ep.28-2 アーシャさんとデート
アーシャさんはガバっと顔を上げて、僕をうるんだ目で見つめた。
「遠乗りに出かけよう。季節は春だし、気持ちいい風を感じられるはずだ。お前は馬に乗れるか?」
「いえ。馬は乗ったことがないので」
「それならば、私の後ろに乗るがいい。私が馬に乗せてあげよう」
それから、僕はアーシャさんに手を繋がれて、騎士団の馬房まで案内された。
おっ、騎士団の馬房に、坊さんの立て看板がある。読んでみよ~。
なぜ、全救済の必然性があるか?
我々は無限に世界に存在している。
その中で、自分自身で、自分の地獄に干渉できず、他人でしか自分を救ってくれない環境が存在する。
パラレルワールドのある我々の世界では、自分が無限の数存在する状態となり、自分が地獄と呼ばれるにふさわしい悪環境になる環境も無限に存在する。
故に我々は、全部の存在を救済するという名目で、
我々以外の他人が自分を救済する余地を無限に作る必然があり、この考え方を数限りなく、
自分の拡散できる範疇の限界まで広める必然となり、自分ができる範疇において限りなく救済する力を使う必然となる。
なぜならば、他人が自分を救済するときに、できる範疇においてギリギリまで力を使って救済してもらう意志を広げる必然があるからだ。
それは同時に、自分も他人を全救済する意志を持つ必然となる。
ところが、金持ちや血族は、金や血脈の範疇で救済する意志を自己範疇のみに制限してしまう。
すると、利害関係が衝突する環境で、自分が救済されなくなってしまい、自分が地獄に落ちる環境が永遠と続くこととなる。
ゆえに、我々はモラルとして利害関係を越えた存在全体の全救済の意志を作る必要がある。また、地獄に人を落として笑う存在はこの必然を教育する必要がある。
それは、人を地獄に落とす存在は、他者を地獄に落とし続け、地獄享楽や環境を広げ、救済環境や、自分が救済される余地を制限するからである。
インシュアラーアーメンソワカ
井戸がある。全員に水が行き渡る井戸だ。
そのとき、善人は話し合いで、全員に水を配る。
しかし、悪人はひとりで井戸を占有し、結局全員が水を飲めなくなる。
従って悪人は救われぬ。
短く一生だけ観て、悪人が得をしても、必ず後で後悔する。
インシュアラー
おっ、人類を全部救うのって壮大な夢だよね~。
坊さんがんばってるな~。
おっ、でも、坊さんは夢として、全救済を言ってるんじゃないっぽいゾ。
なにか、地獄っていうのは、無限にあって、無限に広がってるみたい。
なんか、色々な坊さんの話を総合して考えると、
なにか、人間自体も、地獄を自分たちで広げ続けている部分があるみたい。
でも、そうすると、パラレルワールドのすべてが地獄まみれになっちゃう。
だから、坊さんは全救済を呼びかけて、
地位や、血族や、善悪、あらゆる垣根を越えて(悪は弾いてる?)
全存在が、お互い同士に地獄に落ちた自分たちを助け合う形を作りたがってるんだ。
なぜって、あらゆる存在がものすごい勢いで地獄を作って、
その上で、自然と地獄は広がって行くものだから、人間の住処として、
幸福な世界をひとつでも増やそうと坊さんはしてるみたいだ。
ただ、あんまり、この世界にいる僕の実感として地獄の実感はないんだけど。
でも、とりあえず、大切なことは、
利害を越えた段階で、人間というのはお互い同士にお互いの地獄を消していく必要があるってことみたい。
うーーーーん。難しい。
ただ、僕が思ったんだけど、自分の好きなヤツだけ救って、他は正直無視したい。
でも、坊さんが言うには、
そういう状況の他人ですら救った方がいいらしい。
なぜって、ギリギリの状況で、助け合いができないと、けっこう地獄に負けちゃって、
人間がひどい目に合うことになっちゃうって話らしい。
それで、さらに言うと、悪人でも教育する必要があるって話みたい。
悪人をただ放置しておくと地獄をきっと増やすからだよね~。悪人にとっての危機意識を働かせたいというのが、坊さんの言いたいことみたい。
・・・なんだか、今の僕からすると遠い話に聞こえるけど、けっこう、次に死んだときとか、そういうのが大切になって来るから、そういうのを自覚して、
今の世界で、知り合った人に広げるのって大切みたい。
うん。考えておこーーーぅ、と。
うーーーーーん。結構、立てカンバンって大事だなあ。
それから、これはっ。おっ、イスラム系かな?
井戸専有するのって普通の人でもやるよね?
全員に水が行き渡る状態でも、専有したヤツが子々孫々まで偉くなって、
尊敬されるヤツになっちゃうから、人類って救われないんだよね~。
まあ、井戸を占有したヤツにおもねったヤツだけ生き残ってるのが人類って話だよね?
だから、人類って地獄落ちるんだ~。
それでも、井戸の共有ルールって大事って話だよね?
イスラムの言いたいこと。
水が大事であって、人の権威より、水の大事さの方が上って話かな?
人って長い歴史の中で、水場を争って、水を飲めない時期ってけっこうあったんだ。
実際に水があるのに、お互い同士で、水の奪い合いをやって、
その奪い合いをしているせいで、水が誰にも飲めなくなる状態。
その頃には、ちゃんと水が全体に行き渡るほどなかったというのがあるんだけど、
そうやって、争いながら、人は水場を増やしてギリギリに生きて来たんだよね?
だから、そういうのを歴史的に見てきたイスラムのお坊さんは、
水場を全体に共有する意識を、人類自体は、本当に基本的な意識として持たないと地獄に落ちるって言いたいんだって。
うーーーん。なんとなくわかるなぁ。
なんていうか、僕らは最低限の幸福を全体が得られる環境にいるのに、分け合うことができずに、
争いを止められない種族だから。
はいはい。こういうの、やっぱり、直して行きたいよねーーーーー!!!!
ひひひーーーん
それから、馬房で馬を選んで、アーシャさんと、草原の中を馬に乗ってデートしたッッ☆彡
草原の風は気持ちよくて、そして、アーシャさんの後ろに乗って、アーシャさんのきれいな身体に抱き着きながら、馬に乗ってるのは、やたらと気持ちよく感じた。
それから、昼過ぎまで馬に乗って、そこの草原で、二人でサンドイッチを食べたッッ☆彡
食べているときはよかったけど、食べた後、帰る段階になって、また、アーシャさんが真っ赤になって僕に言ってきた。
「・・・馬乗りは楽しかったか?」
「はい。とても風が気持ちよくて、馬って楽しいですね」
僕はそのとき、カッコつけようとして、カクカクいってしまった。
カクカク~♪ カクカク~♪
僕はキメようとすると、こういう風にヘンな動きをしてしまうんだよ。わはは。
「そうか。私もお前と来れてよかった。だから、また、馬乗りに誘っていいか?」
「・・・もちろんです。アーシャさま」
「・・・アーシャでいい」
・・・なんだか知らないが、女騎士団長に気に入られてしまった・・・。いったい、僕のどこが気に入ったんだろうッッ☆彡
むふふ~。ラッキィー。ワッショイ! ワッショイ。
異世界に来て思うよ~☆彡 夢って、やっぱり日本じゃなく、異世界で叶うものだよー。
日本のメディアがつくってるウソの夢なんてサイテーだよね~。やっぱ、異世界だよっ
とにかく、この世界で僕は、家も手にいれたし、お金も持った。これでさらに、美女にまで好かれちゃう僕って、完璧なんじゃなかろうか?
うしし。異世界最高~。いえーい。




