※Q16追加 本編で語られなかったQ&A その3
3章スバルトアルヴ滅亡編で出てきた要素についての設定語りです。
もし続きを書くことになった場合、唐突に変更される可能性も高い部分なので、話半分に読んでもらえたらと思ってます。
他何か説明が必要なこととか思いだしたら、そのうち追記/修正するかもです。
(基本的に思い付きをつらつら書いてるので、どっかで矛盾とか出てたらごめんなさい)
Q1:この後ムジカとアルマどうなんの?
A1
ムジカはこの後医療用ポッドに詰められて、セイリオスで病院送り。一週間くらい寝たきりのあと何の問題もなくケロッと起きる(予定。その後リムに説教地獄)
アルマのほうはというと、ムジカが死んだと勘違いしたことで精神崩壊寸前までノックアウト。
その後はムジカが生きてたことでぶっ壊れはしなかったものの、ムジカが眠ったままの医療用ポッドの傍で、後悔と罪の意識からごめんなさいと謝り続けるbot化。セイリオス帰還後は引きこもりになる。
作中でも触れたがアルマは能力はともかく精神性は強くないので、「自分が死ねばいい」って思ってたところでムジカを身代わりにさせてしまい、その罪の意識に耐えられなかった。
この辺りのフォローが次章頭の話(に、なる予定)
Q2:アルマの今回の行動順序って結局どうなってたの?
A2
1.セイリオスのシステムが、スバルトアルヴの航路離脱を探知。ゼロポイントへの移動の可能性も考慮したものの、「まあないだろ」とスルー。
2.もともと折り合いの悪かった実家に監禁食らう。
3.レティシアたち出発後、システムがメタル実験の形跡+ゼロポイントへ向かったことを探知。「ないよね?」と思いつつ最悪を想定して行動開始。
4.スバルトアルヴ中枢に突撃するための戦力としてムジカ確保。本来は浮島の内部通路を伝って(ある程度)隠密する予定だった。
5.スバルトアルヴ内部に侵入しようとする直前で、メタルに撃墜。最悪にリーチしたことに気づいて「やっぱり」発言。
6.ノブリスにメタル取り付けて、無理矢理ノブリス動かそうとしていた実験(≒ヴィルベルヴィント)発見。最悪確定。
だいたい上記の流れ。この間でグダグダしてたのは、こんなことで死にたくないとか普通やらんだろとかなんで私が命かけなきゃならないんだとか、
助手を巻き込んだけどどこまでなら許されるかとか怒られてどうしようとか死にに来たこと知られたくないとか申し訳なさとかいろいろ考えてたせい。
何もかもうまくいかないし助手への罪悪感もあるしでも死にたくもないしでテンパってる間にトントン拍子に最悪に辿り着いて、どうしようもなくなったから最終手段の死を選んだ、という流れ。
Q3:アルマの守りたい『大切なもの』って?
A3
実のところ、そう多くはない。
レティシアやヤクト、従兄のフォルカといった幼馴染三人。
あとはここ最近親しくなった、傭兵団の三人もほんの少しだけ。
たったそれだけの人を守るために、アルマはこの空を救う道を選んだ。
ムジカに言った「それでは意味がない」の真意は、ムジカ自身も彼女が救うべき対象として見ていたからこその発言。
そんで全部ムジカにひっくり返された。
Q4:なんでドヴェルグ傭兵団を始めとしたスバルトアルヴの傭兵は、人攫いとかやってたの?
A4
外部の強いノーブルの血を、スバルトアルヴに組み込むため。レティシアたちがさらわれかけた理由でもある。
弱体化したスバルトアルヴのノーブルたちが、権威を取り戻すための取り組みの一環だった。
アールヴヘイムのノブリス〝ヴィルベルヴィント〟はこの取り組みの中で、人質に取られた仲間を救うためにノーブルの身柄ごと奪われた。
そういうことばっかやってたせいで、アールヴヘイムのノーブルたちがブチギレてたのが作中のアレ。
奪われたものを奪い返そうとして、だけど全部失われた。
Q5:ドヴェルグ傭兵団今なにやってんの?
A5
スバルトアルヴから仲間たち連れて逃げ出した後、ラウルに押し付けられた仕事を果たすために航行中。
別に首輪がついているわけでもないので無視できないこともないのだが、あの後ボコボコにされた挙句に見逃されたこと、また仕事を果たせば報酬がもらえることから渋々従っている。
あと仕事を果たす理由として、この空で胸を張って生きたいから、というのもある。
見逃された挙句仕事も果たさず尻尾巻いて逃げたくはないという、最後の意地。
なおダンデスはスバルトアルヴに捨ててってるのでたぶん死んでる。
(メタいこと言うと、生きてても特に役割ないし……)
Q6:スバルトアルヴのノーブルが弱体化した理由は?
A6
作中でもアルマが触れていたが、戦わなくなったために魔力がさび付いたから。
ただこの表現も実際には正しくはなく、実際にはこの空と浮島の仕組みの問題。
浮島には「戦わないノーブルが貴重なノブリスを占有することを阻む」仕組みがついており、それがノーブルの魔力適正に干渉するようになっている。
最初は世代交代を促す仕組みとして機能するが、戦わない世代が続くとその血統そのものの魔力適正を操作し、お家断絶まで自動で導くようになっている。
〝適格者〟を生み出すための空で戦わないノーブルなど害悪でしかなく、そういった者を取り除くための仕組みだった。
そもそもこの空は〝適格者〟を、強者を生み出すために用意された空。
なので、スバルトアルヴのように「ノーブルが戦わない島」などというのは全く想定されていなかった。
Q7:スバルトアルヴはメタルでどんな実験をしていたの?
A7
ノブリスに取り付けて、魔力適正が劣るものでもメタルの魔力でノブリスを動かせるようにする実験。
他メタルを使った魔道具やガン・ロッドに変わる武器の研究など、やれそうなことは一通りやっていた。
最初の内は制御できており、魔力適正を正しくごまかすことができていたので、スバルトアルヴの連中は調子に乗った。
その間に学習を済ませたメタルが〝暴走〟し、スバルトアルヴは全滅した。
Q8:結局メタルってなんなの?
A8
素材の一つに〝未来視〟の力を持つ人間を使った、魔道具兼使い魔。
「願う前から願望を察知する」という機能を実現するために、〝未来視〟の力が使われた。
素材に使われた人間に意識などはなく、もはや〝未来視〟の結果を魔道具に送信するためだけの機能に改造されている。
その性質上メタルは魔道具でありながら自動で動いていることが望ましく、そのため魔道具の材料にされた人間に〝使われている〟という体で自動化を実現している。
メタルは実際には暴走などしておらず、定義された通りに機能している。
問題なのは機能そのもの。「未来を見通して願望を叶える」ということが、何を引き起こすかを設計者以外の誰も気づいていなかった。
ちなみにアルマの言ったメタルの悪意ある仕様についてだが、これは一定期間はただの魔道具としてしか機能しないようになっていること。
本当は使用者の願いを叶える最適化のための溜め時間・学習期間なのだが、これが人類に「メタルは人間の手で制御できている」と錯覚させた。
王に献上した時には普通の魔道具として機能し――ある程度広まったところで、メタルは爆発するように〝暴走〟を開始した。
Q9:メタルに使われてた女性って誰?
A9
管理者の一族の祖先の一人で、当時最強の〝未来視〟の能力を持った女性。かつアーサーの恋人。
アーサーの独白通り、恋人を殺せなかったせいであの空は始まったとも言える。
だからアルマは実はアーサーが死ぬほど嫌いだったりする。
(調律者へのメッセージは、実態としてはアルマへ向けたもの。
子供の頃にアルマはあのメッセージを見て、「全部お前のせいだろこのクソ色ボケ野郎が何偉そうに説教かましてんだ」ってなったとかなってないとか)
Q10:「血が薄れる」ってなんのこと?
A10
長い時間をかけて、管理者・調律者としての能力が失われていくこと。
特に調律者のほうは深刻で、既に限られた者しか浮島のブラックボックスにアクセスできないレベルにまで弱体化が進んでいる。
これは単に、この仕組みを作った古代魔術師たちの見通し不足。
危険な情報をブラックボックス化して一部のものにしか伝わらないようにしたはいいが、数百年かかっても〝適格者〟が見つからないとは思っていなかった。
(そのせいで調律者の知識は口伝ベースとなっており、欠落が多くメタル暴走の真相などが欠けていた。
スバルトアルヴがメタル実験に走ったのもそれのせい。「危険だから手を出すな」の「危険度」が正しく伝わってなかった)
ちなみにアルマの血が〝濃い〟のは両親がアルマー・エルマ家を構成するアルマーとエルマ、それぞれの家の出だから。
浮島の整備担当と<デューク>の整備担当で表向きはともかく分かたれていた家が、たまたま合流した結果血の濃い者が誕生した。
(なおアルマの両親は二人とももう死んでる。調律者の一族としてアルマーとエルマのどちらかからアルマー・エルマの当主が選ばれるが、内実はバチバチしている。
それを嫌った両親はセイリオスを出奔したが、その先で事故死した、という未確定設定。そのうちしれっと変わってるかも?)
Q11:アーサーのメッセージって結局何だったの?
A11
メッセージ自体はただのメッセージ。心構えを説いただけのもの。
ただ過去編でロイが、現代でヴィルヘルミナが「託す(された)もの」について言及しているが、本来ならメッセージの他にもう一個だけ情報が開示されるはずだった。
これは本当の〝適格者〟が現れた時のみの処置で、ムジカの時は例外挙動ということで開示されなかった。
実態はとあるノブリスの設計データ。〝適格者〟がこの空を終わらせるために用意された機体(の、予定)。
ヴィルヘルミナたち管理者の一族は、管理者たちへのメッセージまでしか受け取れておらず、アーサーが〝適格者〟に何を託したのかを知らない。だから知りたがっている。自分たちが何のためにこの空を守っているのか、その意味を。
この辺りは次章でアルマが語ってくれる(予定)。
Q12:なんでムジカは〝適格者〟でもないのに〝スバルトアルヴ〟を起動できたの?
A12
火事場のバカ力 + スバルトアルヴ損傷蓄積による物理エラー + レギュレーターによる制限起動中なのに当のレギュレーター破壊による異常挙動 の3連コンボ。
言ってしまえば本当にただの偶然。二度と再現しない。
ただし、そういう奇妙な〝偶然〟を引き当て続けるのがジークフリートという一族でもある。
運命はある。それを読む一族がいる。運命を敵とするために生まれた一族もいる。そういうお話。
(この辺に関連して、アルマが言っていた「魔力とは何か」の話も次章でするかも?)
まあ理由を(むりやり)つけるなら上記というだけで、あるいは単純なイレギュラー個体。
Q13:5-9章ラウルの「よりにもよって、今そういうことするか」ってどういうこと?
A13
状況的には、アルマを犠牲にすれば全てがトントンに納まるはずだった。
が、ムジカが全部ひっくり返そうとして、その手段としてノブリス〝スバルトアルヴ〟を持ち出したからこの発言。
アルマも言っていたが、<デューク>級ノブリスがメタルに乗っ取られていたら大惨事になるってところでそういうことやったので、実はかなりの大悪手。
あそこでムジカが負けてたら、最悪レベルの大戦犯だった。
でもやり遂げちゃったので笑うしかないねっていうのが最後の苦笑に繋がってたりする。
Q14:スバルトアルヴの最後の調律者どうなったの?
A14
まあろくなことにはならないはず。
流れとしては他の浮島からやってきた調査隊に引き渡されて、何やったのか根掘り葉掘り尋問されて、結果次第で処刑ルート。
なおスバルトアルヴで行われた実験データ類はこの後ラウルの手で全部消される。他の浮島にマネされてもろくなことにならないってことで、真相はラウルとアルマとスバルトアルヴの調律者の頭の中。
ついでに当日のログにも細工が施される。
(ムジカが〝スバルトアルヴ〟起動したところとか、まるまるいじられる。<デューク>を操作できるラウルがやったことになった、とか、そんな感じでつじつま合わせ)
処刑されなかった場合は……まあ、もっとひどいことになる、はず。余計ひどいやつが出てきて余計ひどい実験に付き合わされたりとか。なまじ、知識と経験はあるので。
ちなみにキャラ設定としては長身・猫背・表情もおどおどしっぱなしだけど、アルマの遠い親戚ってことで顔立ち自体はアルマを大人にしたような感じで似てるって設定があった。
(描写する場所なかったんで削らった)
Q15:魔力は使わないとサビるけど、使いまくれば成長するの?
A15
そこまで劇的な変化は基本なし。多少の変化くらいはあるかもだけど、基本的に本人の生まれた時の素質次第なところが強い。
(何かのきっかけで大幅に魔力適正が上がる者は、そもそも強力な素質持ちだっただけということが多い)
現代において人類はそもそも魔術を魔術として使う力を失っているので、その魔術を導く「魔力」とはなんぞや?って部分がわかってない。そのせいで「鍛える」「衰える」とか言われても誰もピンとこない。
ノブリスの搭乗訓練は基本15歳からということになってるのは、体が成長しきる前に無茶をすると魔力が成長しきらなくなるから、なんて通説もあるが、それが正解かすら誰も知らない。
そういうところも込みで、歳月の経過によるかつての知識の欠落は、実は結構深刻な状況だったりする。
Q16:ラウルはノブリス〝スバルトアルヴ〟を使えるの?
A16
完全起動自体は問題なくできるため、フルスペックでの戦闘は可能。
ただし〝スバルトアルヴ〟はノブリスとしては特殊な機体のため「ラウルが扱いきれるか」という点では怪しいところも。
(ラウルの能力は<デューク>級ノブリス〝グレンデル〟に最適化されており、魔術師の特性を持つ〝スバルトアルヴ〟とは操縦特性がかみ合わない)
それでもラウルが使ってればメタル〝ヴィルベルヴィント〟は問題なく討伐可能で、あの場の最適解はアールヴヘイムのノーブルがメタルと戦闘している間に、ムジカが持ってきた〝スバルトアルヴ〟にラウルが乗り換えることだった。
ただ今回はラウルもレティシアもあまり〝視えて〟おらず、ムジカが〝スバルトアルヴ〟を持ち出した時にはアールヴヘイムのノーブルは撤退済み。ラウルが乗り換えられるような時間を確保できる余裕はなく、ついでにムジカも意識が朦朧としており乗り換え自体が難しい状況だった。
そもそもラウルは〝スバルトアルヴ〟は撃墜済みだと考えていたため、生存のためにはアルマの案に託すしかないと考えていた。もし機体が残っていることを知っていたらラウルの行動も変わっていたはず。
「面白かった!」「続きが気になる!」などと思っていただけたなら、ブクマやいいね、★★★★★や感想・レビューなどで応援していただけると作者としても励みになります。
あと話変わりますが、ノブリス・レプリカ書籍版1巻発売中です。
内容自体はWeb版から大きく修正・調整して読み心地をグレードアップさせつつ、高峰ナダレ先生の美麗イラストまでついて大変読み応えのあるものとなってます。
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