うん
深い眠りについてどれだけ経っただろうか?
かすかに鼻につく腐敗臭が俺の脳を覚醒へと導く。
脳が完全に覚醒すると、その臭いは完全に臭い!!と警告を鳴らす。
寝る前とはうって変わって、部屋の中は消毒液の匂いから一変してやばい匂いで満たされていた。
俺は素早く当たりを見渡す。と、そこには両手で顔を覆い、塞ぎ込んでる先程まで寝ていた女の子がいる。
俺は意を決して話しかけてみることにした。
「あ、あのっ...!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!!!」
話しかけようと声をかけたら物凄い勢いで謝ってくる女の子。
そこで俺はふと下に目を落とす。
女の子の座っている椅子は元は白い色をしていたのだろう。
それが茶色に変色している。そしてその床には何やら液状の溜まりものがある。
間違いない。この子は完全に漏らしている!!
思考をフルで回転させ、正しい選択肢を選ぼう。
もし間違えたなら、この子は一生傷付いて生きていけなければならなくなる。
いや、もしかしたらこの場で命を絶つ危険だってある。
「えっと、健康的な色ですね」
バカか俺は!?
そんな感想言えるほど強靭な精神してねえよ!
つか健康的な色ってなんだよ!?そんないつも見てます的な趣味は持ってねえよ!
ダメだ。これは俺が完全にヤバい癖を持ってると思われて引かれるやつだ。
違うのを考えよう。
「お漏らししてる女の子を見ると俺、興奮するんだよね」
ちげえだろ俺!!
そんな特殊性癖なんて持ってねえよ!!
「俺も漏らすよ!!」
アホかよ!!大惨事をなんでもっと酷くしようとしてるんだよ!?
仮に漏らしたところで黒歴史に拍車がかかってしまう!
「生理現象だし、仕方ないよね」
おしい!仕方ないのはわかってるが
もうちょっとやんわりと、オブラートに包めるはずだ俺!頑張れ俺!!
思考をフル回転させてる俺だったが、どうやら俺は自分の身体の事をすっかりと忘れていた。
限界を突破していた俺の身体は、その悪臭に耐えられずに
口から虹色の胃液をマーライオンの如く吐いた。そして気を失った。
その日、ひとつの部屋が悪臭で汚染され、その部屋のあらゆるものが取替えられこれでもかと言ううくらい消毒されて行った。
そしてその諸悪の根源である2人はゲロ勇とうん子という通り名が付いた。