53.準備中
不死族と交渉する方向で意思は纏まったし、疲れただろうから夕暮れくらいまでは一度帰って休んで構わないと解放されたら。
会議前に合流したメイドさん2人とルナが3人揃ってすぐに近付いてきた。
「はい、お疲れさまでした!打ち合わせでもう一仕事するのは日暮れ後ですし、おふたりで元の御屋敷の方へ戻られますか?新居の方も寝室は整えてありますので、すぐにご案内出来ますが」
「休むならまだ元の家かな……それより先に魚人さんと天人さんだけは話を聞いたけど、牛の村と洞窟にも不死族との付き合いについて一応聞きに行っておいた方が良いかなって思ってるの。もし天敵みたいに思ってる人が居て、後で知ったら嫌な気分になるかもしれないし」
「ではここからの護衛はわたくしが交代致しますわ。2人は秘書達と共に各所へ連絡。こちらで追加情報があれば随時通信します。転送盤の警備のところにはメイド長を向かわせたので、そちらとも連携を忘れないように、以上!」
ルナたち2人はこちらにも「それでは後ほど参りますわね」と素早く頭を下げ、速やかな足取りで各々連絡を取りに去っていった。
「オクトエイド様、チョーコ様、まずこちらへどうぞ」
先導するメイドさんに軍議用の部屋らしいところから連れ出されると、すぐ近くの階段を何故か上に向かって登っていき、踊り場を曲がった所で振り返り、小声で囁いてくる。
「こちらのフロアに現在人が居ないのは確認済みですわ」
「あ、ありがとう。じゃあまず牛の村からいくね、テレポート」
設置されてる転送盤の傍に出現した私たちに気付いたのは、近くで牛の毛の塊から糸を紡ぐ作業を座ってしていた天人のお姉さんたち3人だった。
「んっ、チョーコさんとオクトエイドさんじゃないですか。どうしました?」
「実は今、色んな種族の人たちから意見を聞こうと思ってて……。天人さんは、不死族のことは知らないですよね?」
「んー?不死族って確か、人間族によく似た見た目だけど、風の魔法が一切効かない体質で。油断して近付くと連れ去られて生気を吸い尽くされちゃうから傍に寄っちゃいけませんとか、うちの祖父から子供の頃に聞いた気が……えっ?もしかして、人間達の街の近くに出ました?!大変!」
「あぁっ、不死族が帝国の近くに出没したのはそうなんですけど!別にその、緊急事態ってわけじゃなくってですね!むしろなんとか仲良くなりたいなって考えてて!不死族に詳しい人が居たらお話を聞きたいと思ったんです」
「な、仲良く?人を吸い殺しちゃう怖い種族じゃなかったってこと?……えぇっと、詳しい……天人の中ではこのくらいの話しか伝わってないし、多分、竜人から聞いた話なんじゃないかなと。ガルドさんとラルーダさん夫妻が確か、人間用のテントより向こうの広場で干し草づくりをしてたはずですよ」
お礼を言ってテントの向こうへ歩いていくと、大きなフォークみたいな道具で草の山を整えている2人が見えて、すぐに目が合った。
「おや、チョーコじゃないか!色々あって人の国に帰ってるって聞いてたけど、もういいの?それとも牛乳汲みに来ただけかい?」
「こんにちは!実は知りたいことがあって――」
帝国の近くの森に深い穴があって、そこに居た不死族と遭遇した顛末を話そうとした途中で、「まとめて連れ去られるなど一大事だ、討伐なら竜人をかき集めて手伝うぞ!」とガルドさんが叫びかけたのをラルーダさんが「あんた!まず最後まで聞きな」と引き留める。
ラルーダさんにお礼を言って。人間族は不死族の事情なんかを色々聞いた結果、出来れば不死族とも協力関係を結んでうまく付き合っていきたいと考えていると話すと、不死族の事情というのを聞かれたので、魚人との関係から死の大陸の現状も含めて全部説明。
ついでに彼らの持つ能力の有用さと、水や風に対しては吸収して回復する能力があるけど、火の魔法は効くので実は魔法全てに無敵ではないことも。
聞き終えた2人は2人とも、心配からだろうなと分かる渋い顔をして少し考えた後。
「あたしらはねぇ、不死族のことは小人たちから習ったんだよね。確かに火の魔法は効くと思う。溶岩や溶けた鉄なんかをぶっかけたら逃げ帰ったって話だったから。
でもねぇ、荒くれの小人たちでも奴らの侵入を食い止めるには無傷じゃ済まなかったって話だよ?人間族はそこまで戦いに秀でた種族ってわけじゃないだろう。本当に大丈夫なのかい……」
「ですけど、もう彼らが掘り抜いた洞窟は帝国から徒歩で2日くらいの所まで近付いて来ちゃってるので。このまま放っておいてこっそり地下から侵入されたらそれこそ大変なことになると思うんです。今なら凍土の周辺に留まっていてもらうようにお願いも出来ると思いますし。
それに何より、不死族の能力は凄く魅力的です。むしろ……きちんと手を結んでおかないと、悪い人間が逆に不死族を騙して誘拐して利用しようとか、変なことを考えちゃうかもしれません」
ガルドさんが驚いたように目を丸くする。
「おぉう、意外と人間族ってぇのはヤバいことにも手を出したりするもんなんだな?」
「いい人も悪い人もいるので。悪い人は本当に悪い人だったりもするんですよ」
「あー、まぁ山に来た訓練生たちは皆綺麗なもんだが、ユグード様が街に居た人間の中には黒いのも混ざっていたって言ってはいたなぁ」
「しっかし、既にもう間近に迫っちまってるのならどうにか手を打っちまわなきゃだけど。
――あ、そういえば小人たちがその襲撃の話を教えてくれた時に『この場に炎人たちを呼べたら戦う必要もなかった』とか何度も言ってたらしいんだ。火の魔法が使えて強いってだけなら、溶けた鉄ぶっかけるのとそう変わりゃしないよねぇ?地界語の聞き間違いかもしれないけど、炎人は不死族への対抗策があるのかもしれないよ?」
「炎人さんなら……今朝会ったばかりなので直接聞きに行ってみようかな?」
「えっ、あんた!いつの間に炎人まで知り合いになったんだい?!」
「いえ知り合いっていうか。小人さんたちから、ユグードさん経由でお願いをされた関係で今朝初めて会ったばかりなんです。とりあえず聞きに行ってみますね、ありがとうございました!」
「いやいや、大した情報が無くて悪かったね。話し合いがうまくいくように頑張るんだよ!」
火の山へは、村の転送盤のところから帰るふりして火の山の上空まで直接飛ぶことにした。
――朝と地形まで違うわけじゃないんだけど。あからさまに大陸周囲を囲む山々の力強さが増して真っ黒い煙がガンガン上がるようになっている。住んでる彼らが元気になるとここまで違うのか。
しかも、一番高山に近い海底洞窟入口がある山に向かって、他の山々から、溶岩がスライムのように重力を無視した動きで連なってゆっくりと集められていって。
ほぼ底が見えそうな深い深い穴だったはずの火口にどんどん溶岩が溜まっていってる……
オクティが山を見回しながら頷く。
「なるほど、それぞれの山で生み出した溶岩を一つの山に集めて、それを操って一気に陸橋を作ろうとしてるみたいだな」
「ひぇぇ。大陸中の山と溶岩を操ってるってことね……流石、次来るまでに高山まで繋いでおくからって気軽に言っちゃうだけのことはあるねぇ」
「本当だよな。ん、ちょっと煙に隠れてるが、その火口の左から流れてくる溶岩の流れの真上に居るのが、今朝話した炎人みたいだぞ?」
「今って話しかけても大丈夫かな?」
煙に隠れてると言われて目を凝らして探そうとしていたら、むこうがこちらに気付いたらしい。ふわふわと煙から出てきて空へ上がってきた。
「おや?国へ帰ったんじゃなかったのか。それとも忘れ物か?」
「あ、お邪魔してすいません。実は不死族が私たちの国のすぐ近くで発見されて、今夜話し合いをすることになったんです。
少しでも詳しい情報とか、知ってることがあったら聞いておこうと思っていろんな種族の人たちの所を回ってるんですけど。炎人さんたちは不死族のことについて何か知ってますか?」
「不死族……他者の生気を吸わねば狂う滅びの種族のことだな?ふむ……あやつらは、我らとは対極の存在だ。奴らは我らの操る『呪い』を解除する力を持ち。我らも、奴らを『誓い』で縛ることが出来る」
「呪いと、誓い、ですか?」
炎人さんはじぃっとチョーコの額から胸のあたりまでを見た後。一つ頷く。
「お前さんにも弱い誓いが結ばれておるだろう?全ての人族に敬意を持ち、戦いではなく話し合い、互いに利のある交易をする努力をすべきだと。お前さん自身の魔力で編まれておる、そして誰かを巻き込んで結んだな。
うむうむ、これは片端から全ての者たちに誓って貰いたいほど、よき誓いだのう。気に入ったぞ」
「……内容まで見えるんですね」
「我々炎人は”審判”を司るからな。我らの課す誓いは決して軽い約束ごとではない。
破ろうとしても破れるものではないし、無理に破れば罰を受ける。その罰が呪いと呼ばれるものだ」
「そういえば……天人さんが、悪いことすると竜人さんに捕まって火の大陸送りにされちゃうよって言ってたかも」
「山の民はそうだな。竜人たちはちぃと頭が固い部分もあるが、規律を守る誠実な者たちなのだ。
――お前さんたちが知りたいという不死族だがな。滅びを誘う種族と呼ばれておるが、腹が満ちている時は理知的で慈悲深く、その知恵をもって人助けを好む者たちでもあるのだ。まぁごく若い者など、はねっ返りも中にはいるだろうがな。
ただ……空腹になった時は話が別。腹が減るほどに理性が削られ、限界が来ると完全に食う事しか考えられぬ怪物と化す。暴走している時は口約束など頭から完全に吹き飛んでおる……が、我らの誓いは、たとえ暴走していようと奴らの行動を制限できるのだ」
「ちゃんと、効力のある約束が交わせるってこと、ですよね……どうしたらいいんでしょう」
「うむ。お前さんが文字を書くときに使う手を前へ。あぁ、手袋は外しておくれ。大丈夫だ熱くはないからな」
「はい……?」
手袋を取って右手を出すと、その手に向かって炎人さんが火を細く長くふぅっと吐いた。
見た目完全に弱めの火炎放射なので思わず手をひっこめそうになるけど、熱くはないと言っていたのはこれのことかとそのまま固まっていると。
確かに温度は感じない。静電気みたいなぼわぼわした変な感触に右手が包まれた感じがして、すぐに火の幻は消えた。
……少しだけ右てのひらがぽかぽかする感じがするので、裏表ひっくり返しながらよーく見てみたけど、別に、何もない?
が、ひゅっとオクティが息を飲んだ。
「え、なに?」
私とメイドさんは分からないという顔でオクティを見る。
「あ゛ぁ……うー。いや、うん。彼は厚意でやったと分かってはいる。ただこれはちょっと、報告禁止で頼む」
チラッとメイドさんを見ると。一瞬目を丸くしたあと、激しく頷いた。
「分かりました。一旦わたくし個人の胸に仕舞っておきますわ」
「その手で魔力を込めながら文章を書く。その文章に誰かが触れて、『誓う』と言葉に出すだけで、書かれていた文章通りのかなり強力な制約がかかる」
……なんですと?
「うむ。文章に矛盾があったり、不可能な内容であったり、文章が破損していた場合は誓いそのものが成立しないから気を付けるのだぞ。多数の者に誓いを与えるならばそれが一番やりやすいであろう?
直接身体に書き込むことも可能で、その場合は誓うと言葉にする必要もない。
見た目は焼けるようだが痛くはないからな。身体に刻んだ文章は破損させたり自力で消したりは出来ないが、部位ごと切り落とすことは可能なのでそこだけ注意だのう」
……あー。なるほど?
私が作った制約文の内容、気に入ったから、本当にこれでバンバン皆に誓わせて欲しいな!ってこと?
ついでに、これなら不死族相手でも強制的に約束を守らせられるよ!ってこと?
制約を魔力の高さでごり押しして上書きなんて可愛いものと思えるくらい、絶対表に出せない能力なのでは……
「そうそう、罰を指定しない場合は『魔吸いの首輪』という呪いが発動する設定で、罪人の魔力を死なない程度に枯渇させて魔法を使えなくさせるのだが。破った場合の罰則を書き加えることで変更することもできるぞ!
口をきけなくなるとか、目が見えなくなるとか、その場で動けなくなるとかな」
炎人さんにとってはそれほど重要なことをしたとは思っていないのか、つらつらと能力についての説明が続いている。
「えっと、ありがたいんですが、この能力って悪用したら大変なことになりますよね?こんな気軽にほいほい手にくっ付けないで頂けると……」
「そこは安心せい。その能力はこっちでいつでも回収が可能じゃし、その力を使って書き込んだ誓いの内容もわしが把握できるからな。あまりあくどい使い方をしようとすればその力を失うと覚えておくがよい。
――心を操るようなものと会うから心配したんじゃろ?まぁ、その炎の印は奴らの毒すら浄化するゆえに、お前さんが操られることはなかろうし、その印で触れて相手の毒を焼くことも出来るぞ。――傷口のように直接触れられん場合は少々手こずるかもしれんがの」
「あ。それは……ありがとうございます」
「お前さんらには随分と世話になったからのう。我らからの礼というやつじゃ。それがあれば不死族との話し合いとやらも、やりやすかろう?」
「それは確かにそう、ですね。……これって、誓いを守らせる以外に、誰かを守るような使い方ってできないですか?この人を傷付けたものには罰を与える、みたいな」
「誓いも罰も、己で誓うと声に出したか直接書き込まれた本人にしか影響はせん。ただ、身体に直接描き込む誓いは言葉を理解している必要はない。例えば鼻や耳のいい獣人のようなものであるとか、空を飛んで知らせるハーピーであるとか、多数に守護を命じるようなことは出来るぞ。流石に魔獣ほど知能が低いと『守る』という意味自体を理解出来ないので成立しないがな」
能力についても脳内情報で見られるかなと思って見てみたら、ちゃんと今聞いたような話はあった。
『魔力を込めて文字を書く』というのが、普通にペンを持って書くのかと思ったら、ただの棒でも指先で直接でもよくて『炎で焼きつけたように文字が浮かぶ』仕様だとわかる。
書き損じは消そうと思って触れれば消せる便利仕様みたい!よかった。
水のような不安定なものじゃない限り、布から金属板まで何でも選ばず書けるけど、書いた文字自体が破損すると誓いが発動しなくなる(すでに誓ったものが解除されたりはしない)ので、硬いものに書く方がいいのかもしれない。
「あぁ。誓いの碑文を作りたいのならば、小人たちが得意であるぞ?相談してみるがいい」
そうしよう。
いきなり付けられたことには困惑したけど、落ち着いて考えてみればかなり有効な能力を授けて貰ったことには違いないので、お礼を言ってから洞窟前へ移動して小人たちに相談することに。
洞窟の中は入口に入った時から奥から響く金属を叩く音で今日も賑やかそうなのが分かる。
「えーっと、どこに向かったら良いのかな?」
「声を掛けてみましょうか。――こんにちはー!先程お邪魔したばかりですが、また少々お話がありまして、今よろしいでしょうかー!」
躊躇なくメイドさんが奥に向かって声をかけ、またドッドッと重い足音がして赤毛のドワーフさんがやってくる。見分けは付かないけど、私たちの顔を見て、あぁって顔をしたので多分ドットさんだろう。
「おー、今度は人間達だけで来たんだな。何か急用か?とりあえず話すんならこっちこいや」
同じように洞窟の入り口で木箱に座りながら、不死族が出て――と、今しがた炎人さんに誓いの能力も預かったことまで話した。
「というわけで、誓いの碑文を作りたいならここに頼むと良いって言われたんです」
腕組みをしながらうんうんと聞いていたドットさんだが、いつのまにやらポカーンと口を開けた顏になって、呆れたようにチョーコを見ていた。
「竜人との誓いの鱗だけじゃなく、炎人から炎の印まで受け取ってくるたぁな……おし、分かった。まあ碑文に使うくれぇの量なら屑鉄と溶岩ベースで幾らでも作れっからすぐ作ってやれるが。んー……いまんとこ、酒もつまみも足りてるんだよなぁ」
「技術料は何を払えば良いんだ?」
「実はお前さんが持ってるもんが欲しいとは思ってるんだが、碑文づくりなんぞで要求するには高すぎるんだよなぁ。何か追加で作って欲しいもんがあればついでに作るぞ?」
「えーと……欲しいものってどれですか?」
通信石、翻訳機、転送盤、テレパシーの魔石なんかも含まれるかな?
「転送盤ってのは見せて貰ったが、他にもあんのかよ?!見せろっ!」
食いついてきたので3つセットの通信石や原石を数個、翻訳機と転送盤はこの場で作って並べると、目をギラギラさせながらじっくり検分した後、全部欲しいようでソワソワしだした。
しばし悩んだ挙句。テレパシーの魔石をおもむろにガシッと手に取って。それにするのかと思ったらこっちに突き付けてきた。
「こいつを使って超イカシタ碑文を作ってやる!しかもお前さんが使う碑文づくりについては、何枚でも俺がただで作ってやるから、ここにあるやつ全部くれ!」
今後ただで作ってくれるというならありがたいかも。交渉成立で早速ドットさんが奥に声を掛けてちょっとここで待ってろと席を外し、ほんのちょっと、10分も経ってないと思うくらいすぐ。
「どうだ、見ろこいつを。良いだろ?!」
と、どんと目の前に置かれた。
カフェなどに置いてある黒板のメニュー表みたいな、床などに置いて立てられる構造。楽に持ち運べそうなサイズの銀色の板の周囲を、自然鉱石らしいカット面を見せる色石が複数含まれた黒い溶岩っぽい岩が縁取り。
銀板の下の方に手を置くように模様で示された中心にテレパシーの魔石に見えるものが嵌めこまれている。
見た目は文句なくかっこいいけど、若干用途がわからない感じだった。
「おぉ、凄いな。どの言語で書いても、そこに手を置くと文章が読めるのか」
「あ。そういう仕様なんだ?!すごい!」
試しに。日本語で書いてみる。指でなぞりながら魔力を籠めると、本当に思ったように文字が浮かび上がっていった。
私たちは、人族同士、互いに敬意を持ちます。
問題は暴力ではなく話し合いによる解決を試みます。
対等な立場であることを忘れず、友人として誠実に向き合います。
一方的な搾取ではなく、互いに利のある付き合いを続ける努力をします。
以上、相違なければ『誓う』と言葉にしてください。
「――こういう感じでいいのかな?」
「わ、凄いですわ!本当にこの呪文が読めます!」
「うん……凄いなこれは。内容もとりあえずこれだったら悪くないんじゃないかと思う」
「なんて書いてあるんでぇ?――ほう。こいつはなかなか面白れぇ誓いだな。あいつらが好きそうだ」
「あ、炎人さんがこの誓いはすごく良い、片っ端から誓わせたいって言ってたので書いてみました」
「実際、不死族相手でもこれを誓わせれば大体の問題は起きなくなるはずだぜ。あとは誓ってねぇやつが勝手に侵入してくるのをなんとかするこった」
「その辺りは私もどうにもならないので、皆さんにお任せです……」
「おぅ。その仕様でいいなら今後も碑文が必要になった時に声かけてくれや。作る分だけこの魔石は用意して貰うことになるけどな」
「はい!ありがとうございます。多分……そのうちまたお願いすることになると思うので、石だけ先に纏めてお渡ししておきますね」
手が空いた時にでも作っておいて貰えれば良いし、通信石を作る実験とかに使って貰っても別に良いし。適当に20個ほどテレパシー魔石の原石を詰めた布袋を渡してから、お礼を言って碑文を持って帰ることにした。




