ゲーム?それとも漫画?
魔法学園に向かう道すがら、私は現状を整理してみた。
まず、ゲームの「きみせか」の世界なのは確かだ。
私はこのゲームの中のヒロイン「ソフィア・ハンプソン」だ。
男爵家の長女で、ヒロインらしく可愛らしい容姿をしている。
ソフィアは幼少期、光魔法の加護を受けて生まれた少女として誘拐されてしまう。
光魔法は、このゲームでも珍しい存在だ。
回復魔法をメインとして、人や生物。
果ては地上の浄化も出来るのだ。
しかも、よくあるゲームの設定通り、この国だけが魔法を使える人間が生まれる。
そんな中でも、光魔法は100年に一人の割合でしか生まれないらしい。
そんなソフィアを狙い、男爵家のメイドの1人がソフィアを裏社会の人間に売ってしまうのだ。
ソフィアは他国に連れ出されそうになった所を、国境を警備していた、当時子爵だったバトレー伯爵に救われたのだとか。
バトレー伯爵は、この事件の功績で子爵から伯爵になったのよね。
ちょっときな臭い感じがするんだけど……、まぁ、それは置いておいて。
ソフィアはそれ以来、バトレー伯爵家の援助で、男爵家では到底出来ない贅沢な暮らしをしている。
それは、バトレー伯爵の長男であるダーネルと婚約が決まっていた。
しかし、このダーネルがクズなんだよね。
ソフィアを束縛しておきながら、自分は浮気し放題。それでもソフィアは健気に尽くしていたが、魔法学園で様々な人達と接して行くうちに、ソフィアは自立して生きて行こうと決意する。
そんなソフィアに手を差し伸べる5人の攻略対象。
(まぁ、そのうちの一人がダーネルでもある)
皇太子のクリフォードは、ツンデレ王子。
何でも出来る完璧王子で、つまらない毎日を送っていたクリフォード。
健気で一生懸命なソフィアに接するうちに、心を奪われて行く。
でもクリフォードは、女性はみんな自分に勝手に寄ってくると思っていたから、男友達としてしか見てくれないソフィアに素直になれなくてね……。
中々の、残念イケメンツンデレ王子なのよね。
一方、弟のカーティスは甘えん坊キャラ。
弟属性を生かしまくり、最初は兄の想い人であるソフィアを略奪したいだけで近寄るが、ソフィアの人柄に惹かれて行くのよね。
3人目は、ソフィアの婚約者の俺様クズ野郎、ダーネル。
ソフィアの健気さに目が覚めて、ソフィア一筋になるんだけど、私なら絶対お断りね!
4人目は、教師のギルバート。
皇帝の弟で、自由人。
でも実は、兄嫁のフランソワ様に片思いを拗らせ、チャラ男になったのよね。
でも、そんなギルバートの悲しい片思いに寄り添い、慰めてくれたソフィアに惚れちゃうの。
確かギルルートは、ソフィアとギルは海外に駆け落ちしちゃうのよね~。
そして最後は、人間と敵対している魔族の王、スウェイン。
まぉ、闇系のヤンデレよね。