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飢えないだけじゃ生きられない(日・水・更新中)  作者: なるねこ


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49/89

49.一日が長い

「あらー!チョーコは街に戻ってるって話は聞いたけど、ユグード様も一緒だなんてどうしたの?」

隣から聞こえた声に振りかえると他の天人さんたちより一回り以上小柄な、確か個人的に転送盤が欲しいと最初にグイグイ来てたあの子だと思う。


「こんにちは。えっとユグードさん経由で、火の大陸まで木を丸ごと沢山運ぶことになりまして。これから木を取りに伐採現場に行くところなんです」

「火の大陸までお使い?まぁー、木を丸ごと何本も運ぶなんてすごい荷物じゃないのぉ。何往復もしたら大変でしょ?私、遊びに来ただけだし。換金も済んだからちょっとなら手伝おうか?お返しはオレンジの実を5つくらいでどうかしら」


「オレンジでいいなら、けど……良いんですか?」

「うん。何か面白そうだしぃ」

「じゃあ、お願いしちゃいます」

「はーい♪あ、そういえば牛の村の長老、今は戻ってきてるらしいわよぉ。手が空いたら絵の話を聞きに行ったらいいかも」

「そうなんですか?近いうちに行ってみますね!」


小柄な天人さんはリィコさんというらしい。小柄で凄く幼げな可愛い顔立ちだけど、天人にしては珍しく豊かに胸があるので、大人だということはバッチリよくわかる人。

向かう途中、最近魚人の女の子のリタという友達が出来て、人間の街で買ったフリルたっぷりの服をお揃いで着たりしてるのと言いながら、よく見るトーガじゃなくて、背中の大きく空いたホルダーネックタイプのワンピースにあれこれ飾りを付けた可愛いというより色っぽい系の服を着ているのをクルクル回って見せてくれたりした。


喋りながらまず帝国側の伐採現場の方へ向かってみると、まだ早朝だが作業は始まっていて、沢山の人がせっせと木を切っては風や縄で運んでいっているところ。

現場監督らしい人に許可証を渡して、商会組合から、新しい交易の取引材料に使う木が丸ごと沢山必要になったのでここから好きなだけ持って行っていいと言われましたと言うと

今日の作業はまだ始まって間もないから、昨日の作業分はもう回収済みで。新しいのは新しく切らないとまるごと沢山はないなぁという。


「切る予定の木の位置はどこからどこまでだ?」

ユグードさんが翻訳機を持っていきなり直接声を掛けたので、現場監督は一瞬目を丸くしたが、黒いロープを張ってある内側全部だと指さした先を見ると、確かに残す外側の木を黒く染めたロープで結んで道の予定地が作られていた。


「……ふむ。あの程度の幅なら丁度斬りやすいな。少々切り倒すのを手伝おう、人足たちを一旦現場から下がらせて貰えるだろうか」

現場監督はさっき許可証を持ってきたチョーコを見てきたので、作業が進むと思うので、お願いしちゃいませんか?と言うと、反対する理由もないと皆に声をかけ、人々を下がらせてくれる。


「斬った木も巻き込んだ魔獣も纏めて集めるのはまーかせて♪」

リィコさんがユグードさんの後ろから声を掛けるのに頷いて、ユグードさんは腰に差していた、サバイバルナイフにしては刃渡りが長いな?くらいの大型ナイフ……いや、ユグードさん本人がかなり身体も手も大きいから、小さめに見えるだけか。

実際、ユグードさんがそれを振る度に数本まとめて木がスパンスパンと根元を切断されて倒れかかってくる。


普通にさっさと歩くスピードで進みながら木を切り払っていく後ろを、風を操って木を次々と根元から綺麗に袋へ縦に突っ込んで回収していくリィコさん。

あっけにとられたようにあんぐり口を開けたままそれを見ている現場監督と作業員たち……


時々巻き込みで切られただけでまだ核の周りに半分くらい残ったままの魔獣までポイポイ吸い込んでいっているけど、そっか。アイテムボックスに放り込むと核以外消えちゃうからいいのかと。新しいアイテムボックスの使い道まで知ってしまった。


ついでにオクティと私で切り株の引き抜きも手伝うと、その切り株も纏めてリィコさんが吸い込んでいってくれ。あとは凸凹になった地面を均して歩きやすく固めるくらい。


とんでもないスピードで作業が進む小一時間が過ぎ、ちゃんと数えてないけど引き抜いた切り株は絶対三桁行ってると思う、と思ったあたりでユグードさんがようやく手を止めた。

「軽く集めたがとりあえず一旦はこんなものでいいだろうか?まずは持って行って売れゆきを見て、足りないようなら後で人間達が追加を売りに行くのだろう?」

「はい、助かりました!」


お邪魔しましたと現場の人たちに挨拶をすると、皆心を読まなくてもハッキリわかるくらい。竜人と天人のヤバさが心に刻まれた顔をしていた。


リィコさんも居るし街の外には出てるので、直接テレポートしちゃってもいいかなと言ったら。ずっとにこにこしながら後ろに付き従ってるだけだったメイドさんが。

「あっ。洞窟前に設置した転送盤の片割れはわたくしが預かりますわ!行ってらっしゃいませ」

と突然言ってきて。


あ。私のテレポートは行先固定じゃなく、どこでも目印点けて飛べるってリィコさんにバレちゃうところだったと気付いた。

さっき洞窟から帰る時、無意識に直接転送所までテレポートしちゃったけど、テレポートに詳しくないユグードさんには転送盤を設置したからだと思われてたんだろう。


「そ、そうだねー!ありがとう。転送盤は持ったままじゃ飛べないもんね。じゃあこれは私たちが飛んだあと、メイドさんが家まで運んでおいてくれる?護衛はユグードさんとリィコさんとオクティが居るから心配ないよね!」

と返して、転送盤を使うことに。


火の山へは洞窟の転送盤に戻ってから向かうだろうと近くにユグードさんのワイバーンを繋いだままだったから回収して、リィコさんの協力も得てスムーズに火の山へ向かうことになった。

ぐんぐん近付いてくる火の山は、もうそのまま漫画に出てくるような常に煙を上げている三角形の活火山……なのだけど。

近付いてみたらなんというか、初めて見るから自信はないんだけど、噴き出している煙がなんとも弱々しくて、温泉の湯気くらいにしか見えないし。溶岩が固まった山肌もすっかり黒く静まり返っていて、赤々と燃える溶岩が流れっぱなしみたいなイメージとはだいぶ違う。


火口から見える穴もだいぶ深くて。おそらく本来はもっとなみなみと溶岩が溜まっているんじゃないかと思う穴は、随分下の方にチラチラと赤く燃えている岩が溜まっているだけ。


そうやって覗いていたら、ふわふわと下からこちらに向けて浮かび上がってくる大きな火の粉というか、何となく人型のような形の炎が真っすぐこちらに近付いてきて、少し離れた所で止まる。

浮かび上がって来た炎のなんとなく首っぽいくびれの上の、口っぽい高さから、いきなりゴウッと火が噴き出した。


「多種多様の種族のものが寄り集まって……珍しいな、何者か」

あ、初手ファイアーブレス?って一瞬ビビっちゃったけど、声と一緒に呼気として火を吐いちゃうだけなのね。

「初めまして。私は人間族でチョーコ、彼も人間族でオクティ。ここへ連れてきてくれた竜人のユグードさんと、天人のリィコさんです。向こうの大陸の洞窟にいるドワーフさんやノームさん達が、長い間この大陸と連絡がとれなくなっていて、皆さんの無事を心配しているって聞きました。

それで、ここではカレースパイスが採れるって聞いたので、沢山買いに来たんですけど。売れるだけ売ってくれませんか?!」


「買いに?見た所手ぶらのようだが、何を持ってきたのだ。宝石のような物なら要らんぞ」

「木をいっぱい持ってきました!天人さんのアイテムボックスに入れてあるので、どこか広い所に案内して貰えたら出します」


「木だと?!しかもたくさん?ちょ、ちょっとこっちで見せてくれ!」


先程よりだいぶスピーディーに飛んで火口から出た炎人さんが島の内側へ降りていくので後ろからついていくと、山肌が終わって砂漠に入る境目辺りで止まる。周囲の岩も砂も見た目は赤々しくて灼熱地獄っぽく見えるのに、実際来てみると、カラッとしてるし日差しが強いわけではないし、陽炎が上がるほど空気や地面が熱されてるなんてこともない。


ワイバーンも遠慮なく着地したので降りてみると、確かに夏っぽいけど……正直都会のアスファルトとは勝負にならないくらい過ごしやすい気がした。


「思ったより地面とかが熱かったりしないんですね」

と呟いたら、炎人さんはちょっぴり肩を落としたような仕草をする。

「外から入ってくるものも減って、まともな食うものは無いし。皆、弱っておるのだ」


「リィコさん、持ってきた分全部出して貰っていいですか?」

「はいはーい♪」


リィコさんは袋の口に手を突っ込んだまま、木だけがまるで見えない手に引っ張られているかのように次々と流れ出てきては綺麗に三角の山を作って積み上げられていく。


全く数えてなかったけど……止まらないね。200を越えた辺りで驚きに固まっていた炎人さんが我に返って。大きく、細く、長い炎をぶわぁっと空中に吐き出した。

『皆、い、急ぎだ。海底洞窟の入り口に集まれ……!カレースパイスや売り物になるものを持って来い!』


音、ではないかも。テレパシーを広範囲に飛ばすようなことをしたんだと思う。

すぐには何も起こらなかったけれど、しばらく待つと辺りが急にザワザワした空気に満ちてきた。


同じような炎人さんや、赤い砂の中からズモモモッと身体を持ち上げた、桃色や橙色っぽい、おそらく砂人さんというのだろう人たちが出てきては積み上がった木の山を見て固まり、暫く呆然と驚愕に満ちた様子になり。最初の炎人さんが「この人間族はカレースパイスがたくさん欲しいそうだ。あの木と交換で買えるだけ買いに来たと言っている」という説明をする声にはっと我に返る。

という動きを、来る人来る人みんな繰り返していた。


炎人も砂人も、人型というにはあまりに不定形なもので出来ているから、輪郭がはっきりしないんだけど。聞こえてくる言葉はどれもこれも賢そうで粗野な所のない、真面目な言葉が多かった。竜人と天人はたまに見かけるが、人間を初めて見るという言葉と共に。「ふむ、男の方には全ての属性が渦巻き、女の方には一つもないが、代わりに見たことのない力が見えるな」「あぁ確かに、神々しさもあるな」と何人か話しているのが聞こえたので。魔眼みたいなものを持ってる人がけっこういるのかもしれない。


「木を丸ごと一本でこの入れ物に一杯のスパイスが買えるってドワーフさんから聞いたんですけど」

と貰った計量カップを見せたら、炎人さんは納得したように。

「相場は小人たちと同じで良いそうだ!」と声を掛けていて。


「あとこの油の樽と交換で、この樽ひとつにカレースパイスが欲しいと、そのドワーフさんからの注文です」

と渡したら。

「なるほど、小人たちは元気にやっているようだなぁ……」

としみじみした様子で呟きながら油の樽をすぽんと炎の身体の中にしまい込んだか飲み込んだか見えなくなって、代わりに空の樽の上に手を翳し、ざざーっとカレースパイスを樽いっぱいになるまで注ぎ込んでくれた。


「おぅい、用意出来たぞ……どこに渡せばいいんだ……?」

ずぞぞ、と不自然に盛り上がった砂の山から声が聞こえたので。空の大樽を並べて計量カップを持つ。


ユグードさんが木の山の前に移動。

「支払いが済んだものには切り株を渡していってくれ、切り株を持っているものに俺が木を渡そう。騙して複数本貰おうとする不正者は見れば分かる」


「じゃあ切り株はこっちね」

とリィコさんも頷いて、チョーコの横に切り株の山を作った。

「そこそこ重いから、渡すのは俺がやるよ。チョーコは計って樽に入れて」


チョーコが用意してきた大樽を並べて、スパイスを持ってきた順に器で計って樽に入れ、オクティが隣で切り株を渡し、それを持った人は木の山に向かってユグードさんから丸ごと一本貰い、それを抱えて帰っていく。


炎人さんがなるべく1人1本は持って行けるように、手ぶら優先で列を作らせ、もし行き渡ったら2本目を買っても良いが途中で遠くから集まってきた人たちは前に追加するとして、2回目の人はどんどん後回しにされていく。列はなかなか途切れなかったけれど、持ってきた大樽が4つもいっぱいになり、木が売り切れるころにはどうやら足を運んだ人たちは全員買えたようで、よかった。


人間だったら白い部分大匙2杯くらいで一日もつくらいだもんね。元々は何も食べなくても生きていける種族だっていうし、丸ごと一本あれば、ちょっとずつ食べれば長く楽しめるだろう。


すぐに持って帰った人も居れば、少し残って、沢山運んできて貰って助かった。大事に食べる。とお礼を言って帰る人もいる。


また木や油や酒が手に入ったら持ってきてくれるとありがたい。我々の作る陶器やガラスもなかなかよいぞ、自信作だ。土産に持って行くか?とスパイス以外の売り物を一応持ってきたらしい数人が集まって話しかけてきた。


「あ。ガラスと陶器はサンプルになりそうなものがあったら少しだけ欲しいです。えぇと、帰って他の人間族にも交易したい人がいるか聞いてみる予定なんですが。どこか人間が入りやすい所に交易が出来る場所って用意して貰えたりしませんか?

皆さんが食べて元気になったら、この辺りは灼熱地獄になるっぽいですよね?それだと人間が来るには熱くなりすぎるかなって……」


「ぬ。それはそうかもしれん」

とまた彼らがガヤガヤと相談し始める


海底洞窟を復活させるか。

いやまた崩れてもいかんしな。陸橋はどうだ。

大型水獣が通れるアーチのサイズは……などと真剣な討論が始まる。


……あれ?山の外側、例えば火山の外の海に面してる所とかにちょっとした港でも作って貰えればいいかなと思ったくらいなんだけど。何かいきなり大掛かりな土木事業が始まりそう?


「次に来るまでには山まで陸橋で繋いでおくから、そこから来い!」

ということになった。


「あ。はい……」

次回来るまでに陸橋で山まで繋ぐ……え。結構遠かったけど?

ま、まぁ、きっとマグマを操って伸ばして固めて岩にするとか、なんかそういう魔法っぽい建築で作れるんだよね?


「凄い橋が出来そうなので、楽しみにしてます!」

と返して、売るものも売ったし帰ることになった。


お土産として貰ったのは、計量カップと同じ分量が入るピッタリキッチリ同じサイズ同じ形に揃った、重ねられるガラスの器が30枚と、気合の入った装飾のある陶器製足つきゴブレットの5個セット。割ると怖いから早速マジックバッグの中へ。


炎人と砂人の協力で作られるガラスは透明度が無茶苦茶高くて気泡もなく、強度もあるし、形や大きさの正確さが何よりすごい。機械もないのに綺麗に重なって全てが全く同じように揃ってるなんて。

商会組合長に見せたらきっと、興味を持ってくれるだろうなぁ……


ユグードさんはもう街へは用がないので、来た時のようにワイバーンに乗せて貰い。洞窟に寄ってスパイスの注文分の樽を渡したら、リィコさんのテレポートで風の柱に飛んで牛の村まで行って解散しようということになった。牛の村からならリィコさんもまた街へ簡単に戻れるので問題ない。


ドワーフのドットさんはもう行って来た、と聞いて驚いていたけど。いつのまにやら天人さんも増えていたので何となく納得したらしく。素直にお礼を言って来た。

火の山からこちらの大陸へ、今度は洞窟じゃなくて陸橋で繋ぐと言っていたことを伝えると、それならまた俺たちも行けるようになるな、と少しうれしそう。


そんなこんなで村に帰って、リィコさんには今回の報酬として約束していたオレンジ5個と、おまけで砕いた飲み物用の氷を小ぶりな桶に山盛り出してあげたら凄く喜んで早速アイテムボックスに。

アイテムボックスの中は氷が溶けたりしないという仕様は同じなので、便利だよね。うん。


そう言えばアイテムボックスにリィコさんが驚かないなと思ったら、初日にサニーさんが見たのを天人さんたちには話していて、『エスの祝福』でアイテムボックスだとか、威圧だとか、特殊な魔法が幾つか使えるらしいという話も聞いていたらしい。そして、人間の街でそれが広まると悪目立ちして色々面倒なので、人間相手には能力を隠したがっているとも。


「あっ、手伝ってくれるっていうのも、その為だったんですね……ありがとうございます」

「いいのよぉ、面白そうっていうのは本当だしぃ?伝説の炎人や砂人をあんな近くで大勢見たことなんて初めてだったから、皆に自慢しちゃうわぁ♪」


火の山で出さなかったけど魔獣の核もかなりたくさん巻き込んでたらしい。天人さんは要らないというので、それは纏めてこちらに貰う。


帰る時にふと、牛の村の長老は戻ってきてるというのを思い出したけど。お絵描きなら色々済んで落ち着いてからじっくり描きたいので今日はやめておこうかな。

ユグードさんにお礼を言われ、こちらも頭を下げて、リィコさんと一緒に転送盤で街へ。


驚くことに、まだ午前中。……日の出すぐに迎えに来られたからね。一日が長くってすごい。

経過報告というか、もう一度商会組合に顔を出さなくちゃ。


木を回収する許可証は一旦返した方がいいだろうし。無事に交易が出来そうって話とか、あと洞窟前に転送盤を繋げるって話と、ドワーフが金属加工、ノームが石と宝石の加工が得意なことと、芋やキノコ、スパイスが買えるってこと。


火の大陸への交易路は海底洞窟を参考に伸ばすのなら多分やっぱり洞窟前に繋がるだろうから、向こうが作ってくれる道を通っていける予定ってこと。

あぁ、火の大陸での交易は、老木丸ごと一本でこのガラスの器に一杯、油なら同量、アルコールなら3倍のカレー粉が貰えるのも教えておけば、商隊も話がスムーズなはず。


パーティーが終わってからカレー粉も商会に卸して、広めて貰って。美味しかったらもっと買いたくなるはず。ふふふ。


炎人たちとドワーフたちは同じ地界語を話せるらしいので、ノームやドワーフたちに、天人たちの天界語講座みたいなのを開いて貰っても良いかもしれないなぁ。

国主導の商隊は翻訳機を持ってるはずだから、陸橋というのが出来たら陸路で洞窟から火の大陸まで取引が出来るようになるのはすぐだろう……


……うふふ。

ガラスが入手できるようになったら、窓ガラスとかガラス瓶も出来るようになるかな。


完全に周りを見ていなかったけれど、オクティがしっかり連れてきてくれたみたい。気付いた時には商会に居た。どうやらボーっとしている間に小さい小分け用の樽とか用意できないかと交渉して片手で持ちあがるサイズのものを用意して貰っていた。


我に返った時には木材回収の許可証、小樽に入ったカレースパイスのサンプルと陶器のゴブレットセットとガラスの器が机に並んでいて、オクティがドワーフから聞いた交易相場や扱っている品物、欲しがっているもの、使っている言語が地界語で天人たちとはまた違うこと、魔人族が小人族の居る洞窟の方に向けて海を渡る交易路を建築すると話していたので、近いうちに行き来できるようになるだろうこと。

小人の洞窟の前に転送盤を置いてきたので、片割れは宰相に許可を取ってから転送所に設置して貰う予定ということまで丁寧に話している最中。


「わわ、全部説明任せちゃってごめん……」

「いいよ、色々考えてたのは分かってるし。そのカレースパイス、結婚宣言のお祭りでメインに使うつもりなんだよな?どういう料理にするかは考えてるのか?」

「今ある素材だと一番作りやすくて大勢に配りやすいのは、お肉をスパイスと砂糖と塩と摩り下ろしたニンニクを混ぜた中に漬け込んでから焼くのが良いかなって思ってるの。カレースープは私が知ってるレシピだと小麦粉とまだ見つかってない野菜を使うから、もうちょっと準備に時間がかかるし」


「嬢ちゃんたちのパーティーのメイン料理にこれを使うのはいいな!インパクトも大事だ。このスパイスのサンプルは料理の研究用に宰相家には渡すが、流通させるのはその祭りが終わった後にするから安心しててくれ」

メイン料理が決まって、ドリンク関連もかなり充実したし、お祭りの進行なんかはミラルダさんにも知恵を借りればなんとかなりそう。


あとは……うん。ご挨拶だね。

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