて潰しなさい』

「分かった!」

 霞は携帯を閉じると言った。

「一気にいくよ!」

 霞と那々は地下へと続く階段を一気に駆け下りる。廃棄された地下施設には更に多くの悪霊が待ち受けていた。霞は跳躍し、その中へ飛び込んでいく。

「どけーっ!!」

 霞の一刀が眼前の悪霊を両断する。次の瞬間には霞の周囲に閃光の円が描かれ、周りにいた悪霊が一気に消滅した。

 奥へと進むと、封印された手術室の扉が現れる。霞はそれを蹴破って中に駆け込んだ。そこには埃の溜まった寝台や手術の器具があるだけでがらんとしていた。

「どういう事だ、霊の気配もない……」

『上だ!』

 クーちゃんが言うと、那々が全力で走り出し、来た道を戻った。一気に階段を駆け上がり、まっすぐ続く廊下を走って明かりのある一部屋へと向かう。

「梨奈ちゃん!!」

 病室に何かが入っていくのが那々には見えた。その直後、中で梨奈の看護をしていた医者が、激しく震えだす。

「うひひ、くけ、くひひ……」

「先生?」

 三人の看護婦が医師を怪訝な目で見つめる。

「かわいいね~っ、子供の中身は見た事がないなぁ~」

 近くの棚に果物ナイフを認めると、気味の悪い笑みをうかべて唾液をたらしながらそれを手に取った。

「見たい! 見たい! この子の中身が見たーーーいっ!!」

 医師は発狂しながら果物ナイフの鞘を取って、梨奈に向かって突き下ろす。看護婦達が驚いてそれを止めた。

「先生! 何をなさるんですか!」

「邪魔するなーーーっ!!!」

 凄まじい力で看護婦三人が弾き飛ばされ、壁やベッドに激突した。二人は気を失い、一人は朦朧とする意識の中で医師の凶行を見た。彼は今にも幼い少女の胸にナイフを振り下ろそうとしていた。

「だ、誰か止めて……」

 その時、扉が開いて那々が部屋に飛び込んできた。

「駄目ぇーーーっ!!」

 那々が梨奈の上に覆いかぶさる。医師の形相が鬼のように歪んだ。

「ええい! ならお前の中身から見てやるわーっ!!」

 那々の背中に向かって、人のものを遥かに超える力でナイフが振り下ろされる。だが、それが那々の背中に突き刺さる直前に、何かの力に弾き返された。同時に那々から発せられた白い光が病室を満たし、医師はいきなり衝撃を受けて吹っ飛んで壁に激突すると意識が飛んだ。

後から来た霞は、病室の入り口から溢れる光に目を細めた。

「この光はなんだ!? 何が起こっているんだよ!?」

 突然、病室の壁をすり抜けて、一糸纏わぬ巨躯の男が出て来る。

「ぐうおおおおぉーーーっ!!!」

 男が獣のように叫んだ。霞はそれに向かって両刀を構えた。

「出たな、こいつが元凶か!」

 その時、病室の光が消えて、那々が入り口から出て来た。その腕には梨奈を抱いていた。

「あれ、その子死にそうだったんじゃ」

「なんかわたし、人を元気にする力があるみたいです」

「まじかよ」

 梨奈が恐ろしい形相で睨む男を指差して言った。

「あのおじさん、裸だ~」

「本当だ! あれはまさしく、変質者!!」

「気持ちは分かるけど、悪霊だから!」

 男の霊に、まだ生き残っていた悪霊たちが集まってくる。男は更に巨大化し、取り込んだ悪霊たちの顔が体中から浮き出ると、それぞれの口から異様な声が漏れた。

巨大な拳が、那々に向かって振り下ろされる。物理的な破壊力はないが、魂を砕かれる一撃だ。那々の前に素早く霞が割り込んできて、拳を交差させた二刀で止めた。

「こいつはその子を狙ってる。離れて!」

 那々が梨奈を抱いたまま少し離れると、霞は悪霊の拳を押し返し、右から横一文字の一閃で、敵の両足を切断、半瞬後には真上に跳躍すると同時に両手の刀を切り上げて両腕を断ち、さらに下降しながら首と胴を断った。百顔の巨人は一瞬にしてバラバラにされ、七つに分かれた体躯がリノリウムの床に崩れ落ちる。

「やったか!」

 霞が言ったそばから、異変が起こった。悪霊の胸部に腕や胴部などが次々と引き寄せられて繋がっていく。那々はそれを食い入るように見つつ言った。

「これは、戦隊物のロボットを彷彿とさせる鮮やかな合体!!」

「どこがよ!? こんなきもい合体、子供が見たらトラウマになるわ!!」

「もうなってますね」

「はわわ…」

 那々に抱かれている梨奈が、世にもおぞましい合体を見て震えていた。

「アホなこと言ってないで、もっと離れなさいよ! 危ないんだから!」

「あ、後ろ! 来てます!」

 霞が振り向くと、那々はそそくさと逃げた。悪霊は獣のように床を張って、四肢を素早く動かして霞の目前まで来ていた。

「早い!?」

 悪霊が邪魔なものをどけるように野太い右腕を払い、霞はそれをまともに喰らって吹っ飛び、壁に叩きつけられた。

「先輩!?」

 那々は叫ぶが、他人の心配をしている場合ではなかった。悪霊が地を這う猿に近い異様な動きで迫ってきた。那々に成す術はなく、梨奈を守る為に抱き込んで悪霊に背中を見せる。

――殺されちゃう!

 那々が無言の叫びをあげたその時、銃声が闇夜に重く響く。

「ぐあああぁぁっ!!!」

 悪霊が頭を抱えて絶叫する。その頭部には無数の穴が開いていた。

「調子にのってんじゃねぇ、この変態医者が!」

 霞は背中にあった長物を手に持っていて、それを包んでいる黒い布に開いた穴から煙が昇っていた。霞がその黒布を取り払うと、ポンプ式のショットガンが姿を現す。それから彼女は丸いものを真上に放ち、落ちてきたそれを再び手に取ると、安全ピンを噛んで引き抜いた。

「喰らえ! 五樹特製、退魔フラッシュボム!」

 霞が投げた手榴弾が悪霊に接触した瞬間に眩い光を放った。悪霊の巨体に浮かんでいる顔の数だけ悲鳴があがり、光が失せた後には、悪霊の体に浮かんでいた顔が数えるほどに減り、躯体が一回り小さくなっていた。

「退魔フラッシュボムは力の弱い霊を消滅させる。お前みたいな複合霊には効果覿面さ」

 霞がショットガンを上下に振って弾を充填すると、銃身が淡く輝いた。普通は霊に銃弾など通用しないが、霞の霊力を弾丸に込めれば霊体を打ち抜く事も可能だ。

「覚悟しな!」

 ショットガンが火を吹いて、今度は悪霊の胸に無数の穴を開ける。霞はじりじりと前に出ながら銃身を振っては撃ちを繰り返し、悪霊は一撃ごとに後ずさった。

「きゃはははは! 殺人鬼の腐れ医者が! 蜂の巣になれ!!」

「あわわ、先輩が壊れたぁ!?」

霞は喜色を浮かべてショットガンを撃ちまくり、悪霊はあっという間に全身蜂の巣にされ、今にも消滅しそうな状態で弱々しく呻いた。霞は銃を投げ捨てて霊の頭上へと跳躍する。そして左手に持っていた刀を右に持ち替えて下降した。

「滅せよ悪霊!!」

 マッドドクターの悪霊は、脳天から一刀両断にされる。その瞬間に、獣と言うにもおぞましい断末魔の悲鳴をあげて消滅していった。

「先輩すごいです!」

「ふっ、五樹にかかればこんなもんさ」

「よ~し、悪霊を倒したところで、屋上へ行きましょう」

「何で!?」

「夜も更けてきて、星が綺麗な時分ですよ!」

 那々は梨奈の手を引いて、階段がある方へ急いだ。

「ちょっと那々、意味わかんないわよ!?」

 霞は那々の後を追う事になった。

 那々は梨奈と一緒に屋上に出た。春の夜風がよく通る肌寒い夜だった。見上げれば、宝石を散りばめたような輝きが夜空を覆っていた。

 後から来た霞が、那々の意味不明の行動に少し苛ついていた。

「一体なんだって言うのよ!」

 その時になって、霞は闇夜に佇む梨奈の姿を見てはっとさせられた。梨奈の体が透けているように思えたのだ。

「那々、その子は幽霊…」

「しーっ、言っちゃ駄目です!」

 那々は人差し指を唇に当てて、霞を黙らせた後に言った。

「梨奈ちゃん、楽しい宇宙旅行の時間ですよ」

「宇宙旅行?」

「そうです。これからお空に飛んで宇宙を旅できるんですよ」

「本当に?」

「はい! その証拠にほら」

 那々が梨奈を抱き上げて手を離すと、梨奈は下には落ちないでそのまま空中に止まっていた。

「うわぁ、すごく軽い~」

「さあ、旅立ちの時です」

「お姉ちゃんも一緒に行こうよ」

「ごめんね、わたしは行けないんです」

「一人じゃ寂しいよ……」

「楽しい旅の終わりには、優しいお母さんに会えますよ」

「本当に? 絶対?」

「絶対です! だから寂しくなんてありませんよ」

「わたしお母さんに会いに行く!」

 幼い少女は星に向かって飛んだ。疑いなど一つもない、ただ希望だけを胸に宇宙(そら)へと飛んでいった。

那々と霞は、次第に小さくなってゆく梨奈の姿を見上げていた。那々は言った。

「お母さんが言っていました。人間は喜びの中で死んでいける唯一の生き物だって。喜びの中で亡くなった人は、喜びの中で生まれいずるのです。梨奈ちゃんは優しいお母さんの元に生まれて、今度は幸せになれるはずです。もしかしたら、その家はお花屋さんだったりするかもしれませんね!」

「……」

霞は死ぬことに喜びがあるなど考えた事もなかった。そうであるならば、梨奈が死ぬと

分かっていた那々が悲しくないと言った事も分かるような気がした。


 空も白む夜明け近くに、梨奈の病室で気を失っていた医師が目を覚ます。看護婦たちは梨奈のベッドを囲んでいるのが見えた。

「頭が痛い…何があったのかまったく思い出せない……」

 医師は起き上がり、ベッドの患者を確認すると言った。

「病状が回復したのか!? 君達は何をぼっと突っ立っているんだい?」

「先生、この患者は既に亡くなっています」

 微笑を浮かべ、生前とまったく変わらない姿の少女がそこにいた。医師が生きていると思うほどに、梨奈の姿は安らかだった。医師が思わず疑って脈を確認すると、心臓はとまっているのに、その手はまだ温かい。

 看護婦の一人が泣きながら言った。

「まるで楽しい夢を見ているようですね。ただ眠っているとしか思えない」

 那々がこの部屋に飛び込んできた時に、梨奈は既に亡くなっていた。だから那々は、霊体だけを連れて出たのだ。宇宙(そら)へと送るために。


 あれから病院での怪異はなくなった。かなりの儲けになる仕事を終えて、この日の杷月は上機嫌だった。

 杷月が外の用事から帰ってきて会社のポストを確認すると、那由多医大から封筒が届いていた。

「何かしら?」

 杷月が会社に帰って自室で封筒の中身を確認すると、茫然自失となった。何とそれには一五〇万の相殺処理の詳細が書かれ、無数の銃創がある壁や床、破壊された窓ガラスや病院の設備などの写真が十数枚同封されていた。つまり一五〇万は病院の修理費の露と消えたのだ。怒りの炎が杷月を包み込む。

「霞!!」

 杷月はドアを壊すくらいの勢いで開けて、社員がいる隣の部屋に入っていく。

「な、なによ、どうしたの?」

「どうしたのじゃないでしょう! あれほど言ったのに、現場に銃を持っていったわね!」

「え、あ、えっと、そんなの持っていってないよ」

「じゃあこの写真はなんなのかしらねぇ? どう見ても散弾銃の銃創なんだけど」

「いや、わたしは知らないよ。ねぇ那々、わたし銃なんて使ってないよね?」

「はい! 先輩は壊れてバンバン撃ちまくってました!」

「少しはフォローしろ!」

 杷月の怒りのボルテージが急上昇すると、マリエットがタロットを切ってから一番上のカードを霞に見せる。

「こんなの出ました」

 死神の絵が霞の目に飛び込んだ。

「いやぁーーーっ!?」

「覚悟は出来ているんでしょうねぇ」

「逃げるが勝ち!」

 霞が逃げようとすると、既に白羅が入り口を塞いでいた。さらに社長室から数十匹の飯綱が出てきて霞を包囲する。霞は恐怖のあまり声も出なかった。

「お馬鹿さんには、たっぷりお仕置きしなきゃねぇ」

 那々とマリエットは二人して逃げるように会社から退散していた。その日、妖命社から聞こえてくる悲鳴に、周辺の住民は恐怖したと言う。


宇宙(そら)へ・・・終わり


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