表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飢えないだけじゃ生きられない(日・水・更新中)  作者: なるねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/89

74.液体らしいです

改めてもう1日しっかり休んでほぼ部屋に居たけど、食事はちゃんと食堂に行って、おやつとお茶も食べたし苺の様子もちゃんと見た。


昨日休めなかったから今日はちゃんと休むと宣言をしていたおかげか、今日は今のところなにも問題や要望は伝わってきていないらしい。


昨日頼んだ密閉度の高い樽、少しずつ注げる注ぎ口がついている、という注文はまだ開発中だったみたいなのだけど。

色々と輸出や白砂糖茶屋での酒の原液として純アルコールを扱うにあたって、木をゴムコーティングして劣化しないようにした入れ物の研究まではされていたらしい。

スパイスの時に使ったような大樽を作るとなるとちょっと難しいけど、形にはなったと報告があった。


木の樽の内面をゴムコーティングした樽の上面に金属のじょうごを取り付けられる輪と開閉式の注入口、底に近い下部にひねるタイプの蛇口の付いた、台の上に置いて使うものが職人のおすすめ、計量カップ40杯分入る。

これ以上大きくすると下部の蛇口が圧に耐えられないし、蛇口のせいで転がせないから、身体強化や風の魔法無しでは運べなくなるというのでそれを頼んでおくことにした。


凍土からアルコールの輸出もするし、白砂糖茶屋も沢山開く予定だし。量産ペースは週に2個ずつ月8個くらいらしいので、暫くは送り続けてもらおう。


7個で二千人分のご褒美を保管できるから、最初は水差しで直接用意して、樽が溜まってきたら樽でまとめて預けるようにしてもいいな。

実ひとつから樽5つへの分配ならオクティでも簡単だって言うし。

初期は商店街で使ったり不死族たちが飲んだり本国に送ったりで使い切って輸出までは手が回らないだろうから、そんなに焦らないよね。


――バタバタしててすっかり忘れてたけれど。

午後のおやつでコーヒーとオレンジケーキを食べているとき、ミナが木の平箱を持ってきた。


仕上がった絵付きの財布とハンカチはシワや歪みひとつなく整えられていて、塗った時より僅かに彩度が上がってハッキリくっきり柄が良く見えるし。

赤も緑も鮮やかで黒もツヤがあって満足な色のノリ。


メイドさんたちを集めて1枚ずつ、オクティにも配る。


庭の苺ですね!と嬉しそうな顔をしたあと絵を全員が一通り褒めたが、メイドさんたちは暗号のように、翻訳機がないと読めない名前が入っていることに一番テンションが上がってるかも。


下着だとか、姉妹でもあまり混ぜて使いたくない物は日によって互いのローテーションを決めてレースやフリルが違うものを使ったり、形の違うものを使ったり工夫していたけど、名前をつけようと話し合っているので。

布類の名つけに使うならとニガブドウひと房と、名前のサンプルを紙に並べて大きめに書いてあげた。


――夕飯時。


屋敷の警備のために雇っているらしい男性の声で、閉まったままの食堂の窓を叩いて大きく声をかけられた。

「警備隊長!面会予定は聞いておりませんが、コンヴィニ商会副会長のバロック氏を名乗る男性が来ております。門の外でお待ち頂いておりますが如何致しますか」


ルナがこちらを向いたので、オクティと少し目を合わせてから。

「どういう内容か分からないから中まで入ってもらっていい?」


ルナが外まで走っていって、食堂の入口まで連れてくる。

「休みの上に食事時すんません!商店街の地下で掘削作業中に、見たこともねぇ生き物っぽい何かが()()()()()()らしいんだ。不死族の見立てではひどく飢えて弱ってるって。ただ何を食うのか、アルコールでも与えればいいのか、人間の食べ物がいいのか判断がつかんと言ってて。オーナーなら何か分かるかもしれないって組合長に聞いたんだが……」


「見たことがない生き物?すぐ行く!着替えるから転送盤で飛んだ先まで先に行っててね!」

さすがにパジャマにガウンで行くわけにはいかないし、転送盤の出口ならここから直接飛べるし。


簡単に身支度をしてもらって、オクティと2人でテレポート。

もう日が暮れてるからか、リシャールさんとサキュバス達6人が直接転送盤のすぐ近くまで出てきていて、サキュバス達がそれぞれ抱えているものは、つやつやした真っ黒い毛並みの丸いクッションのような何かだった。


見たところ頭も足も何も無いただ丸い物体なんだけれど。


重くはないというのでオクティとチョーコでひとつずつそのクッションを受け取ってみる。

もんにょりというか、ぐんにゃりというかなんともいえない柔らかくモチモチした手触りをつやつやの滑らかな暖かい毛並みが覆っており。

手を突っ込んでいると確かに生き物っぽい流動を感じるけど、体温はあまり感じない。飢えてるせいかな?


じっと情報を読む。


影猫(かげねこ)』暗闇からごく稀に生まれる亜人種、本来は死の大陸に生まれる。死肉を喰らい影を渡る。

不死族の体液および、彼らが生み出す『猫草』が好物。


「ご飯は生肉と……好物は不死族の『体液』?それから『猫草』が好きらしいです。影猫って元々は死の大陸で生まれる亜人らしいですけど、本土が凍土化しており不死族全員が移動したため一時的に座標がズレ……ん?全員?」


「「「「影猫だと(ですってぇ)?!」」」

後半の呟きは一斉に響いた叫びで聞かれなかったらしい。


「うそぉ、絶滅したと思ってた。えぇあなたまだ生きてたのね?お腹空きすぎるとこんな姿になっちゃうのねぇ、可哀想に……」

抱えているサキュバスたちが溺愛しているペットにやるみたいに『んーっ!♡』と毛玉に顔を埋める勢いでキスをし始め、チョーコとオクティの手からもサキュバス達に返される。


生肉を食べるらしいので、ハーピーの死体を6体分引っ張り出してあげたら。

『ゴロゴロゴロ……』と喉を鳴らすような音とともにクッションが見てわかるくらいむにょむにょ動き始めた。


「あらー、見たことないお肉だけど美味しそうね?食べたいの、そう、ほらお食べ」

それぞれのハーピーの上にクッションを置くと、見た目スライムのような食べ方で羽毛ごと減っていくにつれ。

ぴょこん、とふたつの三角の耳が生え、背中にコウモリのような羽が、カッと大きく開くつり目の銀色の目が、次々体を成していく。


最終的には二本足で立つ銀目の黒猫の背にコウモリ型の羽が生えた生物になって周りをキョロキョロ。

「みぁーん『もっと!』」

あっ、鳴き声可愛い。

「どのくらい食べるんだろう?」

新しく出すたび、早い者勝ちだとばかりに奪い合いが始まるので、また6体出し、それをなんと4回。


サイズは私の知ってる猫で、人間大だとか丸々太ってるとかでもないのに、どうやって食べたのかと驚いているチョーコをよそに、たらふく食べた猫たちは満足そうに目と同じ銀色の舌でぺろぺろ毛繕いをすると。

2匹はサキュバスの胸を枕代わりにしがみついて目を閉じ、残りの4匹は地面にぬるっと溶けるように消えていってしまった。


「えっ」

「影猫は影のあるところに潜って移動するのよ。少しいたずら好きだけど、可愛いのよね……生きててくれたなんて、嬉しいわ」

「いたずら……お店で料理前のお肉を盗み食いしたり、お客さんのお皿に手を突っ込んだりされるとちょっと困りますけど、大丈夫ですか?」


「影猫は食の好みにうるさくて、普通は生まれつき食べている慣れたものしか絶対に食べないわ。興味があるのは好物のお肉と生きて動くものと居心地のいい場所だけね。食べたいお肉が無かったら私たちにキスや猫草をねだりにくるだけよ。

さっきのお肉は人間たちが持ってきた中にはないものだったけど……空腹が満たされるまでじゃなくて満腹になるまで食べたってことはよほど気に入ったんだと思う。あの子たち、お肉はもうさっきのしか食べないし、あのお肉だけは狙われるわね。高級品だったりするのかしら?」


――あ。死の大陸生まれの生き残りじゃなくて、ここで新しく生まれた子だから、初めて食べた味を覚えたのね。


「いえ……ハーピーはワイバーンに食べさせるために持っていたもので人間は食べない種類のお肉ですね。

お肉はハーピーだけ、あとは不死族の人たちがいたら猫草しか食べないんだったら食べ物は大丈夫そうだけど、毎日5匹も食べるとなると大変かも、あと動くもので獣人車に飛び込んだり……」

「食べる時は2匹くらいは食べるかもね、でも食べない時はひと月でもふた月でも猫草しかねだらないこともあるの。持ってこられるときに食べさせてあげたらいいわよ。それにああ見えてけっこう頭が良くてね、危ないものとかはちゃんと見せて教えれば理解するわ」


「じゃあ本当に獣人車との事故とお客さんへの悪戯は気を付けてもらって……あっ。影猫カフェっていいかも……!お客さんは席でお茶とかケーキを食べながら、正体わからないようにカットしたハーピー肉と猫草を買って、自由にあげていいの!同じところでいつもご飯が貰えるなら、そこにだけ入り浸るようになったりするかも?」

「あら素敵!餌場はよく覚えるから、それはちゃんと来るようになるわよ。あの子たち、ご飯が十分あるとけっこうすぐに増えるから、増えすぎたら本国の凍土が復興するのに合わせて向こうにお引越しも考えておくわね」


「そうですね、新しい子がうっかり人間の食材用のお肉の味を覚えたら困るので……あっ。新しい子を見たらこのお肉をあげてもらっていいですか」

10匹ほどハーピーを預けておくことにする。

「私たちも気をつけて管理するわ。影猫は影を伝うだけで隙間のない所は通れないから、壁や灯りで囲ってあるものは悪戯されないの。今日はすぐに来てくれてありがとう。影猫とこんな所でまた会えるなんて思わなかった!」


リシャールさんも嬉しそうな顔をして、頭を下げた。

「チョーコ殿は伴侶を得たばかりで結婚休暇だと聞いていたのだが、無理を聞いてもらって助かった。通路は明日までに見せられる形にすると約束しているが、もう大体は出来てきている。少し見てゆくか?」


「それは明日の楽しみにしたいかも……あ、そうだ」

お湯と水の蛇口、製氷機、温風機を出してそれぞれに渡して触ってもらい、使い方を説明。

魔石板には問題なく魔力を込められるし、それぞれ十分使えることを確認、お湯もこの温度なら影響ないということだったが。


温風機に関しては、身体や髪についた水滴を取るだけなら必要ないと言われた。


「我らは知っての通り魔法を直接食えるのでな……」

実演してくれたのは水の蛇口で水を出しているところに手を入れて、普通に手が濡れたり手のひらに水を溜めたりして見せたあと。

吸おうと思えばこうなると言ったら、手に当たる前に水が消え失せて落ちてこない状態に。


「というわけで、水や湯や氷を出す道具は是非欲しいが、乾かす方は不要だ。せっかく用意してもらったのにすまんな」

「いえ、むしろ人間の街では乾かす道具しか使わないかもと思ってたので、こっちは街で使えます。……個別で部屋にお風呂が付くくらいの宿泊施設で人間のお客さんが自分で使うことはあるかもしれませんけど」

「自室に風呂?風呂は風呂屋としてまとめた方が、広く、人手も多くてサービスもしやすいだろうし、複数あるのだから、富豪であれば時間を決めてその店を貸し切れば良いだけだろう?」

「あ、それはそうかも!」


「湯、水、氷は飲食関連全てと風呂屋、マッサージ屋の数だけセットで欲しいところだ。花屋、薬屋、病院など、他の店舗にも水だけはそれぞれ欲しい。本国では海の水を引いていたが、ここは穴を開けると水没してしまうから、採水をどうするかで少し悩んでいたところでな」

「分かりました。とりあえず最初に各20は用意してますが、開店するお店が増えたら順次追加していきますね」


「――うおっ?!オーナー、いつの間に先回りしてたんで?!」

後ろから声がして振り返ったらバロックさんだった。


「あ、ほんとにすぐ着替えて、すぐオクティと一緒に飛んできたから先に着いちゃったみたいね」

「あぁ()()()……そりゃあ俺が地上をちんたら走るより早いはずだぁ。すんません、てっきりあとから来るもんだと思って向こうで待ってたんすけど全然来ないんで、一度お宅へ戻ったらもうとっくに現地についてる頃だって。んで――どうなりました?」


影猫の生態説明や影猫カフェの案を話しながらサキュバスさんの胸ですやすや寝ている子達を見せると、ふわあ可愛いっすねぇとデレデレしつつ、この子たちとカフェのことは報告しておくというので。

ついでにお湯と水と氷の魔道具をセットでひとつずつ渡して使い方を教え、温風機はこちらでは使わないことになったので帝国内へ流通する方に回しちゃっていいと全部預けて、水関係の設置の予定を説明。

突然出てきた新作の魔道具に目を白黒させてはいたものの、すぐに使い方も構造も理解。


構造的に見た目は街の職人でも何とかなりそうでは?ということだが、ミスリル合金部分の加工が多分小人にしかできないと説明して納得し、必要数をチョーコに発注して用意することになった。


***


帰って改めて温め直してもらった夕飯の続きを済ませ、お風呂も入って横になる。

「なかなか丸一日は休めないな、チョーコは疲れてないか?」

「寝る暇もないとかは困るけど、ちゃんと休めてるし、いつも新しいものに出会えて、ミナに美味しいもの作ってもらえて、やりたいように過ごせて、こうして夜はオクティも隣にいるもん。

――うん、たぶん私、元の世界にいる頃よりずっと幸せだと思う」


「そっか……俺も、チョーコに出会う前よりずっと幸せだと思ってる。あとはチョーコが幸せだと思えるようになってくれればと思ってたが、今そうなら良かった」

「私もオクティが私と会って幸せって思ってくれるなら嬉しい」


「チョーコの心はいつも気をつけて聞いてるけど、なんかそうじゃないとか、嫌だったらちゃんと言ってくれよ?」

「うん……今のところ、むしろ先回りされすぎてて何も言うことないくらいだから大丈夫。オクティこそ、私にどうして欲しいとかあったらちゃんと言ってね?」


「チョーコ本人に不満なんかないよ。ゆっくり2人きりにさせておいてくれない周りがたまに面倒なだけだ。明日からしばらく忙しそうだし」

「せっかくチョーコとして生まれ直したんだし、色んなものを見たり食べたり、たくさんの種族と仲良くしたりしたいもん」

「分かってるよ。それは応援してる……でもこまめにちゃんと休みの日も作って構ってくれ?」


抱き着いてきて、動けなくなる。

じゃれあっていた記憶は少しあるけど、やっぱりいつの間にか寝落ちていた。


――ごろごろしていられたのは朝食の前までだった。

カフェオレを片手にミナの丸パンをのんびり頬張っていたら、秘書さんが2人に卸売倉庫担当の天人さんのユーゴ、商会の3人にマイクとリックまで勢揃いで玄関先まで訪ねてこられて思わずむせる。


まだネグリジェにガウンだったのですぐマナに着替えを頼んで支度をしてから玄関へ。


オクティは秘書さんたちが開口一番「おはようございます、では参りましょう」と、ニナも連れて奥の魔塔行きの門の方へほぼ連行の勢いで直行しそうになったので、なんとか行ってらっしゃいとハグだけはして見送り。

チョーコには担当通りリナがついて門前勢ぞろいの皆さんの前にきた。


「おはようございます。えっと、早いですね?」

「オーナーは朝がゆっくりなので遅い朝でもまだ早いと言われてお待ちしていたんですよ?もう昼半ばになりそうなので流石にこちらまでお迎えに参りましたが……おはようございます」

ロイドさんはちょっと呆れた感じがする。


天人さんたちは『朝』にと言われたら高山の日の出で起きてこちらではまだ暗いうちに着き。待たせるのもなんなのでそのまま現地へ行って、天人さんたちの挨拶は済ませ、ついでに修正した企画書や見取り図を現場と照らし合わせて優先的に開店させたい店の選択などの相談まで全部してきた後だそうで。

チョーコには結果報告というか、現状を視察して貰いつつ手持ちの素材の納品などを済ませて貰えばよいだけらしい。

「お待たせしてすいませんでした……」

「いいえ、そのための会長職まで代理に任せるという判断なのだと理解しましたので。やるべきことは僕の方で終わらせますよ。指示だけ頂ければ問題ありません」


まず案内されたのは、分地にある商会の卸売倉庫から。

転送所ではなく、商会組合の傍。組合の近くにある大きい平屋だと思っていたら、実はそこが組合が持っている総合倉庫なのだそうで、地下に広がってかなり大きな建物だった。その搬入口の側に直通の転送盤が置いてあった。


あぁだから、これまで組合に卸していたものも纏めて全て卸売倉庫で構わないというわけか。


広さ的に帝国の外側の土床の部分まで全て含めたのと同じだけの広い土地のある分地は、まだほとんど建物らしい建物が出来ていないのだが、そこへ広々と確保された土地に、壁を順次石と木に張り替えている途中らしい、プレハブのようなパネル建築の、横に平たい倉庫と、まだ全く張り替えられていない平屋の家としてはかなり大きめな建物が並び。

あちらこちらに木材や石材ロープや工具、鉄骨のような骨組みらしい部品、灯り用のダンジョン鉱石、椅子や机やマッサージ用の水に強い寝台、かまどに流しに冷蔵庫、木箱や袋や……

まだ倉庫に入り切っていないと思われるものが散見され、そこを思った以上に大勢の人達が忙しく立ち回って働いていた。


「まだ散らかっていますが、商店街用の建築資材がまだ運びきれていないだけで、外に出ているものは全てこれから運んで片付きますから安心してください。

こちらの小さい建物が事務所、そちらが倉庫になりまして、事務所の隣には他国からの出稼ぎを含む住み込みの方が暮らす寮を建築予定です。

そして今後、納品物がある場合はこちらへいらしていただきまして……」


マイクとリックの案内で倉庫の方へ移動すると、ここは外より整理がしっかりされて整然としていた。

納品されて処理される前のものを置く棚だと案内されるが。棚というか、広く囲った地面に空の木箱が大量に並ぶところというか。


「じゃあ、この箱に出していきますね」


食材、オリーブオイル、石鹸草、お湯などの魔道具、ペイントボール、薬草関連……

遠慮なく置いてあった箱に1種類ずつざばざば入れていたのだけれど。オリーブオイルとか大箱1つで足りずに2個めになるものも幾つかある。

「ま……ち、ちょ、ちょっとすみませんオーナー!多い?!多いです!使用期限もありますから、一旦確認させてください!」


……そういえば。アイテムボックス持ちなことは明かしていないんだった。

改めて。会長と副会長たちとこの2人にはテレポートだけじゃなくてアイテムボックスも使えることをちゃんと説明。


台に出来るような箱を持ってきて貰って、一通り、納品できる食材と魔道具と薬草関連の説明をしていく。

魔道具は全部納品、石鹸草とペイントボールも全部納品。ただニンニクやアロエのように既に食材認定されているものを除き、新しく見つけたちょっとでも薬効が見られるものは一旦全部、有害無害区別せずに不死族へ納品してくださいとなった。

そしてオリーブオイルや数々の食材なのだが、チョーコが持っているものはほぼ全部高級素材ばかりなので、奥まった所に開く予定の高級レストランなどでしかほぼ使えないため、一旦小さめの箱1箱くらいずつにしてもらい。店が増えて消費が増えるのに合わせて、具体的には来月辺りから納品を増やしていって欲しいということに。


それから、美術品や芸術品を不死族たちが好み、特に酒器は全員持つので一流の物も扱って欲しいという希望があるということは大まかに聞いているのだが。

鉄や金銀クリスタルなど、街で作れるのは精々宝石をそこに埋め込む程度の細工であって、マリアン達から聞いた豪華な美術品のようなガラスの水差しやグラスといったものを手に入れることは可能かというので。


豪華な丸瓶の大、角瓶の小、シンプルな角瓶と丸瓶の小、4分の1サイズの豪華なグラスとゴブレット、8分の1サイズの杯見本40個を並べて、純アルコールで小さい水差しの1杯分を基準に色々注文できるなどの説明。

柄とサイズの欲しい組み合わせを決めて、純アルコールがあったら百個でも千個でも買えるし、もし炎人に気に入られなくて売買を断られたりしたら買いに行ってくるので呼んで欲しいと言うと。


全員並んだ器の数々に圧倒され呆然としながら見ていた中で、マイクとリックは比較的豪華なものを見慣れているのかマリアンたちくらい復帰が早かった。


「凍土で産出するアルコールで恒常的にこちらを購入できるようになれば、充分すぎる産業として成り立ちますね……こちらのサンプルは預からせて頂いて、注文を集めてある程度数が集まってから購入交渉をさせて頂こうと思いますが。もし欲しがる方がいらっしゃれば、皿やスープカップのようなシリーズもお願いすることは可能でしょうか?」

「オリジナルも受けつけるって言ってたからいけると思います。直接の問い合わせも難しそうなら呼んでください」


小さい方のシンプルな角瓶と丸瓶はかなり数に余裕があるので、サンプルとして触ったりする時に壊しても問題にならないし、もし個人的に誰かに見せて話をしたい時とかのために皆で何個か持ってたらいいかもしれないと話して。

それぞれ20個ずつサンプル用で渡しておいた。


――さて、いよいよ商店街予定地の見学に行けるらしい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ