94.襲撃の夜
オクティに抱きかかえられたまま玄関から帰ってくると、リナが迎えに出てきた。
「おかえりなさいませオクトエイド様、チョーコ様。本日は徒歩で帰還されたのですね……なにかございましたか?」
「ただいま。新しい酒を見つけたり色々してるうちにチョーコが酔って寝ちゃってさ、転送盤で帰って来たんだ」
「えへへ……ちょっと魔力回復で多く飲んだら酔っちゃった」
「あらまぁ、珍しいですわね?ダンジョン探索はいかがでしたの?」
「うん、無事にクリアしてきたよ!」
食堂へ入ると、何も言わなくても木箱と大きなボウルが何個か持って来られつつ、ミナとマナも来るけど……ニナとルナが居ない。
「あれ、2人は?」
「商店街へ洞窟のドット様達ご一行、総勢35名をお連れしておりますわ。チョーコ様へのお支払いは懐中時計と最新文字盤の室内時計を20個ずつ頂きました。また不死族の方々達もきちんとお話をされたいと、マッサージ店を貸し切りとして応対……まではよろしいのですが」
「ですが?」
「ドット様達がすっかり元気になったから何かお礼をと商店街をご覧になりまして。
時計が最初期のものであることが気に入らないと、文字盤や針を最新のものに、ベルも今までの4つの印には2回ずつ、他の8つの刻限に1回ずつ鳴るように変更。そして洞穴の強度が甘いと、壁や柱や天井の補強工事をなさいました」
「え。いきなり工事始めちゃったの??」
「はい。先程その作業が終わったので見送ると連絡がありましたので。2人も間もなく帰還致しますわ」
「ま、まぁ……人間とケンカしたとか暴れたとかじゃないなら、いいかなぁ」
とりあえず。箱にバナナ、ライム、ユズ、黒ゴマ、白ゴマ。ボウルに入るようにきゅうりを折ったものを積み上げ、赤ワインと白ワインのボトルを100本ずつ。黄緑と紫の染料の塊は多めに……と出し終わった辺りで玄関からの音。
「ただいま帰りました」
若干疲れた表情の2人が入ってきて時計の山が入った箱を2つ食堂の机に置き、また新しい作物が沢山ありますのねという顔をする。
「おかえり!ドットさんたち、勝手に工事を始めちゃったんだって?大変だったみたいね?」
「いえ、商店街は私有地ですから。工事云々についてはロイド会長は結果のみ事後報告で良いとおっしゃり、チョーコ様も問題ないと判断されれば。ただ、大時計のあと3つはどこだと粘られまして……広場はともかく魔塔と城の補修は先に許可を取らせて頂きたく、本日は一旦お帰り頂きましたわ」
「あぁ、うん。本当にお疲れさま!」
「室内時計は新しいものを沢山持って来たので、是非差し替えで使って欲しいとのことですわ」
「うん……ドットさん達が見に来ることもあるかもしれないし、うちのはすぐ交換しよっか」
「かしこまりました。それから懐中時計を20個も頂いてしまいましたが、オクトエイド様もおひとつお持ちになりませんか?」
「あぁ、ダンジョンの中で帰りの時間を見るのに、1つは持っておこうかな」
「メイドさん達も持つ?なんなら秘書さん達にも配る?」
「わたくし達や秘書たちは通信石がありますので、時計は1つずつ頂けたら有難いですが。それより商店街の中を動き回る元遠征隊の監査員ですとか、地上警備の軍人たちなどに10……いえ倉庫の2人にも欲しいですわね。帝国内の軍部にも5はお分けしたいところです」
「じゃあ商店街に12と軍部に5で、あとはオクティとニナと秘書さんでいいかな」
ニナが懐中時計を仕分け始めると、一緒についていたルナが口を開く。
「小人族の方々はお飲み物は各自アルコールをお茶などで濃いめに割ったものを数杯ずつ、お食事は屋台で売っているタレ付きのブタ串焼きを多数ご所望されました。不死族のフルセットマッサージを含めてもお支払いは35名まとめてミスリル貨4枚に届かず、チョーコ様の口座からお支払い済みですわ」
「ありがとう。ん?すごく強いお酒が大好きなあの人たちの35人分にしては安かった??」
1人金貨10枚越えは人間なら豪遊してると思うけど。ドットさん達、お酒を人間の百倍くらい飲むもんね。ウィスキーボトル1本ずつくらいは覚悟してたからちょっと意外。
「特に遠慮なさった様子はなく、純粋に油の多いブタ肉と砂糖醤油や味噌の味付けを大いに気に入られ、それと相性の合うお酒がアルコールの緑茶割りだっただけですわね。凍土産の素材ばかりですからお安くなりました」
「あぁそういうことね!気に入って貰えたのならよかった」
次にリナが挙手。
「ホウレンソウについて不死族の方からは。まず食用部分は非常によいと栽培を推奨され、病院食にも取り入れたいというご希望でしたので、少し多めに栽培を開始しております。種をそのまま粉砕乾燥させたものについては、1度の中毒性は軽くとも、繰り返すと徐々に蓄積されてしまうので、短期間での連続使用は避けた方がよいとのこと。
ご用意頂いた粉末は全て高揚感を取り除き、身体強化のみで禁断症状が出ないものを精製して頂くことができましたので、現在不死族が生成できる薬剤の1つとして登録する安全チェックに回しております」
「あ、普通に使える物になりそう?よかった、そっちだったら飲み過ぎて魔力欠乏を起こさないようにさえ気を付ければ、身体強化の訓練の効率は凄くよくなるはずだから、トレーニング用に使って貰って良さそう!」
「――レガリア魔法国へも、薬物は精製済みの物を使うように求め、同時に栽培と輸出についての申し入れをすることになりました。あちらには完全に手放して頂いて、一本化したい考えですわ」
「ホウレンソウって結構高く売ってたんだよね?レガリアは大丈夫かな……」
「国内で所持栽培しているホウレンソウおよび種子を1粒残らず提出するのであれば、栽培の権利をコンヴィニ商会が独占する見返りとして、締結の時点で食べ頃まで育っている葉野菜のみ全てコンヴィニ商会が購入いたします。
その上、今後は精製済みの安全な薬剤を毎月決まった分量ずつレガリア国軍に継続提供。および現在中毒症状を持つ兵士の治療は割引きすると申し入れますから。充分な補償になると存じますわ」
「商店街では魔獣の核ならいくらでも買い取るから、ホウレンソウは手放して、今後の外貨獲得はそっちを頑張って売ってくれるといいね?」
だいたい報告は済んだっぽいので、今回のダンジョンの収穫物とワインの説明をする。
ユズとライムの話では、前回のレモンのチーズケーキの試作品をミナが持ってきてくれて食べさせて貰えたり、わぁ丁度お腹が空いてたの!と言ったらゴマとユズでささっととチキンステーキを焼いてきてくれたり。
ついでなのでそのお肉をつまみにワインもサンプル用に1本ずつはリボンを結んで開けることにして、赤白それぞれを少量ずつだけ注いで香りをみてもらう。
――といっても、今日は皆ほんのちょっとスプーンで香りと味を確かめるだけ、飲もうとはしない。
魔塔に侵入するほどのスパイがいたというし、夜はしっかり交代で警戒するという。
注いだグラスはオクティとチョーコでそれぞれ分けて飲むことにして、チョーコはボトル詰めの辺りの記憶はあまり覚えてなかったし、新鮮な気持ちで口をつけた。
赤はフルボディでふんわり苦味と甘味が強く、白は辛口だけど甘みも含んであまり尖った感じはない。
「強いのに飲みやすいな」
「うん、飲みやすいし香りが強くて美味しいね」
「えぇこれは、ドライフルーツを漬け込んだり、ゼリーに香り付けに使ったらきっと素晴らしいですわね……カップケーキやシロップ、肉の煮込みやスープの隠し味……はぁ」
うっとりとミナが目を細めながら想像を膨らませている。これは相当気に入ったらしいから、きっと色々作ってくれるに違いない。
ワイン煮込みにワインゼリー、フルーツ漬けのシロップ……うわぁ、楽しみぃ!
「色々作って試したりするだろうから、ミナが宰相さんのところに持っていって研究する分は、赤白10本ずつくらい渡しておくね!今封切ったのは商会に持ち込む時のサンプル用にしよう?」
納品も千本くらい渡しておこうかな、キッチンのアイテムボックスに納品予定分を流し込んでおく。
ミナが嬉々としてあれこれとワインに合いそうなおかずの研究をし始め、チョーコ達だけもう一杯ワインを注ぎ足した……
***
――あれ、真っ暗?
たしか、美味しいワインを飲んで……寝ちゃったのかな。
落ち着いて周りを確かめると、いつも通りにベッドの中にいて、オクティに背中から抱き込まれてるような格好で横になってた。真夜中は過ぎているみたいで、手の中に炎の導きを握ってる感触があって……
ん?……下の方から、何だか金属音っぽい物音がするような……いや?気のせいじゃ、ないかも!
段々頭がハッキリしてきたところで「あなた達では役に立ちませんわ、下がっていらっしゃい!」と確かにメイドさんの声が聞こえた。ドアを開け閉めしたり、走り回っているような物音もする。
が、起きようとしたらオクティに引っ張られて、目が合った。
『侵入者が来てるから静かに。ルナが気付いて戦いだしたら他の4人も出てきたみたいだし、警備員たちは離脱して、他へ連絡をしに行ったから大丈夫だよ』
『メイドさん達5人揃って対応してるのなら、大丈夫……?狙われてるのは誰なんだろう』と考えたら、手の中に握られている炎の導きが、ぐいっとオクティを指した。
……はぁ?!
完全に目が覚めて飛び起きようとしたら、押し倒すように再び寝かされ、また目を合わせられる。
『待って、相手は人間だからチョーコは戦わなくていい。2人だけだし、落ちものみたいな特殊装備もないよ。ここへ来たら俺が捕まえるから。おとなしくしてて?』
『でも狙われてるのはオクティだって!どこの誰っ?!』
『姿は消してるけど俺には見えてるから不意打ちされないし、力量的にも1対1なら勝てそう。2人同時に来たらちょっと厳しいけど、メイド達を全員振り切って来れるとは思えないから安心して?
どこのやつかは帝国人ではないとしか……男だが、身体が小さいから子供か?あとは……両方黒髪だな』
『え。……子供で黒髪?』
『どこの国だか知らないが、暗殺者用に黒髪を育ててるってことだと思うよ』
『……メイドさん達、侵入者の子は殺さないでくれる……よね?』
『あぁ、全員最新フル装備のおかげで少しは余裕がありそうだし。なるべく無傷で捕まえようとしてるから戦いが長引いてるみたいだ』
『そ、そっか、装備更新しておいてよかった!……それにしてもまだ物音続いてるって、相手、強いんだ?どこかに隠れてる人とかいない?』
炎の導きがしゅるっと勝手に掛け布団から抜け出て上を向く。
ぱし、とオクティの手がチョーコの手ごと炎の導きを隠すように覆うと同時に、ほんのすぐ上空で唐突にゴッと炎が膨らんで明るく照らす。
「っ……?!」ゴボ。ゴボッ!
炎が出た一瞬、その人影は黒いシルエットに見えたが、すぐ水で覆われ直して火が消え、何も見えなくなる。炎の導きから漏れた灯りもわざわざオクティが手で覆って暗くしてるから、何となく大きな水の塊っぽいものが浮かんでることしか分からない。
上の方で溺れるような音が暫く続いてるだけ。
「残念。1人こっちに近付いてるのはずっと見てたんだ。手に持ってる武器を手放せ、全部」
しばらくして、ボトボトッと大きくない金属が複数落ちてくる音、水から出て大きく息をした音。
さっきから息づかいや『音』はするけど、『声』が1つも聞こえない。
「俺を狙った理由はなんだ」
「……」
「ふぅん、アスラ共和国か」
「……っ?!」
「そう思うのならそれでいい、アスラ共和国からどうやって、あぁ、こちらが準備してた転送盤を逆走してきたのか。魔眼持ちが警備にいないタイミングを狙ったわけだ」
「っ」
「言っとくけど逃がす気ないし、大人しく捕まるのが1番痛くないぞ」
少し沈黙のあと、また溺れるような音や嘔吐するような音がした。
「毒飲んで自決されるのは困る。……そこまでするなんて守りたいものでもあるのか?」
「……」
「そいつを助けるの手伝ってやるから。俺たちの方につかないか?」
「……!」
「少なくともお前は部隊の中で1番魔力が強くて、俺はお前より強かったよな?どうする。外のやつも、もう決着つくみたいだぞ。どちらにせよ俺たちに捕まる以上は乗っても良い賭けだと思わないか?」
「っ……?」
「わかった。外のやつもこっちにつくなら、そいつの大事なやつも助ける。断るなら2人とも、ただの俺を狙ってきた襲撃者として扱う。どうする?」
「……」
「お前のことも殺さない。とりあえずそれ治してやるからちょっと動くなよ?」
オクティが起き上がって、導きの炎と再生を使う光でぼんやり姿が見えるようになった。確かに子供みたいに小柄で、元々真っ黒い衣装で全身覆われた上に今は先程の炎で焦げぎみ。
だけど、どうやら黒染めの包帯でぐるぐる巻かれている隙間から見える皮膚の状態は今の火傷が原因ではなくて、古い傷だと思う。顔も首も、包帯の隙間から見える皮膚は既にかなり酷いケロイド状に固まっているみたい……
一切オクティから視線をずらさない目はやたらと薄い青。凄い魔力が強そうではあるけど、さっきまで暗い中で光ってはいなかったから魔眼ではないはず。見回すと布団の上に黒塗りの短刀のようなものや、嘔吐したような跡が散らばっているのが分かった。
いつのまにか下が静かになっていると気付いたところで、オクティが片手で通信石を握る。
「そっちは終わった?こっちは捕まえて治療中。……あぁ、そっちも治療必要そうだね。分かった、こっちが終わったら治しに行く」
「……カ……ヒュ(なぜ助けた)」
さっきとほとんど変わらない、息に混ざって掠れた音が混ざるだけにしか聞こえないけど、これは喋ってる判定らしくて翻訳が効いて言葉が聞こえるようになった。
「お前たちは確実に強いからさ、どうせなら味方にした方がいいだろ?あと……俺も幾つかの大きな幸運が重なっただけで。何か1つでも違ってたら、お前たちと同じ立場だったかもしれない」
オクティが自分の髪を摘まんで言う。
「……(生まれついての特権階級ってわけでは、なさそうだな)」
多分ずっと一度もチョーコを見てはいなかったと思う彼が、ようやくオクティから視線を外してチョーコをまっすぐ見てきた。
『この余裕は、自分の女を守れてるから……か』
「オクティを殺そうとしたのは許せないけど……あなたは脅されて命令されてるだけってこと?ねぇ誰?ここへ暗殺しに行けって言ったやつ……その命令を出した人は絶対に捕まえて、もう二度とそんな気が起きないようにキッチリ痛い目を見てもらわなきゃね?」
『あれっ?女の方が凶暴か?』
「ん。何か言いたいことがあるなら聞くけど。それより先に、誰に命令されたか教えてくれる?……どうしたの?ねぇ、教えてくれるよね?」
何故かびくりと震えられた気がするけどたぶん気のせい。
「ぃ……ウォ、お(施設長)」
「施設長?つまり、あなた達みたいな黒髪の子を暗殺者として育ててる施設の偉い人がオクティを殺そうとした人なのね?」
こくりと1つだけ頷く。
『まさかこいつも、俺の考えが読めてるのか?イテッ』
オクティがプチっと彼の髪を適当に一本抜いて、布団の上に落ちてた短剣に結んでポケットへ。
「お前の居場所は掴んだから、もう逃げても無駄だ。おとなしくしてろよ?」
「イィ……ヒュ……?(居場所を掴んだ?)」
そのままオクティが彼を風で持ち上げて運びながらホールへ降りるのについていった。
ホールは灯りがつけられていて。真ん中に椅子に座らされたままぐるぐるに縛られた、似たような黒づくめが1人。周りを5人が固めて見張りながら床の掃除をさくさくと進めていた。
捕まえようとしたら彼も毒を飲んだので、吐かせて縛って棘草の解毒剤を飲ませたら以降はすっかりおとなしくしているらしい。
あ、ごめんこっちもベット汚しちゃったと謝ったら、ニナがすぐ寝室の方へ走って行った。
ルナが浮かばせて運んでいた彼にワイヤーをひっかけて、もう1つの椅子に座らせ縛ろうとしたから。オクティが、もうそいつの魔力は覚えたから大丈夫と止めたので縛らずそのまま。
彼は縛られなくても素直に椅子に座って、指先や目の動きで縛られてる方と何かやり取りをし始めた。どうやら手話は翻訳されないみたい。
オクティがもう1人の方も古傷まで全部治療をして、また髪を1本回収して縄を解く。こちらももう、完全に逃げる気はなくなったようで、おとなしく椅子に座りオクティとじっと目を合わせた。多分オクティと話を始めたんだと思う。
それを横目に、マナはチョーコを水場へと連れて行く。
「えぇとチョーコ様、今回の胸の騒ぎ具合はどんな感じですかっ?」
テキパキと顔を濡れタオルで拭いて着替えさせ、髪をすき、冒険者らしい動きやすい服をチョイス。
「胸騒ぎっていうか、アスラ共和国で黒髪の人を育てて危険な仕事をさせる施設があるらしくてね、その施設長がオクティの暗殺命令を出した人らしいの。だからもう、その人は絶対に捕まえて、すっごく反省させて、2度とそんなこと考えられないようにしたいなって思ってるだけ」
「アスラ共和国というと新しく見つかったという連合国のことですわね?その国で暗殺者を専門に育てている施設の施設長に報復……ですか。なにか良い手段がございますの?」
「オクティがね、あの2人には助けたい人がいて、その人たちをこっちで助けるから、こっちの味方にならないかって話したらおとなしくなったの。細かいことはオクティしか聞き取れてないけど、それに協力したら上手くいきそうな気がする!」
「……なるほど。でしたら、国ぐるみで動くのに乗じて乗り込むのがよろしいでしょう。既に大型転送盤や燃料のアルコールなどの手配はほぼ終わっているはずですから、昼には動けると思いますわ。
チョーコ様は人質の救出と、施設長を捕獲して糾弾するのならどちらを担当したいですか?」
「そう改めて言われると……やりたいのは人質の救出かも。施設長は捕まったあとでじっくり反省してくれたらいいかな……うん」
「ではチョーコ様は先に人質の捜索と救出からお願いしますわね。テレポートも使えて適任ですから」
「あ、うん……見つけさえすれば引っ張って来られるもんね」
「秘書たちとも連絡を取っておりますから、くれぐれもお2人だけで先行しないでくださいませ?」
「うん」
ローブまでしっかり着せられてからホールへ行くと、オクティも既に着替えてた。
戦いの前ですわ!とミナがせっせと料理をしてメイドさん達にどんどん食べ物を配り、皆びっくりするほど早食いで済ませてニナとリナはすぐ外へ出て行った。
ルナとマナが護衛で残り、ミナはチョーコとオクティにもとりあえず軽めにと焼き魚とオコメとみそ汁を出した上で、昼以降は忙しいだろうから沢山サンドイッチを作ります。アイテムボックスに入れていってくださいね、とキッチンへ戻っていった。
ユズ塩のチキンステーキとか、照り焼きとか、フルーツと生クリームとか、色々サンドを作ってくれるらしいというので……こんな時だけどミナの料理は本当に楽しみでわくわくする。
――決行は昼。だそうだ。




