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5-9 〝彼〟を助けて

(これはもう駄目だな)


 というのが、ラウルの率直な感想だった。

 冷静に――冷徹に、状況を俯瞰する。自らの<ナイト>を機動させて敵の攻撃を避けつつ、魔弾をばらまいて撃ち落とす最中も、思考は嫌になるほどフラットだった。

 もはや人間などどこにもいない、浮島スバルトアルヴの上空にて。対処していたザコを撃墜して、ラウルは周囲に視線を走らせた。

 状況は乱戦真っただ中。至る所でアールヴヘイムの<ナイト>がノブリスもどきのメタルと戦闘を繰り広げている。雑兵散らしがラウルやアールヴヘイムの下級ノーブルの仕事だが、これほどの乱戦になったのは、浮島中のメタルが集まってきたからだ。戦闘の気配に呼応して集結した。

 だが別に、それ自体は問題ではない――真の問題は、ラウルたちの交戦エリアより、更に上空で繰り広げられていた。


 見上げれば、視線の先では轟音と閃光。放たれた雨のような魔弾の中を、一機のノブリスが舞っている。

 ひらひらと――まるで風に花びらが舞うように、鮮やかに攻撃を避け続けている。

 それが<マーカス>級ノブリス〝ヴィルベルヴィント〟であり……ここにいる全てのノーブルが倒さなければならない、今回の騒動を引き起こしたメタルだった。

 対するは、<カウント>級ノブリス〝シルフ〟を駆る、アールヴヘイムのご令嬢――ヴィルヘルミナ。彼女と、その配下である十機ほどの爵位持ちノブリスたち。

 十を超える圧倒的多対一の、集団戦。通常であれば、多数が勝つのが戦場の定石だが……


(どうしようもなくなった。もう、彼らには打つ手がない)


 敵の学習が進み過ぎた。

〝ヴィルベルヴィント〟の外観に変化はないが、被弾を防ぐために展開される魔道障壁の質が上がっていた。性能が向上したせいで、魔弾が直撃しても〝ヴィルベルヴィント〟は砕けない。機動の質も向上した。両者が合わさったせいで障壁を貫通して、装甲を砕く回数が極端に減った。

 それでも戦闘が継続しているのは、ノーブルたちが攻勢に出続けているからだ。流石の〝ヴィルベルヴィント〟にも、回避を捨てて反撃に出られるほどの防御力はまだないようだ。

 だが……それも、時間の問題だ。

 その崩壊の萌芽が、まさしく今見えた。


『――ぐぁっ!?』

『ウィルム!? このっ――』


 敵が、反撃を仕掛けてくるようになった。それも、的確にだ――十を超える敵の脅威にさらされながら、それに臆することもなく。

 流石に余裕があるわけでもない。弾速の遅いメタル弾の使用はせず、通常のガン・ロッドによる射撃戦を選んだようだが。だが敵は<マーカス>級、更にメタルに取り込まれたことで出力が上がっている。一発がかするだけで致命傷になりかねない。

 戦線は、崩壊の兆しを見せ始めていて――だからこそ、ここで決断が必要だった。


「リム。こっちに煙幕弾撃てるか?」


 遠方で控えている、バルムンクに通信を飛ばす。

 あちらからもこちらの様子が見えているのだろう。返事にラグはなく、だがあちらの声は沈んでいた。


『準備は、出来てる――けど、こっちも余裕はないよ。今メタルに襲われてる。レティシア様が対処してるけど……撃ち込むタイミングなんて、選んでられないよ?』

「ああ、タイミングは気にするな。今すぐ撃ち込め」

『……今すぐ?』


 怪訝そうに、彼女が訊いてくる。返答はしなかったが、それで危機の具合は共有できたらしい。

 だからか。彼女はこう訊いてきた。


『……兄さんは?』


 また、これだ――こんな状況だが、ラウルはつい苦笑してしまった。

 何かあればことあるごとに〝これ〟だ。ムジカのことばかり気にしている。というより、リムの頭にはそれしかない。他はどうでもいいのだろう。


(あいつに向ける心配の、一割でもこっちに向けてくれたらやりがいもあるってもんなんだがね?)


 だがそんなものも望めないのが父親という立場だ。ついでに言えば過去、やらからしてきた実績がある。悪い意味で。

 であれば、まあ、仕方ない。苦笑ついでに返答した。


「あいつは俺が回収してくよ。流石にほったらかして帰ったりはしない」

『……信じてるからね』


 明らかに疑ってるトーンでリムが答え、通信が途絶える。

 となれば、次は――と、こちらにやってくるメタルの一体に魔弾を飛ばしながら、ラウルは次の通信を飛ばした。


「ヴィルヘルミナ嬢? 今いいかね?」


 状況、というのであれば、これもまさしくだろう。見上げた頭上では一際激しく、〝シルフ〟が戦闘機動を取っている。

 アールヴヘイムのノブリスの中で、最も速いのが彼女だ。だからこそ敵の注意を引くように機動し、故に目障りだと最も狙われている。

 そんな状況でも応えてくるのだから、彼女の実力はなかなかのものだった。


『なん、ですか――ラウル講師! こんな、時に――』

「今から煙幕弾を撃つ。撤収の準備をしろ」


 だがそれはそれとして空気は読まず、ラウルは冷徹に告げた。

 通信先からは、息を呑む気配。ついでに機動が一瞬乱れたが――修正しつつ、叫んでくる。


『おめおめと――逃げ帰れと、おっしゃるの!? 倒すべき敵を前にして!!』

「そうだよ。我々は敗北した」

『……!!』

「仕切り直さねば死ぬだけだよ。配下を無駄死にさせたいのなら、話は別だがね」


 そして通信を切った。

 交渉のコツは、有無を言わさないことだ。こちらの主張を無理矢理押し付けて、返答は聞かずに実行する。もちろん、どうしようもない時のコツだ。普通だったらそんなもの、交渉などとは呼ばない。

 どちらにしても、ラウルが彼女にするのはそこまでだ。配下への指示は彼女の仕事であり、そこまではラウルの役割ではない――と、割り切ってから、また苦笑した。

 ただし、今回の苦笑は苦みのほうが遥かに勝った。


(役割、ね……)


 思い返していたのは、あの小さな少女のことだ。普段は白衣を着ている――今日はなぜかドレス姿だった、研究者の少女。調律者として完成していた、貴重な人材――アルマ・アルマー・エルマ。

 ムジカに指示を出し、彼女の使命を果たさせるよう促したが。口内の苦みは限界に達していた。

 それが何故かと言えば、彼女が何をしようとしているかを察していたからだ。この島を消し飛ばす気だろう、ということを。


(彼女にしか、それができないから……か。こうして()は、あの少女を犠牲にして生き延びるわけだ)


 とんだ悪党だ。損な役回りを彼女に押し付け、自分はのうのうと生き残る。今この空を救えるのが彼女だけだったとはいえ――本来なら、死ぬのは大人の役目であるべきはずなのに。

 だがそれでも、生き残らなければならない。()()()()()()()()()()


 だから目下、ラウルの悩みであり最大の問題は、ムジカをどうやって回収するかということだった。

 煙幕弾といずれ来るだろうアルマの援護、その二つのフォローの中でアレと合流し、生還しなければならない。それも、メタルの追撃から逃れながらだ。〝ヴィルベルヴィント〟と数多の雑兵を相手に切り抜ける必要がある。


(あいつが今、何してるか分かれば多少は楽になるんだがな……)


 ムジカ本人と<ダンゼル>と、それぞれに通信を飛ばすが反応は返ってこない。ムジカがアルマと共に浮島の心臓部に向かったのは間違いないが、その後の状況は不明だ。

 内部で何か、トラブルがあったとは思っていない。〝炉〟は本来、何もない場所だ。管理者と調律者がダイレクトに浮島のシステムにアクセスできる、それ以外には何の価値もない。ムジカたちが突入した時間を思えば、もうそろそろ事が動いてもいい頃合いのはずだった。


 と――遠方から響く破裂音。振り向けば、はるか遠くのバルムンクから低速で放たれた砲弾が、こちらに飛来してきていた。

 メタルにとっては未知の攻撃だ。警戒のために身構え、一瞬戦場が停滞する――

 そんな敵とこちらの頭上で、煙幕弾が破裂した。爆発するようにあふれ出す煙――ジャミングクラウドが辺りに霧となって拡散する。

 それと同時に、その声を聞いた。


『全員、撤退なさい――仕切り直しますっ!!』


 広域通信での、ヴィルヘルミナの指示だ。ジャミングクラウドに飲まれ、動きを止めたメタルたちを駄賃代わりに撃ち落としながら叫んでいる。

 アールヴヘイムのノーブルたちの反応は機敏だった。敵が困惑に停滞した、その一瞬で離脱に移る。

 あの〝ヴィルベルヴィント〟ですら、突然の霧に困惑したように動きを止めていた。この霧に乗じてなら、ラウルも逃げ出せるが。


(あいつを回収する前に、逃げ出すわけにはな)


 最上は、この霧に紛れてムジカと合流することだ。が、それが叶う様子はない。彼がどこからともなく現れてくれたなら、それほど楽なことはないのだが。

 となれば次善の策だが……その手段は自分の手の中にはない。アルマに浮島の防衛システムを起動させて、時間を稼いでもらわなければならない。元々浮島にはその機能がある――人類の生活拠点としての機能は、その後に組み込まれたものだ。

 だがそれは結局のところ、人任せの手段だ。皮肉を感じたのは、おそらくこの場にいるノーブルの中で、最も強力な存在が自分だということだ――そしてその自分が、何の役にも立てない。

 役立たずめ、と内心でののしっても、それは何の慰めにもならない――……

 と、気づいてラウルは顔をしかめた。


「君も、撤退すべきだと思うが?」


〝シルフ〟――ヴィルヘルミナだ。逃げるのではなく、ラウルの隣にまで降下してきていた。

 霧に惑わされて動きを止めたメタルたちを未だに撃ち落としながら、気楽な様子で言ってくる。


『この場での最高等級は、私の〝シルフ〟です。しんがりを引き受けるのは、高位貴族の務めでしょう?』


 それに、と空を見上げて付け足してくる。

 そこにいるのは、警戒するように動きを控えた〝ヴィルベルヴィント〟だ――が。


『……この霧も、〝ヴィルベルヴィント〟には効き目が薄いようですし』


 それは、こちらを見ていた。メタルなら認識を阻害されるはずの、霧の中にありながら。


(耐性を獲得している? ますます厳しいな……浮島が無防備にされたのと同義だ)


 ジャミングクラウドは地上と空とを隔てる雲海と、ほとんど同質のものだ。ジャミングクラウドを無効化されたということは、浮島を隠す雲海の機能も無効化されたと言っていい。

 このメタルを滅ぼさねばならない理由が増えた。


(かといって、今滅ぼす力があるわけでもないんだがね)


 結局のところ、自分にはどうしようもない。人頼みだ。

 この空が続くかどうか、まずはアルマにかかっている。彼女がやり遂げられるかどうか――自分を捨ててでも、この空の人々のために奉仕できるか。そのクソッタレな自己犠牲の強要に。

 そしてそれはこの場で自分が生き残れるかとは、また別の問題であった。


 ぎちり、と。まるでカマキリのように、〝ヴィルベルヴィント〟が首を回した。

 同時に、霧に呑まれていた雑兵たちも再起動。霧の外からも、戦闘の気配に駆けつけてきたメタルが更に迫ってくる――


『来ますわよ――お覚悟を』

「やれやれ。年寄りをこき使わないでもらいたいもんだがね――……?」


 ――と。

 ラウルが気付いたのは、その時だった。

 ヴヴヴと低く、蜂の羽音めいた空気の振動。明らかな異音の震源は……ラウルたちの頭上だ。〝ヴィルベルヴィント〟と挟んだ、その中間点。

 辺りに広がったジャミングクラウドの、一点に風穴が開いていた。

 そこには空間の断裂がある――まるで世界の亀裂のような、縦に一筋の暗黒があった。

 その亀裂から、まず出てきたのは、手だった。

 華奢な――ドレスグローブのような、手。


(な、に……!?)

『あれは……ノブリス!?』


 それが空間の断裂の淵を掴み、亀裂を押し開ける。

 ぎぃいいいい、と、それは周囲に異音をまき散らした。

 そしてその暗黒から、〝それ〟が這い出るように身を乗り出して、現れ出でる――

 それが何かを、ラウルは知っていた。数度だけ、この目で以前見たことがあった。

 空戦機動兵器として生み出されたノブリスの中にあって、芸術品とも評された華奢なフォルム。丸みを帯び、どこか女性らしさをその身に宿した――この空の最強の一つ、<公爵(デューク)>の名を冠する古代兵器。


「――〝スバルトアルヴ〟だと!?」

『え? あれが、この島の……?』


 霧が薄れ、晴れつつある中で。そのノブリスは全てを睥睨するように、戦場を静かに見降ろしていた。

 そしてラウルは、混乱の極致にあった。単純に理解できなかったからだ。


(まだ残っていたのか!? だがアレがあるのなら、この島がこんな事態になるはずがない――どうして今更出てきた? 今は誰が、アレを――)


 動かしているのか。

 その問いかけの答えを見つける前に――〝スバルトアルヴ〟が両腕を左右に突き出し、構えた。

 即座に気付いてラウルは叫ぶ。


「いかん――ヴィルヘルミナ嬢! 対ショック姿勢っ!!」

『えっ――』


 ――そして次の瞬間に、何の前触れもなく空間が爆砕した。


「ぐぅっ――!!」

『きゃああああっ!?』


 爆発ではない――爆砕だ。弾けた無色の衝撃が、破壊の奔流となって吹き荒れる。空間を砕くその一撃は、浮島全土を揺るがすほどの威力でもって放たれた。

 何の予兆もなく空間が変形し、効果内にある全てを押しつぶし、引きちぎり、へし折って、吹き飛ばす。ラウルたちはその範囲外にいた。だがその余波だけで機体が制御を失う。ラウルにできるのは抗わず、ただ衝撃に耐えることだけだった。

 そして体勢を立て直した時……周囲には、何も存在しない。浮島の大地を大きくえぐり、そして周囲の敵全てが消し飛んでいた。

 アレだけ集まっていたメタルの雑兵たちが……今では、跡形もない。宙を舞う銀の砂だけがその痕跡だ。

 ラウルと同じように衝撃で吹き飛ばされていた、ヴィルヘルミナが唖然と呟く。


『……これが、<デューク>の力……?』


 周囲の敵を、たった一発で消し飛ばした。ガン・ロッドを扱うノブリスとは全く異質の力。目の前で行使されたのはそういう力だ。

 だがラウルは、ヴィルヘルミナとは全く違う理由で愕然としていた。


(使いこなせて、ない……!?)


 本来の<デューク>の力はこんなものではない。特に〝スバルトアルヴ〟の特性は〝魔術師〟だ。機体に命じるだけで、眼前にある全てを滅ぼせる。その機体に予備動作は必要ない――というのに、わざわざ目の前にいるそれは身構え、魔術を行使した。

 明らかに、使いこなせていない――が、原因は、すぐに気づいた。魔道機関に余計な部品が一つ組付けてある。レギュレーターだ。機能を制限されている。

 そして……それでも、戦おうとしている。


『…………』


 ノブリス〝スバルトアルヴ〟は、最後に残った敵を見据えた。

 それの頭上。〝ヴィルベルヴィント〟はそこにいた。全くの無傷で。おそらくは魔道障壁を全力で展開して耐えきったのだろう。

 今は、敵を静かに見据えている――互いに。

 そして唐突に〝スバルトアルヴ〟が吼えた。


『――アアアアアアアアアアッ!!』


 ――それが戦闘開始の合図。

〝ヴィルベルヴィント〟が全力の後退。遠距離戦に移ろうとする、敵に〝スバルトアルヴ〟が突撃した。

 その両腕には金の燐光。腕そのものを銃身と定義し、手のひらの先から魔弾をばらまきながら敵へ迫る。一発一発が普通のノブリスなら致命になる威力だ。それを〝ヴィルベルヴィント〟は魔道障壁も交えて受けるが――

 その姿は、〝魔術師〟としてあるべき姿ではない。メチャクチャに飛び回る敵を、さらに上回る滅茶苦茶な機動で肉薄する。一心不乱に敵へ迫り、食らいつくようなその戦闘スタイルは――

 と。

 唐突に異音。ノブリスのシステムが通信要請を受理した。送信者が誰かに気付くと、ラウルは何にも優先して要請を受諾した。

 相手よりも先に、叫ぶ。


「アルマ嬢か!? 状況の報告を! あの〝スバルトアルヴ〟は何だ!? どうして今、アレが出てきた――」


 だが、アルマは聞いていなかった。

 ラウルの声をかき消したのは、それよりも強く――一際強く放たれた、絶叫だった。


『ラウル講師――()()()!()! ()()()()()()()()!!』

「……!?」

『〝スバルトアルヴ〟に乗っているのは、〝彼〟だ――魔力が足りてない、動くはずのないものが動いてる――このままだと、〝彼〟が壊れちゃう!! 〝彼〟を、助けてっ!!』


 彼女の声は涙で歪んでいた。もはや悲鳴と言っていいほどに。

 そしてその中でも、アルマは必死にやるべきことを始めていた。

 浮島中にある、全ての建物という建物が音を立てて崩れ去る。浮島が生み出したものが、全て浮島へと還り――銀の砂へ。

 メタルによく似ているが、その実わずかに違う。まだ制御が浮島側にあるうちは、それは浮島そのものでもある。アルマはそのリソース全てを瞬く間に作り替えていく。

 周囲にこつ然と、無数の砲台が現れた。アルマが生み出したものだ。ガン・ロッドと同質の、魔弾の射出器。その砲台が、最大限〝スバルトアルヴ〟に配慮しながら敵を狙う――

 対メタル用戦闘要塞。それが浮島の本来の姿だ。

 そしてラウルは、驚愕に見開いた目を睨むようにして細めた。


(あの、バカ野郎……!!)


 よりにもよって、今そういうことをするか。

 そういうバカげたことを平然としでかすのが、〝彼〟であり〝彼ら〟であるということを忘れていた。

 ジークフリート家。

 メタルを殺す、そのためだけに生まれた一族。延々と学習と変化を続けるメタルの刹那を切り抜いて、一刀のもとに斬り捨てる対メタル用カウンター。

 それは管理者の未来視を裏切る、刹那を生きる戦闘生物。予言者たちの運命予測を覆すことを望まれ、そしてそのままに変質を蓄積した――

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()英雄(怪物)〟。

 あるいは極まったバカに向かって、ラウルは届くかもわからない声を張り上げた。


「――ムジカぁっ!!」

5-9章更新です


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25/5/31
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― 新着の感想 ―
ラウルが知る由はないとはいえ 今回ムジカがバカ言われる筋合いないすぎる
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