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飢えないだけじゃ生きられない(日・水・更新中)  作者: なるねこ


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42/89

42.貴族って窮屈そう

広いサロンに集められたたくさんの招待客、さきほどのマギーさんとお母さんもそちらに混ざって席に着く。


チョーコはミラルダと一緒に2人だけの、結婚式の高砂みたいな全体を見渡せる席に案内された。


「本当は1卓にまとまって皆とお喋り出来るようにしたかったんだけど、ひと目でもチョーコさんを見たいって方が本当に多くって。選びに選んでもこれだけいらしたのよ。

だから今日は本当に顔合わせだけ。今後はもっと少人数で、お茶会や品評会を開いてゆっくりお喋りしましょうね?」

「はい、よろしくお願いします……」

とはいっても、これでもチョーコにとっては人が多くて腰が引けてしまう。


ミラルダさんと2人の席に座らされてから、全員は覚えきれないと思うでしょうけど、ひとまずご紹介するわね、と声が掛かると。

それぞれが一人ずつ順に立って軽くカーテシーのようなお辞儀をしながら名乗ってくれた。


商会組合長のライガ・マクレガーの妻リアーナとお嬢様のマリアンヌとリリアンヌ、冒険者組合長グレイ・ロッドの奥様セレーナとお嬢様のロレット、宰相さんが率いるお城の文官たちの奥さまやお嬢様、サラ、カリナ、ミーティアなど。


正直右から左でろくに頭に入ってこない。

ただ、女性たちばかりの中に混ざって、青い髪のスラッとした男性が座っているのが気になった。

注目していることにミラルダさんはすぐ気付く。


「あ、彼はね。街で白砂糖茶屋を開いているマキアート・ローガン氏。あそこで執事をしているエスプーレさんのお兄様なのよ。今日は女性同士のお茶会だと言ったのだけど、どうしてもすぐにお礼が言いたいとおっしゃるから、特別にいらして貰ったの」


執事と言いつつ壁際に控えている赤と青のお兄さんの青い方を示されてそちらを向くと、変わらず無表情のまますっと自分の胸に手を当てる礼をされた。

顔は全く似てないけど兄弟なのかー。と思ってお兄さんの方を向いたら。


「義理の兄ですけどね」と彼が微笑んで立ち上がり、名乗って一礼された。

無理に押しかけて申し訳ありませんとにこやかに言って、事情を話してくれる。


彼はオクティと同じ魔塔の実験3世代目の生まれなのだが。魔力量が規定に満たず、赤ん坊の内に男子の居ない貴族の養子に出されたものの、すぐに弟が2人も生まれて(エスプーレさんは下の弟)嫡男になる必要が無くなり。しかも魔力は飛び抜けて高いわけではなかったのに魔眼持ちが判明。


弟たちも優秀で充分に家を任せられる能力があると判明する頃にはすっかり本人は事情を理解していて。でも、一度息子として引き取ったのだから、魔塔に戻したりはしないと言って貰い、長男として育ててくれた。

そんな両親や弟たちに感謝と共に申し訳なく思い、なんとか恩返しをしたいと考えていたころ。


白砂糖の流通が始まって、魔眼で見たら酩酊に丁度いい適量を判別できることが判明。

最初に1人ずつ気持ちよく酔える量を判断して出し、それをお茶や料理など好きな方法で飲食して安全に酔いを楽しむ店はどうかという発想になったらしい。


弟のエスプーレさん経由でミラルダさんの耳にその話が入り、あっという間にお店を出すことになったら、貴族間で大流行り。貴族家の魔眼持ちで定職にまだ着いていない若い人たちの働き先としても希望者が増えているそう。


元々はただの文官の家系で大した事業をしていた訳でもなく、次男以降は家からの生活補助はないので自力で他家に仕えたり自立しなければならなかったのが、すっかり茶屋事業の家としてやっていけるようになり、両親もとても喜んでくれたらしい。


「――というわけでして。砂糖を広めてくださったチョーコさんには、是非お会いしてお礼を言いたいと思っていたんですよ」

「いえそんな。私は本当に持ち込んだだけで……」


そういえば商会長にアルコールとか酔い水草は見せたし、木からアルコールが出来るならそのうち広まるかも。天人からも酒の実は届くと思うし。


隣にミラルダさんがいるから多少の先出しはお咎めなしのはず。

と、ちらっとミラルダさんの方へ視線を向けたら、彼女はパッと目を輝かせて微笑んだ。


「あらっ?チョーコさんったら、また新しいもののお話があるのかしら?皆さんいらっしゃるから是非ここで聞かせてちょうだい」

「あ、はい。まずは天人さんが『アイテムボックス』の魔法で色々持ち込まれるのが先かと思いますけど……」


アルコールや酒の実、果物の話、いずれ魚人との取引が始まったら酔い水草というものや、海の妖精の『サカナ』を焼いたり昆布で煮たものや、『棘なしウニ』の中身を焼いた焼きウニもお酒に合うのでお勧めです、ちゃんと魔眼で見て適量を守るなら大丈夫だと思うので、他に新しいレシピもあったら商会組合にも話しておきますね、などと色々ぺらぺら話してしまったら。


いつのまにか彼だけではなく、周囲の奥様たちの方がざわざわと反応しているのに気が付いた。


どうやら、白砂糖が手に入る高位貴族の中では、自家での楽しみとして晩酌のようなものも習慣になり始めたらしいのだが、やはり甘いものしかないのがネックだったらしい。


酒の実や果物は甘い酒ではあるけど新しい味だし、根底から覆すアルコールや辛みと苦味のある酔い水草に塩系のつまみ出現の報せ。

それは一気に自宅での楽しみも広がるというもの。


「高山地帯のダンジョン開発が進んだら、野菜や果物が入ってくるようになりますし、牛が増えて牛乳がたくさん輸入できるようになったら、果物と生クリームを合わせたデザートとか、色々食べられるようになると思うので私も楽しみにしてるんです」

と続けて話したら。

こんどは奥様達だけではなく、若いお嬢様たちが甘い新しいデザート、とさっきより大きくどよめき始めた。


あぁ早く湖の小麦が手に入らないかな、そしたら広いところに植えてまず増やしたいな……なんとか獣人村からニワトリと卵も仕入れられないかな


……とか考えている間に、チョーコと同世代くらいの女の子たちが6人ほど立ち上がって、すぐ近くまで集まってきていた。


考え事に夢中になっている間に、思っていた以上に近くまで6人も迫ってきていたので、ひゅっと息を飲んでしまうくらいには驚いたけど、何とか悲鳴は飲み込むことが出来た。


「っ?!」

まず、真っ赤な髪をきつく巻き縦ロールヘアにして高く結んでいる美少女がずずいっと迫る。

「あのっ、チョーコさんって色々な国を回っていらした冒険者なのよね?わたくし達も仲良くしてくださらない?色々お話を聞きたいわ」


ミラルダさんも「そうね。若い子たち同士が一番話しやすいかもしれないわ」と8人掛けの席を作って全員座れるようにしてくれた。


隣にミラルダさんも付いて、改めてお嬢様たちの説明をしてくれる。

彼女たちの中で中心的な活動をしているのは、商会組合長の娘さんだという、先程の真っ赤な髪を縦ロールにして結っている子と、巻いただけで下ろしている子、髪以外はドレスなどもペアの衣装で揃えている、見るからに双子と思うよく似た美少女の2人組なのだそう。


マリアンヌとリリアンヌと名乗られたけれど、今日髪を結んでいる方がマリアンヌというだけで、正直髪型を変えられたら見分けられない自信がある。


「チョーコさん、言葉遣いなんて気にしないから気軽に話して頂戴?わたくしのことはマリアンと呼んで?」

「わたくしもリリアンって呼んでいいわ。わたくし達のお父様は商会組合の組合長をしていてね、色々面白い商品を沢山持ってくる子だってお話は聞かせてもらってるのよ」

その2人に続いて次々と皆が名乗ってくる。

「わたくしたちもチョーコさんのことはチョーコって呼んでいいかしら?」

「あ、うん、もちろん。よろしくね」


組合長のお嬢さんたちってこの子たちかー。そういえばミラルダさんとの顔合わせをしたから娘たちとどうこうって言ってた気がする。


他の子は文官の子たち。

緑の髪で青い目の姉がサラで妹のカリナ、少し幼そうに見える白っぽい髪でキレイな緑の目の子がミーティア。

そして青い髪と目の子は冒険者組合長の娘でロレット、と紹介されたけれど。


大体はマリアンとリリアンが喋って皆はほとんど相槌を打ちながら聞いている感じで話が進んでいた。


「チョーコが来てから、新しくミラルダ様が考案された『お茶会』が本当に素晴らしいわ!品評会も楽しいけど、やっぱり今はお茶会よ。新しいお菓子が出来たら、わたくし達の家でも絶対お茶会を開きたいってパパにも頼んでいるの。今日はこちらにお呼び頂けるって昨夜からワクワクしちゃって眠れなかったわ」


マリアンはパパ呼びで、リリアンはお父様呼び?たまたまかなぁ。


「品評会?」

「あ。チョーコは平民で冒険者出身だものね。わたくし達、普段は外に出して貰えないでしょう?だからね――」


貴族のお嬢様の普段の生活の話をちょっと聞かせて貰うと。


貴族の子供、特に女の子は屋敷の敷地から一切出さずに育てられるものらしい。敷地を出る場合は獣人車に必ず乗せられ、護衛が同行し、行先は知り合いの家か貴族専用のお店のみ。


そして普段は趣味として一つか二つ、歌唱、裁縫、詩、衣装や彫刻や宝飾品のデザイン画を描くなど習い事をするのだそうで、誰でもいくつか得意なものがあり。定期的に『品評会』を各家で開いては人を呼んで各自の作品を見せ合うのが楽しみだったのだという。


「歌とかお裁縫は自信ないかも……絵なら少しは?」

「まぁ!チョーコは絵を描けるの?それはぜひ見てみたいわ。私たちの中だと絵はミーティアとロレットが得意ね」


白い髪の幼げなミーティアははずかしそうにモジモジしながらぺこりと頭を下げるだけで何も言わないけれど、仲間を見つけた顔で嬉しそうなのは感じる。


マリアンたちと同い年くらいの青い髪のロレットは、軽く手を振りながら快活に笑む。

「いやいや、私のはミーティアのような美しいデザイン画ではなくて、戦う冒険者たちの姿を時々描いているだけ。武器や装備のデザインなら出来るけれど、どうも無骨なものになりがちでね」


「ミーティアの絵は装飾品のデザイン向きで、ロレットの絵は実用品のデザイン向きってこと?私はデザインはやったことがなくて、風景とか人物を描いていただけなの」

「あっ、いいね!私も人物画が一番好きだよ。品評会となると肩がこるから、今度兵士の絵を描きに外へ行かない?」

黙っていたミーティアが焦ったように顔を上げて、小さな声でおずおずと声を上げた。

「わ、わたくしも、行きたい……」

「ミーティアも来られるように私から父へは話しておくよ」

「ありがとう」

ほわっと笑うミーティアは幼いのもあって可愛くてほっこりする。


「デッサンなら私も行きたい。……あれ?でも貴族のお嬢様って外出禁止なんじゃないの?」

「うちは父が冒険者組合長の養子になった関係で貴族に上がっただけの元平民だからね。父から剣も習っているし、そこらのゴロツキ程度には負けないから安心して」


「ロレットの剣技はとても美しいのよ!」

思わずと言った勢いで叫んだのは緑の髪の妹の方でカリナと名乗った子。

その勢いにはしたないわと軽くたしなめているお姉さんの方はサラ。

彼女の言葉に同意してロレットが頷く。


「サラとカリナは歌が得意でね、私が剣技の訓練でリズムをとっていたらそれに合わせて歌ってくれて、何だかとても楽しかったよ」

「それはもう剣舞とかダンスじゃないかな」


「ダンス?!音楽に合わせて舞うというのもあるのね、素敵!それは楽しそうだわ」

カリナはどうやら歌や踊りに興味が強いようで、ポロッと返した言葉にグイグイ食いついてきた。


サラも興味はあるのかやや乗り出してきている。

「新しい嗜みになりそう。舞うというのは剣舞のような動きの他にどんなものがあるのかしら?」


「えっと……国によって全然違うと思う。男女二人でペアを組んで向かい合って決まったステップを踏んだり回ったりするのもあるし、大人数で手を繋いで輪になって回りながらステップを踏むのもあるし……そういえば、歌はあるのに楽器ってないのね?」


「楽器!例えば?!」

「えっと……例えば大きさの違う入れ物を並べて叩くとそれぞれ違う音がするし。入れ物の素材も木と金属では音が変わるから、歌みたいに高い音や低い音が出せるようにするの」


横でマリアンとリリアンがどこから出したのか紐で束ねた小さなメモ帳と万年筆を出し始めた。

いやほんと、どこに入れてたの。


「それちょっとパパに伝えておくわ、興味のありそうな職人を集めてもらわなきゃ。他には?!」

「口笛みたいに風の通り方で音が鳴るように木彫りで吹き口を作って、後ろに管を繋げて途中にいくつか穴を開けておいて、指で穴を押さえると空気の響き方が変わって音が変わる、とか?」


カリナがガタッと反応した。

「口笛!そういえばうちの兄が『おぉメイヒェア』を口笛で吹いてたわ、そっか、ああいうことね!」

サラも納得顔で凄く楽しそうに笑む。

「楽器というのが出来たら、お茶会に続いて楽器とダンスが新しい嗜みになりそう、楽しみね!」

「んもう、新しいものが多すぎて困っちゃうわ!」


マリアンたちは顔を見合せてから少し考えて、頷き合う。

「新しいものももちろん素敵だけれど、わたくしとリリアンはまずお茶会から開くことにするわ!楽器もダンスも形になるまで暫くかかるでしょう?それにやっぱり新しいお菓子とお茶を楽しみたいもの!」

「そうよね。わらび餅やドーナツというものも素晴らしいけど、もうすぐ生クリームと果物の新しいお菓子が出来るのよね?!」

「楽しみすぎるわ!」


甘いものでテンションが上がるのは万国共通なんだなぁ。

「お茶とお菓子っていいよね。私も木の粉じゃない美味しいものを食べたくて……だから、色々な国を回って新しい素材を探そうって思ったの」

「チョーコは帝国に来る前は冒険者として旅をしていたのよね?どんなところへ行ったのかお話を聞いてみたいわ!」


「実はほとんどが森にいて、回ったのも本当に小さな村だけ。ちゃんと国と呼べる所に住んだことはここへ来るまで無かったの。でも、最近は魚人さんや天人さんや竜人さんともお話できるようになったし、新しいもののことは話せるかも」


「新しいもの……新しいデザートが出来たら絶対わたくし達の家でもお茶会を開くから招待していい?!

あ、貴族じゃないなら文字は習ってないかしら、お茶会のお知らせはお手紙じゃなくて従者を行かせるわ。今はどこに住んでらっしゃるの?」

「今はオクティの所に……でも平民街だから、宰相さんからお引越しを勧められているところみたい」


「まぁ!もう婚約者様のおうちに一緒に住んでいらっしゃるの?!」

「黒髪同士の運命の出会いだってわたくし、聞いたことがあるわ」

「魔塔出身のオクトエイド様よね、どんなお方なの?」

「それ、わたくしも気になってましたの!」

「くわしく!」

「出会いから全部お願い!」


突然、全員のテンションが跳ね上がってどどどっと質問が押し寄せた。

女の子集団と現実に卓を囲んで話すなんてあまりやってきていないものだから、こうなるとどのタイミングで返せばいいのかオロオロしていたけれど。


どうやら恋の話題は異世界でも女子の憧れのようで、オクティの話題は返事を待つように、一斉に言葉を止めて期待を込めた目で返事を待たれてしまう。


「出会いから、えっと……ずっと旅をしていて、丁度この国の近くを通りかかったんだけど。急に魔獣がたくさん襲ってくるようになったの。それで、皆やられてしまって、私も上から落ちて来た魔獣に飲み込まれて、もう助からないと諦めかけたところで、オクティに助けて貰ったの……」


「きゃあっ?!魔獣に飲まれるだなんて……よく間に合ったわね」

「うん。目が覚めたらオクティが傷を治してくれていたんだけど、本当に全身溶かされて死にかけだったのに、オクティがかけた回復魔法が凄くて。みるみるうちに全部治っていってね。凄かった……」


「んまぁ!オクトエイド様の魔法がすごいというお話は聞いたことがあるけど、流石にそこまでの傷だったのなら、治療には何週間……いえ、何ヶ月もかかるはずだわ。それは間違いなく2人の魔力相性が運命的に合っていたからよ!相性の良い魔力が混ざると飛躍的に回復力が増して、魔力枯渇も大怪我もとても早く治るそうだもの」

あれって、やっぱり普通じゃなかったんだ。


「それでそれで?!オクトエイド様から『あぁ運命の人よ、一緒に居て欲しい』とか言われた?!」

恋バナに対して特にグイグイ来るのは双子の2人だけど、ほかの子たちも皆大注目で話に熱中しているのはよくわかる。


「そーそーそそ、そこまでは。でも、まともに触れられる人に初めて会えて嬉しいって。一緒に居たいって怪我が治るまで付き合ってくれて、服まで溶けちゃってたからローブを貸して貰って、仲間がいなくなっちゃったのなら、良かったらうちに来ないかって……それで、この国に」


「それで一緒に住んじゃって?」

「一生一緒に居ようって?」

「きゃー!どこまで進んだの?もう婚約者なんでしょ?」

「ま、まだ、どこまでってほどは」


「キスは?!」

頷く。


「きゃーっ!一緒に寝た?!」

「えっ……と、旅先からずっと隣で寝てはいたけど。本当にまだそれだけで」

「あらまぁ、まだキスだけなの?オクトエイド様って奥手な方ね」


結婚するまで手を出さないなんて誠実だわとか、でもちょっとくらい求められた方が嬉しいものじゃない?とかきゃいきゃいわいわいと大騒ぎし始めると、奥様たちが数人、淑女がみっともなく騒ぐんじゃありませんよとたしなめに来た。


思ったより時間が長くなったようで、オクティが迎えに来ていると入口で呼ばれていたそうだ。

見ると確かに秘書さんがペコっとこちらに会釈している。


ミラルダさんがチョーコの後ろに歩いてきて。そういうわけで、この子はそろそろお暇するわね。とポンとチョーコの肩に手を置く。今後チョーコさんはわたくしの孫娘になりますから、みなさん仲良くしてくれると嬉しいわ。と皆を見回しながら言って締め。

秘書さんの方へ向かわせてくれた。


お嬢様たちの何人かが、お茶会を開く時はお母さまに頼んで連絡しますからいらしてねー!と声を掛けてくれたので、是非と小さく頭を下げる。


来た時に着ていた服やお土産をまとめたという妙に大きな荷物が獣人車に積まれ、秘書さんのエスコートで獣人車に乗せられ。

先に乗って待っていたオクティに盛り上がっていたみたいだけど、楽しかった?と聞かれて、正直人の名前が覚えられなくて頭がパンクしそう!と言ったら運転席の秘書さんに少し笑われた。


「本日集まられた皆さまは奥様のご友人方で、おそらく今後チョーコ様が直接交流を持たれるとしたら、お嬢様方が主になるでしょう。

先ほど集まられていた6名は特に宰相派閥のご息女様たちですから、貴族としてのご友人候補としては最有力ですね。

中でもいつも赤髪を巻いていらっしゃる双子の方が、商会組合長のお嬢様のマリアンヌ様とリリアンヌ様。

彼女たちのマクレガー家がこの国でも一番の資産家で、品評会やお茶会を主宰することが最も多いですから、まずお2人から覚えられると宜しいかと」


と言われて頷く。


「あ、主人からチョーコ様の耳に入れておきたいことがあるのですが、今日は奥様に付き合って疲れているだろうから明日改めて呼ぶそうです。また明日お迎えに上がらせて頂いてもよろしいですか?」

「改めて?何かややこしいことなんです?」

「いえ、通訳関連のお話だそうなので、大したことは無いと思いますが。本日どの程度お疲れになるかわかりませんでしたので」

「通訳……あ、じゃあまだお見せしてなかった翻訳機を明日までに用意しておきますね」


「あ、完成されていたんですね?取り急ぎ……あ、いえ。最初はサンプルということで10前後の少数で良いはずですが、おそらく将来的には数多く必要になりますので、追加でそれなりの数をお願いすることになると思います」

「ですよね……急には難しいですけど、頑張ってみようと思います」


「チョーコ、魚人に制作を頼んでたよね?後で様子を見に行ってみようか」

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