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ロッテの生き甲斐と私の生きる道

「そんな……。私、ソフィアお嬢様を可愛く仕上げる事が生き甲斐なんです!」

私の言葉に、ロッテが縋り付くように訴える。

「でもね、ロッテ。私はロッテみたいになりたいの!」

そう訴えた私に

「お嬢様、なんと勿体ない!」

オーバーによろけながら床に座り込むと

「ソフィアお嬢様は、天使のように愛らしいのです。ですから、その愛らしさを武器になさって下さい」

まるで何処かの三文芝居のように訴えて来る。

私が深い溜め息を吐きながら

「私ね、王子様と結ばれたくないの」

そう呟くと、ロッテは

「もしかして、クリフォード殿下が何か?」

真剣な眼差しで聞いて来た。

私が首を横に振ると

「違うわ、ロッテ。私ね、良く考えたの。殿下には、レミリア様がいらっしゃるじゃない。私はね、大人しく身の丈に合った方と結婚出来れば良いの」

そう答えると、ロッテが手にしていた櫛を床に落とした。

「ソフィア様、熱でもあるのですか?」

額に手を当てられ、本気で心配している。

そうよね。

前世の記憶を取り戻す前までは、王子を落として王太子妃を目指していたのだから。

しかし、前世の記憶が蘇った今、恐ろしくてそんな気になれない。

ざまぁされないように、大人しく引き下がるべし!よ。

それに私、前世でゲームをやってないから、攻略方法なんか知らないし。

漫画の通りだったとしても、断罪されて修道院に監禁のれるって事しかしらない。

だったら、クリフォード殿下はレミリア様にお返しして、卒業まで大人しく過ごすしか無いじゃない?

まぁさ、修道院に行っても良いけど、監禁の意味を含めると、一年中雪に覆われた来たの修道院になるわけ。

どうせ修道院に入るなら、南の比較的穏やかな修道院に入りたい。

もう、過去のしでかした自分は訂正出来ないし、せめて5歳とか6歳で記憶が蘇れば良かったのに……と悔やんでも仕方ない。

そんな事を考えながら、ふと鏡を見たら首が揺れているじゃない!

「ロッテ、これを私の首に巻いて!」

首が揺れないように、少し厚めの布を首にグルグル巻にしてもらった。

「……お嬢様、本当にそれで学校に行かれるのですか?」

呆れ顔のロッテ。

分かるわ、ロッテ!

でもね、背に腹はかえられないの!

心の中で呟き、私はすっかり固定された首を見てニンマリと笑う。

これなら、儚い系じゃなくてヤバイ系女子になったから、クリフォード殿下も逃げ出すに違いない。

ざまぁ展開から、一歩遠ざかったのでは無いかしら?

私はウキウキした気分で、朝食の準備がされている食堂へと向かった。

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