タバコ好きの俺が異世界でタバコ農家を始めます。
朝になると、カーテンをしていない窓からの朝日と蝉の鳴き声で目が覚める。
目覚ましがいらない八月の朝だ。
重い腰を上げつつ、隣で寝ている嫁と、嫁の顔の隣で気持ちよさそうに寝ている愛猫の(きぃ)を
横目に立ち上がりリビングの窓際のソファーに腰掛けてタバコを1本口元へ運ぶ。
しゅっ。
部屋の中にオイルライターの心地よい音が響く。
「ふぅ・・・。」
朝起きての一服。これが俺の至福のひとときだ。
珈琲もあれば尚更よし。
だが一度火をつけてしまったら、もう立ち上がりたくないものだ。
「おはよぉ。ご飯とお弁当いまからつくるね。」
眠そうな目をこすりながら嫁の、優衣が起きてきた。
キッチンへ向かう優衣を眺めながら、いつも通りにタバコを吸う。
こんな当たり前の日常がいつまでも続くと思っていた。
今日までは・・・・